シリア反体制派代表の「第2回カイロ会議」が開幕するも国旗掲揚をめぐって早くも対立、またアサド政権退陣は採択予定の行程表には盛り込まれない見込み(2015年6月8日)

シリアの紛争解決、アサド政権との和平交渉に向けた反体制派の代表の会議「第2回カイロ大会」がカイロのホテルで開幕した。

初日の開会会合には、シリア革命反体制勢力国民連立元議長のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏(個人資格で参加)、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表、ジャマール・スライマーン氏(ムハンマド・サルマーン元情報大臣が率いる国民民主潮流に近い活動家)、「カフム」代表のハイサム・マンナーア氏、ジハード・マクディスィー元外務在外今日中者省報道官シリアの反体制派代表約170人、そしてカイロ大会準備委員会メンバーが出席した。

欧米諸国によってかつて「シリア国民の唯一の正統な代表」と認定され、最近ではトルコのイスタンブールを拠点として、アル=カーイダ系組織の軍事的攻勢やテロを「革命家の勝利」として唱導しているシリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)は、会議の準備段階でボイコットを表明、参加を見合わせた。

また、主催者であるエジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、アラブ議会連盟のアフマド・ジャルワーン議長、エジプト外務評議会のワヒーブ・ミンヤーウィー代表が参加した。

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『ハヤート』(6月9日付)によると、第2回カイロ大会準備委員会メンバーで、民主的変革諸勢力国民調整委員会のサーリフ・ナバワーニー氏は、大会で審議される文書のなかに、ジュネーブ合意実施の仕組みを定めた「行程表」案が含まれているとしたうえで、また2012年に発表されたシリア国民民主同盟大会声明に基づいて作成された「シリア国民憲章」案の審議がなされ、第2回カイロ大会での承認が得られれば、これが移行期間における新憲法起草などの基本原則となると述べた。

しかし、アラビー・ジャディード(6月8日付)は、大会参加者筋の話として、第2回カイロ大会が「シリアの反体制派はシリアでの政治的解決のためにある」と銘打って、紛争解決に向けた行程表の策定をめざしているが、この行程表には、アサド政権の退陣については盛り込まれず、これについてはシリア政府との交渉のテーブルで審議されることになる、と伝えた。

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またアラビー・ジャディード(6月8日付)によると、開会式に先立って、会場にシリア国旗が掲揚されていたことに、複数の参加者が抗議し、在外活動家や「自由シリア軍」が使用する「シリア革命の旗」(フランス委任領シリアの旗)を掲揚するよう主張、第2回カイロ大会準備委員会メンバーの一人マイサム・マンナーア氏が一時退場するという一幕もあったという。

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エジプトのシュクリー外務大臣は開会の辞で「テロ組織の脅威に立ち向かい、シリアの国土統合を回復」する必要を強調、その実現は「ジュネーブ合意(2012年)に基づく政治的正常化にいたずしてあり得ない」と述べた。

そのうえで「行政権を完全に享受する移行期統治機関の設置から開始し、同機関がシリア国民から正統性を、そして国際社会の承認を得る」必要があると続けた。

一方、2011年に始まったシリアの紛争については、「代理武力紛争」と化したと指摘、「シリア領はテロリストの温床となり…、宗派主義に囚われている」との見方を示した。

シュクリー外務大臣は「シリアの愛国的な勢力・個人のなかに…エジプトの役割、支援、そしてシリア人の純粋に愛国的な努力を後押しすることを促す動きがあった」と述べる一方、「エジプトはアラブ人民の問題に一度たりとも介入したことないし、これからも介入することはない…。エジプトの人民、そして国家は、政治的解決に至ろうとするあなた方(シリア人)の努力を後押しする」と強調した。

AFP, June 8, 2015、AP, June 8, 2015、ARA News, June 8, 2015、Champress, June 8, 2015、al-Hayat, June 9, 2015、Iraqi News, June 8, 2015、Kull-na Shuraka’, June 8, 2015、al-Mada Press, June 8, 2015、Naharnet, June 8, 2015、NNA, June 8, 2015、Reuters, June 8, 2015、SANA, June 8, 2015、UPI, June 8, 2015などをもとに作成。

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