アレッポ県北部などでダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線など反体制派、シリア軍が混戦(2015年6月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市、バーブ・サラーマ国境通行所に向かって進軍するダーイシュ(イスラーム国)が、マーリア市各所を砲撃した。

またマーリア市一帯では、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュを迎撃したほか、スーラーン・アアザーズ町一帯でもジハード主義武装集団とダーイシュが交戦した。

こうしたなか、アフリーン市近郊で数日前にクルド系住民20人を拉致していた反体制武装集団が、10人を釈放した。

20人はイドリブ県方面からアフリーン市に向かってバスで移動中に拉致されていた。

一方、SANA(6月3日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ・ファトフ作戦司令室のヤースィル・アブドゥッララヒーム司令官はトルコのアナトリア通信(6月3日付)に宛てにプレス向け声明を出し、そのなかで反体制武装集団がアレッポ県北部でのダーイシュの進軍を食い止め、攻撃に転じたと主張した。

またアレッポ市一帯で活動するアブー・アマーラ特殊任務中隊は声明を出し、アレッポ県北部でのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻に関して、「アレッポ北部の革命家部隊の拠点に対する攻撃は、地域のイスラーム教徒すべてへの攻撃以外の何ものでもない」と批判した。

**

クワイリス航空基地内の第8滑走路でスホーイ戦闘機が炎上し、火災が発生、空港内の灯油倉庫が爆発した。

負傷者はヘリコプターでラタキア県の軍病院に搬送されたという。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村一帯で、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と交戦した。

**

ダルアー県では、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、ラジャート高地を完全制圧したと発表した。

ラジャート高地では、自由シリア軍南部戦線に所属するウマリー旅団連合が2日に声明を出し、「ダーイシュの細胞」がラジャート高地に向かう街道を封鎖し、同地を孤立させようとしているとし、「革命家」に対して軍事支援を求めていた。

自由シリア軍南部戦線とシャーム自由人イスラーム運動は、ダルアー県での戦闘において協力関係にある。

**

ダマスカス県では、スマート・ニュース(6月4日付)によると、ダマスカス県タダームン区などで活動するアンサール・イスラーム戦線がダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったのを受け、タダームン統一大隊がアンサール・イスラーム戦線からの離反を宣言した。

AFP, June 3, 2015、AP, June 3, 2015、ARA News, June 3, 2015、Champress, June 3, 2015、al-Hayat, June , 2015、Iraqi News, June 3, 2015、Kull-na Shuraka’, June 3, 2015、al-Mada Press, June 3, 2015、Naharnet, June 3, 2015、NNA, June 3, 2015、Reuters, June 3, 2015、SANA, June 3, 2015、SMART News, June 3, 2015、UPI, June 3, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts