アレッポ大学に「テロ集団」が発射した迫撃砲が着弾し学生や市民らが死傷するなか、ハルキー首相がイランを訪問しアフマディーネジャード大統領ら同国政府首脳らと会談(2013年1月15日)

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国内の暴力

SANA(1月15日付)は、テロ集団が発射した迫撃砲2発がアレッポ大学(アレッポ市)に着弾し、学生や市民多数が死傷した、と報じた。

SANA, January 15, 2013

同報道によると、迫撃砲はアレッポ市ライラムーン地区から発射された、という。

アレッポ県のワヒード・アッカード知事は「アレッポ大学の期末試験初日に学生を狙った爆破テロにより、これまで82人が死亡、160人以上が負傷した」と述べた。死傷者はさらに増える見込み。

また『ハヤート』(1月16日付)などによると、芸術学部、建築学部の施設が損害を受け、両学部周辺に駐車していた車多数が大破した。

SANA, January 15, 2013

 

SANA, January 15, 2013

 

SANA, January 15, 2013

 

SANA, January 15, 2013

SANA, January 15, 2013

一方、AFP(1月15日付)は、軍消息筋の話として、反体制武装勢力がアレッポ市上空を旋回していた軍の航空機に地対空ミサイルを発射したが、誤って大学に着弾した、と報じた。

これに対し、BBCの在ダマスカス特派員のアリー・アタースィーは、フェイスブック(1月15日付)で、アレッポ大学での爆破テロに関して、大学上空を旋回し、監視活動を行っていた軍の航空機を狙った自由シリア軍の熱感知ミサイルが誤って大学に着弾したとの治安筋の発表に根拠があるはずない、と綴った。

他方、ユーチューブ(1月15日付)には、アレッポ大学での爆破テロとされる映像(https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=NLNc6vOPMB0)がアップされた。

クッルナー・シュラカー(1月15日付)は、ユーチューブの映像に関して、武装テロ集団の犯行だとする政府の声明が偽りだと報じたが、映像からは軍の空爆だとする反体制勢力の主張を裏付けることもできない。

SANA, January 15, 2013

SANA, January 15, 2013

SANA, January 15, 2013

アレッポ大学は反体制武装勢力ではなく、シリア政府の支配地域内に位置している。

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アレッポ県では、SANA(1月15日付)によると、アレッポ大学でのテロのほか、アレッポ市バニー・ザイド地区に反体制武装勢力が発射した迫撃砲が着弾し、複数が死傷した。

一方、シリア人権監視団によると、バーブ市が空爆を受け、女性4人を含む8人が死亡したという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウバル区、スルターニーヤ地区が軍の空爆を受け、ハーリディーヤ地区、旧市街では軍と反体制武装勢力が交戦した。

またハウラ地方では、砲撃により女性4人を含む9人が死亡したという。

一方、SANA(1月15日付)によると、ハウラ地方で軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

SANA, January 15, 2013

SANA, January 15, 2013

SANA, January 15, 2013

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市、シャブアー町、ドゥーマー市などに軍が空爆を行い、ムライハ市周辺、ダーライヤー市では軍と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(1月15日付)によると、ドゥーマー市郊外、ムライハ市、バイト・サフム市、ダーライヤー市、ダイル・アティーヤ市などで、軍が反体制武装勢力を追撃、多数の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊した。

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ダルアー県では、ヨルダンのサラフィー主義武装集団の指導者アビー・ムハンマド・タフターウィーによると、シャームの民のヌスラ戦線メンバーの一人リヤード・フダイブ(32歳)が軍の砲撃により死亡した。

フダイブはイラクでの戦闘経験があり、「7ヶ月前」にシリアに潜入、ヌスラ戦線ではシャリーアにかかる問題を担当していた、という。

一方、SANA(1月15日付)によると、ブスル・ハリール市の軍検問所を反体制武装勢力が襲撃したが、軍が撃退した。

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ハマー県では、SANA(1月15日付)によると、軍がタイバト・イマーム市でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊のメンバー多数を殲滅し、同市を制圧、治安を回復した。

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イドリブ県では、SANA(1月15日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地近く、ビンニシュ市、トゥウーム村などで、軍が反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相はイランを訪問し、マフムード・アフマディーネジャード大統領らイラン政府首脳らと会談した。

SANA, January 15, 2013

SANA(1月15日付)によると、会談で、アフマディーネジャード大統領は、シリアの危機に関して「暴力停止、対話、国民的相互理解、民主的選択、選挙以外に解決策はない」と強調し、安定回復、改革実現、危機の平和的解決、さまざまな問題克服をめざすシリア政府と国民への支持を表明した。

