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ダマスカス郊外県では、「ダマスカス中心部で早朝、反体制武装勢力の統一司令部本部が攻撃を受け、イスラーム旅団創設者の一人、シャイフ・ザフラーン・アッルーシュが負傷した。
『ハヤート』(2月21日付)などが、反体制活動家の話として報じた。
アッルーシュの甥のイスラーム・アッルーシュは「シャイフの容態は公表できない」と述べ、詳細については明らかにしていないが、複数の活動家によると、ドゥーマー市近郊で攻撃を受けたという。
また攻撃には、スカッド・ミサイルが投入されたという。
イスラーム旅団の指導者の一人は、「シャイフ・アッルーシュが殺害されたら大きな損失だ。イスラーム旅団は現地で最強であり、シャイフ・アッルーシュはその力の背後に知性を備えている」と述べた。
一方、Elaph.com(2月20日付)によると、ハムーリーヤ市を軍が空爆し、20人が死亡した(シリア人権監視団によると、死者数は9人)。
この空爆に関連して、フェイスブック(2月20日付)では、戦闘機が炎を上げながら飛行する映像が「自由シリア軍が戦闘機を撃墜した映像」としてアップされた(http://www.youtube.com/watch?v=TlPrChRp1o4&feature=player_embedded)。
他方、SANA(2月20日付)によると、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、リーハーン農場郊外、カフルバトナー町、シャイフーニーヤ村、ダーライヤー市、アルバイン市、ザマルカー町、ナブク市、ズィヤービーヤ町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、バラームカ地区のティシュリーン・スポーツ・シティーに迫撃砲2発が着弾し、ヒムス県のサッカー・チーム「ワスバ」のユースフ・スライマーン選手が死亡、複数が負傷した。
各紙が報じた。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地、クワイリス航空基地の周辺で、軍と反体制武装勢力が交戦した。
一方、SANA(2月20日付)によると、ナイラブ村周辺、タッル・シュガイブ村、タッル・ハースィル村、アズィーザ市、クシャイシュ市、フライターン市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市では、カラム・マイサル地区、ハイダリーヤ地区、シャイフ・ルトフィー地区、スッカリー地区、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アナトリア通信(2月20日付)は、レバノンの信頼できる複数の消息筋の話として、シャームの民のヌスラ戦線が、ヒムス県クサイル市郊外の対レバノン国境のザイター村をパトロール中のヒズブッラー・メンバー8人を襲撃し、3人を殺害したと報じた。
一方、SANA(2月20日付)によると、タッルカラフ市郊外の対レバノン国境地帯で、国境警備隊がレバノン領からの潜入を試みる武装集団を撃退した。
またヒムス市ワアル地区、東ブワイダ市、ラスタン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(2月20日付)によると、シュグル市、バシーリーヤ市、ディーター市、マアッラトミスリーン市、ナイラブ村、アブー・ズフール市南部などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、SANA(2月20日付)によると、ラターミナ町、サイジャル村、ムハルダ市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、SANA(2月20日付)によると、ダルアー市、ジャースィム市、ブスラー・シャーム市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、ハサカ市にあるシリア正教文化協会本部に治安機関が突入し、メンバー2人を逮捕した、とクッルナー・シュラカー(2月20日付)が報じた。
同報道によると、協会は避難民への支援活動を行っていたという。
一方、クルディーヤ・ニュース(2月20日付)は、タッル・ハミース市の複数の消息筋の話として、自由シリア軍が同市を制圧したとの一部情報を否定した。
ワーイル・ハルキー首相は、燃料不足に対処するための委員会を各地に設置する政令を発した。
SANA(2月20日付)が報じた。
トルコで活動するジャズィーラ・ユーフラテス解放戦線が声明を出し、17日に発表された民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍(ハサカ革命軍事評議会)のラアス・アイン市での停戦合意を「承認しない」と発表した。
同戦線は、この停戦合意が「被害者と屠殺人、シャッビーハと革命家を同一視し、離反した傭兵を革命家とみなしている」と批判した。
ジャズィーラ・ユーフラテス解放戦線はまた別の声明を発表し、2月22日に国内で大会を開き、ナウワーフ・ラーギブ・バシール(シリア革命反体制勢力国民連立メンバ-)の後任としてリヤード・ハフルを代表に選出する、と発表した。
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シリア民主フォーラム代表のミシェル・キールーはAFP(2月20日付)に対して、ラアス・アイン市を侵攻していた「自由シリア軍は、(シャームの民の)ヌスラ戦線以外のすべての武装勢力を代表して(民主統一党との)停戦合意に署名した」と述べた。
