イドリブ市で外国による反体制武装勢力への支援反対や国軍支持を訴えるデモ行進が組織される、反体制勢力がトルコ・ハタイ県でイドリブ県地方評議会行政局のメンバーを選出(2013年1月14日)

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国内の動き(シリア政府の動き)

SANA(1月14日付)によると、イドリブ市で、住民が、武装テロ集団の犯罪・蛮行拒否、トルコなどによる反体制武装勢力への支援反対、国軍支持、治安・安定回復支持を訴えるデモ行進を行った。

SANA, January 14, 2013

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、BBC(1月14日付)のインタビューに応じ、そのなかで、「(アサド大統領は)元首としてとどまらねばならず、その後2014年の大統領選に立候補し、他の立候補者とともに選挙戦を戦うだろう」と述べた。

そのうえで「シリアの指導部の未来は投票箱が決するだろう」と付言、シリアが「民主主義に対して門戸を開放した」と強調した。

その一方で、ミクダード副大臣は、欧米諸国やトルコが「テロ集団の支援、武器供与、シリアへの潜入」を通じてシリアの危機に関与しているとしたうえで、「アサド大統領がイニシアチブを発揮する以前から、対話イニシアチブに反対の立場をとってきた」と批判した。

また「武装放棄した集団を含む全員が参加したかたちでの国民対話実施」に向けたアサド大統領のイニシアチブがシリア国民の意思を反映していると強調、「民主主義、人権、公正に基づきシリアの現在と未来を議論し、新憲法と表現の自由を定める」と述べ、「シリア人を殺戮し、シリアを破壊している集団を除く…すべての当事者と交渉」する意思を改めて示した。

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ダマス・ポスト(1月15日付)は、スブヒー・アフマド・アブドゥッラー農業・農業改革大臣、アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣らは、アサド大統領による危機解決のための政治プログラムの実施、とりわけ国民対話大会開催の準備のための初会合を開いた、と報じた。

会合には、両大臣のほか、ムハンマド・トゥルキー・サイイド国務大臣、イドリブ県選出の人民議会議員、人民諸組織代表らが出席した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団が、ムウダミーヤト・シャーム市に対する軍の空爆で子供8人と女性5人が死亡した、と発表した。

これに対して、SANA(1月14日付)は、ダーライヤー市を拠点とする反体制武装勢力がムウダミーヤト・シャーム市を迫撃砲で攻撃し、女性と子供が犠牲となったと報じた。

このほか、シリア人権監視団によると、フーシュ・アラブ市(アティーバ地方)でも、軍の空爆により、子供1人を含む一家4人が死亡したという。

また軍はダーライヤー市に対しても空爆を行い、ムライハ市の防空局施設周辺では軍と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(1月14日付)によると、ドゥーマー市などで、軍が反体制武装勢力への特殊作戦を行い、イスラーム旅団のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊した。

またダーライヤー市、ズィヤービーヤ町などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ルクンッディーン区で爆発があり、男性1人が死亡、3人が負傷、その後、治安当局による大規模な逮捕・摘発が行われた。

この事件に関して、SANA(1月14日付)は、同地区にある反体制武装勢力の爆弾製造工場が爆発し、テロリスト1人が死亡、2人が負傷した、と報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がドゥワイリーナ地方を制圧し、アレッポ国際空港近くでは空港を防衛する第80旅団基地周辺で軍と反体制武装勢力が交戦した。

またアレッポ市ハイダリーヤ地区で、砲撃により子供1人が死亡した。

また、ザイディーヤ地方でも砲撃があったほか、マイダーン地区では軍と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(1月14日付)によると、ハーン・アサル市、ナイラブ村、クシャイシュ市、マンナグ村、ラスム・アッブード村、ドゥワイリーナ地方、サフィーラ市、カッザーヒー市、ムスリミーヤ村などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またアレッポ市ハイダリーヤ地区、バニー・ザイド地区、バーブ・ハディード地区、シャイフ・サイード地区、ブスターン・バーシャー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

このほか、アレッポ市ラームーサ地区では、軍が反体制武装勢力の車爆弾製造工場を発見し、複数の活動家を摘発、爆発物、自動車などを押収した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がタフタナーズ航空基地を空爆し、施設の一部やヘリコプターを破壊した。

