ヒムス県では、AFP(5月14日付)がシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表の話として、スフナ市一帯に進軍したダーイシュ(イスラーム国)が、パルミラ遺跡を擁するタドムル市東部2キロの地点にまで進軍し、同地の建物複数棟を制圧した。
これに対して、シリア軍は、タドムル市北部および東部郊外でダーイシュと交戦するとともに、13日にダーイシュによって制圧されたアーミリーヤ村、スフナ市などを空爆した。
13日スフナ市一帯での戦闘では、シリア軍兵士70人、ダーイシュ戦闘員40人が死亡、またヒムス県のタラール・バラーズィー知事によると、1,800世帯がスフナ市からタドムル市に避難した。
またシリア人権監視団によると、14日の戦闘では、ダーイシュ戦闘員15人が死亡する一方、ダーイシュはアーミリイーヤ村で26人を拘束したのち、斬首し殺害したという。
この戦闘に関して、ダーイシュはインターネットを通じて、「スフナを完全に解放し…ヒムス州(ヒムス市一帯のこと)とハイル州(ダイル・ザウル県のこと)の国際幹線道路が解放された」と発表し、複数の写真を公開した。
一方、SANA(5月14日付)によると、シリア軍はタドムル市東部に侵入しようとしたダーイシュを撃退、またマスアダ街道、ムシャイリファ村、ウンム・リーシュ村、ハイル油田一帯(スフナ市南部)、ジャズル・ガス採掘所地帯東部、スフナ市一帯、タッル・ダブア村、タフハ村、ビール・ラック村、ダーヒク山、ジバーブ・ハマド村、トゥワイナーン村、ラッフーム村、アブー・ハワーディード村で、ダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲を続けるクワイリス航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュが交戦した。
また、13日深夜、アレッポ市北部郊外で、ダーイシュとジハード主義武装集団が交戦し、後者の戦闘員12人が死亡した。
一方、複数の活動家によると、有志連合が、ダーイシュによって占拠されているタッル・マーリド村(アレッポ市北部)一帯を6回にわたり空爆した。
またクッルナー・シュラカー(5月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)は、マーリア市を砲撃し、反体制武装集団戦闘員と民間人合わせて12人が死亡した。
さらに、ARA News(5月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がジャラーブルス市郊外、ユーフラテス川西岸のタッル・アブル村、タッル・アフマル村を砲撃した。
このほか、SANA(5月14日付)によると、アレッポ市東部郊外の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるマヤーディーン市内の現代医学病院、工業高校一帯を空爆、またムーハサン市、ダイル・ザウル航空基地一帯でもダーイシュと交戦、外国人戦闘員4人を殺害した。
一方、SANA(5月14日付)によると、ダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ラシュディーヤ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タマル市一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またハサカ市西部郊外一帯(ウンム・キバル村など)ではシリア軍、国防隊がダーイシュと交戦した。
一方、SANA(5月14日付)によると、ハサカシ西部郊外(ウンム・キバル村)で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(5月15日付)によると、ユーフラテス火山合同作戦司令室が、タッル・アブヤド市郊外のバドルハーン村、シャーシュ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。
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クッルナー・シュラカー(5月14日付)は、ダマスカス郊外県の東カラムーン地方でダーイシュ(イスラーム国)と交戦するシャームの民のヌスラ戦線の司令官、戦闘員が、ダーイシュとの戦闘停止を決定したと発表したと発表した。
これに関して、東カラムーンのヌスラ戦線はツイッターを通じて声明を出し、この発表との関係を否定、ダーイシュ掃討の継続を確認した。
AFP, May 14, 2015、AP, May 14, 2015、ARA News, May 14, 2015、Champress, May 14, 2015、al-Hayat, May 15, 2015、Iraqi News, May 14, 2015、Kull-na Shuraka’, May 14, 2015、May 15, 2015、al-Mada Press, May 14, 2015、Naharnet, May 14, 2015、NNA, May 14, 2015、Reuters, May 14, 2015、SANA, May 14, 2015、UPI, May 14, 2015などをもとに作成。
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ナハールネット(11月21日付…
イドリブ県では、テレグラムの「…