イドリブ県でのファトフ軍作戦司令室の攻勢を受け、アレッポ県の「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系組織が接近(2015年5月1日)

ロイター通信(5月1日付)は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などが主導するファトフ軍作戦司令室がイドリブ市、ジスル・シュグール市などの制圧を受け、欧米諸国から「穏健な反体制派」と目されてきた武装集団とアル=カーイダ系武装集団との糾合が進んでいると伝えた。

欧米諸国、とりわけ米国は、アサド政権打倒ではなく、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための「穏健な反体制派」の軍事教練を企図し、アレッポ県で活動する第13師団、フルサーン・ハックに対してCIAが極秘に支援を行ってきたとされるが、これらの組織は、シャーム自由人イスラーム運動などへの接近を強めているという。

ロイター通信によると、シャーム自由人イスラーム運動政治局のアブー・ムハンマドを名乗る活動家は、トルコのイスタンブールで、第13師団、フルサーン・ハックの幹部らと会合し、統合を訴えたという。

アブー・ムハンマド氏は、支配地域においてイスラーム法に基づく支配を行うかとの質問に対し、「我々はほかの者たちとともに…シリア全土を解放した時に、改めて会し、そこで施行される法について決める」と答え、柔軟な姿勢を示した。

一方、第13師団のアブー・ハンムード司令官は、ヌスラ戦線との協力を行っていることを認めたうえで、「この協調はヌスラ戦線との同盟を意味しない」と曖昧なコメントを行った。

AFP, May 1, 2015、AP, May 1, 2015、ARA News, May 1, 2015、Champress, May 1, 2015、al-Hayat, May 2, 2015、Iraqi News, May 1, 2015、Kull-na Shuraka’, May 1, 2015、al-Mada Press, May 1, 2015、Naharnet, May 1, 2015、NNA, May 1, 2015、Reuters, May 1, 2015、SANA, May 1, 2015、UPI, May 1, 2015などをもとに作成。

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