このほかワーイル首相は、モハンマド・レザー・ラヒーミー第一副大統領、ロストゥム・カーセミー石油大臣、アリー・ネクザード住宅都市道路建設大臣、サイード・ジャリーリー国家安全保障最高会議書記、アリー・アクバル・サーレヒー外務大臣らとも会談した。

ワーイル首相には、ウマル・イブラーヒーム・ガラーワンジー福祉問題担当副首相兼地方自治大臣、アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣、マンスール・ファドルッラー・アッザーム大統領担当国務大臣、タイスィール・ズウビー内閣事務局長、アフマド・アルヌース外務在外居住者省次官、アドナーン・マフムード駐イラン・シリア大使が随行した。

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アサド大統領は2013年政令第13、14号を発し、ファウワーズ・アリー・サーリフをダイル・ザウル県知事、サフワーン・スライマーン・アブー・サアディーをイドリブ県知事にそれぞれ任命した。

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『ワタン』(1月15日付)は、シリア政府が、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、カザフスタン、中国、イラン、イラク、インド、ラ米諸国などと「石油食糧プログラム」(Oil for Food)に関する議定書に調印した、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(1月15日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、治安当局が「自由シリア軍」と称する特殊部隊を編成し、反体制武装勢力を貶めるべく、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市で空軍情報部を襲撃した、と報じた(未確認情報)。

この襲撃によって、双方の兵士5人が死亡、8人が負傷したという。

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クッルナー・シュラカー(1月16日付)は、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表が安保理会合で、15日のアレッポ大学での爆破テロに関して、「アラビーヤ・チャンネルは事件が発生する前に事件発生を報じた」と述べ、同局が「シリアでのテロ活動の作戦室になっている」と非難した、と報じた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は声明を出し、アレッポ大学での爆破テロに関して、「重火器によって体制が砲撃した」、「国民に対するもっとも卑劣な犯罪」と非難した。

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シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長は『ハヤート』(1月16日付)のインタビューに応じ、そのなかで「アラブはシリアをめぐって二つに分裂している。アラブ諸国の体制のなかには、シリア国民を強く支持する湾岸アラブ諸国を除くと、シリア政府の友人が依然として支持している」と述べた。

また国際社会に対しては、「自由シリア軍への高性能の武器供与、移行期政府発足を促すための飛行禁止空域の設置」を呼びかけた。

そのうえで「バッシャール、および彼の体制と対話には反対」と述べた。

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1月13日に民主的変革諸勢力国民調整委員会からの脱会を発表したマフムード・マルイー弁護士、バッサーム・マリク・シリア商業会議所事務局メンバーらエジプト在住の活動家が、「民主主義市民権国家のためのシリア人」という新たな政治組織の発足を発表した。

同組織は、体制転換を通じた民主化をめざしている。

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アクス・サイル(1月15日付)は、統一革命司法評議会なる組織の軍事裁判所が、殉教者ニムル大隊司令官のアフマド・シャンマーおよび同部隊の戦闘員複数に対して、活動家ムハンマド・ハーリド・アブー・アブド殺害容疑で逮捕状を発行した、と報じた。

反体制勢力の司法組織による逮捕状の発行はこれが初めてだという。

諸外国の動き

ロシア外務省は声明を出し、シリアでの人道に対する罪の国際刑事裁判所への付託を国連安保理に求めるスイスなど57カ国による連名書簡に関して、「こうしたイニシアチブは、シリアでの流血の即時停止という現下の主要な目標にとって逆効果になるだろう」と拒否の姿勢を示した。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、訪問先のUAEで『ハヤート』(1月16日付)に対して「イランはアサドを支持しているが、この支持に将来はあるのか…?イランはアサド体制崩壊が自国に何を意味するかを考えねばならない」と述べた。

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ロイター通信(1月15日付)によると、トルコのウルファ県にあるジェイランピナル避難民キャンプで火災が発生し、シリア人避難民4人が死亡した。

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イスラエルのロン・プロソル国連常駐代表は、テロ対策に関する安保理会合で、「我々はアサド政権が保有する膨大な化学兵器の備蓄がヒズブッラーの手に渡るという恐るべき可能性に直面している」と述べた。

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イスラエルとシリア国境のゴラン高原に展開する国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に参加していた自衛隊部隊が撤収を完了した。

AFP, January 15, 2013、Akhbar al-Sharq, January 15, 2013、‘Aks al-Sayr, January 15, 2013、al-Hayat, January 16, 2013、Kull-na Shuraka’, January 15, 2013, January 16, 2013、al-Kurdiya
News, January 15, 2013、Naharnet, January 15, 2013, January 16, 2013、Reuters,
January 15, 2013、SANA, January 15, 2013、UPI, January 15, 2013、al-Watan, January 15, 2013などをもとに作成。

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