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アリー・アブドゥルカリーム・アリー駐レバノン・シリア大使は、アドナーン・マンスール外務大臣と会談した。
会談後、記者団に対して、アリー大使は、ヒムス県クサイル地方での16日のレバノン人と反体制武装勢力の戦闘に関して、「レバノンのレジスタンス(ヒズブッラー)がシリア国内で支援を行っていると一部の人々が広めようとしているが、こうした噂は常に繰り返されてきたことだ」と述べた。
また「シリア、レバノン両国の国籍を持つ人々がおり、シリア領内のレバノン人は、攻撃に曝された場合、武装集団に対抗する」と付言した。
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港街道の検問所1カ所を反体制武装勢力が占拠した。
またクワイリス航空基地、マンナグ航空基地周辺で、軍と反体制武装勢力が交戦した。
アレッポ市内でも旧市街、シャイフ・サイード地区など反体制武装勢力が占拠する地区で、断続的に戦闘があった。
一方、SANA(2月18日付)によると、タッル・シュガイブ村、アズィーザ市、ザハビーヤ村、タッル・ハースィル村、ジスル・アッサーン村、サフィーラ市などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、アレッポ旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市では、カルム・マイサル地区、カラム・トゥラーブ地区、ダウワール・ハーウーズ、カラム・ジャズマーティー地区などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町近くの国際幹線道路で爆発があり、軍の兵士4人が殺害された。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、17日夜から反体制武装勢力が占拠するダイル・ザウル市内の検問所で激しい戦闘が続き、戦闘員10人と軍兵士26人が死亡した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナブク市南部の検問所を反体制武装勢力が襲撃し、兵士8人が殺害された。
またダーライヤー市などに対して軍が空爆・砲撃を続けた。
一方、SANA(2月18日付)によると、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、ヒッティーン旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(2月18日付)によると、アービル村、タッルドゥー市、カフルラーハー市、東ブワイダ市、ラスタン市、タルビーサ市、クサイル市郊外などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
『ガーディアン』(2月18日付)は、ヒムス県タッルカラフ市でムハンマド・ハビーブ・ファンディーの仲介により、反体制武装勢力のアブー・ウダイとタッルカラフ市長が停戦に合意し、軍が砲撃を停止、反体制武装勢力が武装放棄したと報じた。
ムハンマド・ハビーブ・ファンディーは、ラッカ市のスンナ派部族の部族長で、ハティーブとしてモスクでの説教を行ってきた人物。
一方、アブー・ウダイは、サウジアラビアで不動産業に従事していたが、「革命が始まった」のを受け、シリアに帰国し、武装闘争に参加したという。
アブー・ウダイによると、タッルカラフ市での反体制武装闘争に外国人は参加しておらず、自身も「宗教的でない」という。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/feb/18/syrian-city-truce-sheikh?INTCMP=SRCH
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イドリブ県では、SANA(2月18日付)によると、ビンニシュ市・マアッラトミスリーン市街道などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、SANA(2月18日付)によると、反体制武装勢力がカッサーア地区にあるフランス病院、私立ムアウワナ学校を迫撃砲で攻撃した。死傷者は出なかったが、建物の一部が破壊された。
シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「革命開始当初から…イランを支持するヒズブッラーが、シリア人に対する殺戮、犯罪行為に直接関与してきた」としたうえで、「クサイル地方への最近の軍事介入もその一環だ」と断じた。
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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、反体制武装勢力の戦闘員に対して、ヒズブッラーの戦闘員を捕捉した場合、「戦争捕虜」ではなく「傭兵」として処遇するよう命令した。
イドリース参謀長は「彼らは国際法が定める条件に従って処遇されることはないだろう」と述べた。
民主統一党人民防衛隊のハバード・イブラーヒーム報道官は、アラビーヤ(2月18日付)に対して、シリア・アラブ反体制勢力がクルド人の存在を尊重する限り、ラアス・アイン市での(停戦)合意を遵守する」と述べた。
そのうえで「自由シリア軍との調整のもと、抑圧的な政府の支配下にある地域を解放する計画がある」と付言した。
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ミシェル・キールーは、アラビーヤ(2月18日付)に対して、ラアス・アイン市での民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍の合意に関して「戦略的合意であり、クルド・アラブ関係を再構築し、両当事者の権利を保障する」と述べた。
また「合意は、ラアス・アイン地方に限られたものでなく、ジャズィーラ地方全体を包摂している」と付言した。
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ミシェル・キールーはトルコのアナトリア通信(2月18日付)に対して、ハサカ県ラアス・アイン市での民主統一党人民防衛隊と反体制武装勢力の対立に関して、「彼らのなかで革命が勝利すると念が強まるなか、民主統一党は困難な段階にある」との見方を示した。
またラアス・アイン市で、民主統一党が自由シリア軍との合意のもと、体制打倒のために共闘しつつあると主張した。
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民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は声明を出し、2月1日付『サフィール』に掲載されたインタビューでのイラク・クルディスタン地域マスウード・バールザーニー大統領への非難を撤回、謝罪した。
NNA(2月18日付)は、北部県アッカール郡の対シリア国境に面するアリーダ市で、住民が道路を再び封鎖し、燃料輸送用トラックのシリア(タルトゥース県)への入国を阻止したと報じた。
道路封鎖は、シリアの反体制武装勢力と軍の戦闘での迫撃砲の流れ弾が同市に着弾したことに抗議するかたちで始められた。
EU外相会議がブリュッセルで開かれ、シリアへの武器禁輸措置解除(反体制勢力への武器・兵站支援)の是非について審議した。
会議では、禁輸措置解除を強く主張する英国とそれに慎重なドイツや北欧の意見がまとまらず、妥協案として、武器禁輸措置を3ヶ月延長する一方、防弾チョッキなど「非殺傷」型の軍事支援を強化することで合意した。
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サウジアラビア政府は、シリア危機に対処するための国際社会のヴィジョンの統一を呼びかけるとともに、政権移行と即時流血停止の必要を強調した。
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国連人権理事会が任命した国際調査委員会はシリアの人権侵害に関する報告書を公表し、アサド政権と反体制武装勢力の双方が人道に対する罪などの戦争犯罪を犯していると指摘したうえで、国連安全保障理事会に対し、国際刑事裁判所(ICC)への付託を求めた。
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ラタキア県の殉教者バースィル・アサド国際空港に、人道支援物資46トンを積んだロシアの貨物航空機2機が到着した。
AFP, February 18, 2013、Akhbar al-Sharq, February 18, 2013、Alarabia.net, February 18, 2013、The Guardian, February 18, 2013、al-Hayat, February 19, 2013、Kull-na Shuraka’, February 18, 2013、al-Kurdiya News,
February 18, 2013、Naharnet, February 18, 2013、NNA, February 18, 2013、Reuters,
February 18, 2013、SANA, February 18, 2013などをもとに作成。
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