キールーによると、ヌスラ戦線はそもそもラアス・アイン市の侵攻に参加していなかったが、停戦協議には参加し、停戦に同意している、という。
またシャーム外国人大隊も、この停戦合意を支持している、と付言した。
なお『ハヤート』(2月21日付)によると、停戦交渉には、自由シリア軍のハサン・アブドゥッラー大佐、シャームの民のヌスラ戦線のファフド・ジャーイド、民主統一党人民防衛隊のジュワーン・イブラーヒーム、シリア・クルド国民評議会のムハンマド・サーリフ・アティーヤ、そしてクルド最高委員会の代表が参加していたという。
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「ハーヴィダール」を名乗るクルド人活動家は、シリア革命反体制勢力国民連立が反体制武装勢力にラアス・アイン市での停戦合意を遵守させることをクルド民族主義政党が望んでいる、と述べた。『ハヤート』(2月21日付)が報じた。
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マスウード・アックーを名乗るクルド人活動家は、「シャーム外国人大隊は、クルド人すべてが体制を支持しており、満足行くようなイスラーム主義者でないとみなしている」と述べ、ラアス・アイン市での停戦合意の遵守を疑問視した。
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自由シリア軍参謀委員会(トルコが拠点)のサリーム・イドリース参謀長は、AFP(2月20日付)に対して、「我々は、ヒズブッラーがレバノンの主権をもてあそび、シリア領内と自由シリア軍に砲撃することを受け入れられない」と非難した。
また「最後通告を発し次第、我々は発射地点への反撃を始めるだろう」と述べ、レバノン領内への越境砲撃を示唆した。
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ザマーン・ワスル(2月20日付)は、現地の自由シリア軍の複数消息筋の話として、反体制武装勢力が地対地ロケット「ファドル1」、「ファドル2」、「ファドル3」を開発したと報じ、その写真を公開した。
同報道によると、これらのロケットは、100~300平方メートルの破壊力がある、という。
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トルコで活動する在外活動家のラドワーン・ズィヤーダは、フェイスブック(2月20日付)で、ダマスカス郊外県アドラー市の軍が「部隊ごと」離反したと吹聴した。
NNA(2月20日付)は、レバノンの軍事裁判所イマード・ザイン判事が、自由シリア軍への武器供与や負傷者の輸送を行っていたとされるS.M.容疑者(ベカーア県バアルベック郡カーア地方出身)に逮捕状を発行したと報じた。
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NNA(2月21日付)は、シリア領内で発射された地対空ミサイルSAM-17のテイル部分が、ベカーア県ラーシャイヤー郡ダイル・アシャーイル市郊外に着弾した、と報じた。
エジプト、レバノン、クウェート、イラク各国外相とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長がロシアを訪問し、モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、シリア危機などへの対応を協議した。
会談後の共同記者会見、ラブロフ外務大臣は、ジュネーブ合意に沿った早急な停戦と対話開始の必要を確認したと述べた。
ラブロフ外務大臣は「各国外相が(ジュネーブ合意の)文言を会談で読み直し、各国の立場の違いはなかった」と述べた。
また「武力行使を通じてシリアの紛争を正常化しようとすれば、国の破壊をもたらすだろう」と警鐘を鳴らした。
しかし、『ハヤート』(2月21日付)によると、危機解決に向けた政治対話におけるアサド大統領の役割をめぐって意見の一致は見なかった。
すなわち、アラビー事務総長は副大統領への大統領権限の移譲を呼びかけたのに対し、ロシアは、対話を阻害する前提条件を課すべきでないと反対した、という。
一方、レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は、セルゲイ・ラブロフ外務大臣ら高官との会談で、「シリアへの外国の浸透は、危機を深刻化させ、際限ないものとする」と警鐘をならした。
また「シリアへの武装勢力への武器・資金供与に常に警告を発してきた」としたうえで、こうした介入が「地域の文化や歴史と無縁の武装勢力の台頭、過激化を招く」と強調した。
ナハールネット(2月20日付)などが報じた。
AFP, February 20, 2013、Akhbar al-Sharq, February 20, 2013、al-Hayat, February 21, 2013、Kull-na Shuraka’, February 20, 2013、al-Kurdiya News,
February 20, 2013、Naharnet, February 20, 2013、NNA, February 20, 2013、Reuters,
February 20, 2013、SANA, February 20, 2013、Zaman al-Wasl, February 20, 2013などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
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