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ハサカ県では、SANA(1月14日付)によると、トルコ領に接する第47地区で、国境警備隊がトルコ領からの潜入を試みる反体制武装勢力と対峙、撃退した。

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ヒムス県では、SANA(1月14日付)によると、ラスタン市、タルビーサ市、クサイル市郊外などで、軍が反体制武装勢力のアジトを攻撃、多数の戦闘員を殺傷した。

またレバノン領からタッルカラフ地方への潜入を試みた反体制武装勢力を国境警備隊が撃退した。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(1月14日付)は、トルコのハタイ県レイハンル市で、在外の反体制勢力がイドリブ県地方評議会行政局のメンバーを選出したと報じた。

Kull-na Shuraka’, January 14, 2013

レイハンル(アラビア語名「リーハーニーヤ」)市は、イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所から約5キロの地点(トルコ領内)に位置する都市で、国内で活動しているはずの地方自治評議会さえも国外で活動している実態が明らかになった。

選挙は、シリア革命反体制勢力国民連立のスハイル・アタースィー副議長、アブドゥルハーディー・タッバーウ(同連立地方評議会担当者)の監視のもとに行われた。

選出されたメンバーは以下の通り:バースィル・ガザール、ムハンマド・タナーリー、マーズィン・アルジャ、ナズィール・ハッリー、ザカリヤー・ヒラーキー、ムジャーヒド・ナーイス、アブドゥッサラーム・アミーン、フアード・アッルーシュ、ウサーマ・キヤーリー、イブラーヒーム・カースィム、アリー・スルターン。

またアブドゥルハミード・タッハーンが行政局によってイドリブ県地方自治局書記長に任命された。

さらに、シリア革命反体制勢力国民連立地方自治委員会メンバーにおいてイドリブ県の代表を務めているアドナーン・ラフムーンが代表として再選出された。

諸外国の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ヘルマン・ファン・ロンパウEU議長とカイロで会談した。

会談後の記者会見で、アラビー事務総長は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるミッションが継続中だとしたうえで、アラブ連盟とEUの協力継続の必要を強調した。

一方、ファン・ロンパウ議長は、「バッシャール・アサドが去り、虐殺が止まるべき時が来た…。なぜならシリア革命反体制勢力国民連合がブラーヒーミー共同特別代表と彼の努力への協力者になるからだ」と述べた。

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NTV-Turk、CNN-Turkなどは、トルコのキリス県アクチャバーラル市のオリーブ畑にシリア(アレッポ県)から発射された迫撃砲が着弾した、と報じた。

シリア軍による砲撃か、反体制武装勢力による砲撃かは不明。

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NATO報道官は、トルコへのパトリオット・ミサイル配備が完了したと発表する一方、1月に入ってシリア軍が短距離ミサイル20発を発射したことを捕捉していると述べた。

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サウジアラビア紙『ワタン』(1月14日付)は、複数の諜報筋の話として、アサド大統領一家が、ロシアの保護のもと、地中海上の戦艦で暮らしている、と報じた(未確認情報)。

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国際救援委員会(IRC)は「シリア:地域的危機」(http://www.rescue.org/sites/default/files/resource-file/IRCReportMidEast20130114.pdf )と題した報告書を発表し、そのなかでシリア情勢を「驚くべき人権災害」と位置づけ、強姦がシリア人女性の避難をもたらした主な要因だと指摘した。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチは14日に声明(http://www.hrw.org/news/2013/01/14/syria-army-using-new-type-cluster-munition)を出し、シリア軍がイドリブ県(2012年12月)、ハマー県(2013年1月)での反体制武装勢力の掃討において、クラスター爆弾を使用したと指摘・非難した。

AFP, January 14, 2013、Akhbar al-Sharq, January 14, 2013、BBC, January 14, 2013、Damas Post, January 15, 2013、al-Hayat, January 15, 2013、Kull-na Shuraka’, January 14, 2013、al-Kurdiya News,
January 14, 2013、Naharnet, January 14, 2013、Reuters, January 14, 2013、SANA,
January 14, 2013、al-Watan (Riyadh), January 14, 2013などをもとに作成。

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