アレッポ県では、『ハヤート』(7月13日付)などによると、UNESCO世界文化遺産に指定されているアレッポ市旧市街で反体制武装集団が掘削した地下トンネルが爆破され、アレッポ城の東側の外壁が一部崩壊した(https://youtu.be/wbHPuABD_-I)。
これに関して、シリア人権監視団および複数の反体制活動家は、シリア軍が地下トンネルを爆破したと主張する一方、SANA(7月12日付)は、「テロ集団がトンネルを破壊した」と主張し、アレッポ市外壁の崩壊が、反体制武装集団によるものだと反論した。
『ハヤート』(7月13日付)は、「反体制派はアレッポ市でのシリア軍の戦いにおいて地下トンネルを爆破する戦術をとり、自らの支配地域からシリア政府側の拠点に向かって地下トンネルを掘削、通常は爆弾を仕掛けて爆破するか、そこから戦闘員を潜入させ奇襲をかけている」と伝え、反体制派が爆破した可能性が高いことを示唆した。
一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市バーブ・ハディード地区一帯を「樽爆弾」で空爆する一方、ザフラー協会地区の大使徒モスク、裁判所一帯で、ヒズブッラー戦闘員、国防隊とともに、アンサール・シャリーア作戦と交戦した。
シリア軍はまた、アレッポ市バニー・ザイド地区、カースティールー街道地区に対しても空爆を行った。
これに対して、ヌールッディーン・ザンキー運動は、アレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区(ファミリー・ハウス区)を砲撃した。
他方、SANA(7月12日付)によると、アレッポ市ハーリディーヤ地区、ラーシディーン地区、アズィーズィーヤ地区、シャイフ・サイード地区、ライラムーン地区、アンサーリー地区、マイサル地区、フルワーニーヤ地区、バニー・ザイド地区、カースティールー地区、マンスーラ村、ダーラト・イッザ市、カフルダーイル村、ハルダトニーン村、フライターン市、シュワイフナ村、アナダーン市、アアザーズ市、カフルハムラ村、シャイフ・スライマーン村、アブティーン村、ハーン・アサル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
アレッポ・ファトフ作戦司令室は声明を出し、アンサール・シャリーア作戦司令室参加組織の一つ第1連隊が司令室に参加したと発表した。
アレッポ・ファトフ作戦司令室には7月8日も、イスラーム覚醒大隊、アンサール・スンナ旅団が、さらにその数日前には第111師団が加入している。
なおアレッポ・ファトフ作戦司令室参加組織は以下の通り:シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、シャーム軍団、シャーム革命家、「命じられたまま正しくあれ」連合、カリフの暁大隊、ヌールッディーン・ザンキー運動、ムジャーヒディーン軍、スンナ軍、アブー・アマーラ大隊、第101師団、第16師団、第13師団、ファトフ旅団、スルターン・ムラード旅団、フルサーン・ハック旅団、ガーブの鷹旅団、ハック旅団、フルカーン旅団、バヤーリク・イスラーム運動、自由旅団、バヤーン運動、アターリブ殉教者旅団、スルターン・ムハンマド・ファーティフ旅団、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線、イッザ連合、精鋭部隊、第1連隊、イスラーム覚醒大隊、アンサール・スンナ旅団、第111師団。
一方、アレッポ・ファトフ作戦司令室とともに、アレッポ市一帯で活動しているアンサール・シャリーア作戦司令室の参加組織は以下の通り:シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線、イスラーム・ムジャーヒディーン運動、アンサール・ヒラーファ、シャーム自由人イスラーム運動、タウヒード・ワ・ジハード大隊、第1連隊、アブー・アマーラ大隊、ファジュル・ヒラーファ大隊、マイアード中隊、サハーバ大隊、ジュンドッラー、スルターン・ムラード旅団。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからはるファトフ軍が、アリーハー市とラタキア市(ラタキア県)を結ぶ国際幹線道路沿いのハッターブ丘に進攻し一時制圧したが、シリア軍戦闘機、ヘリコプターがヌスラ戦線拠点を集中的に空爆・砲撃、またヌスラ戦線らと交戦、数時間後に同地を奪還した。
シリア軍はまたジスル・シュグール市を「樽爆弾」などで空爆した。
一方、SANA(7月12日付)によると、ジスル・シュグール市南東部のアアワル丘、ハマカ丘に進攻したシャームの民のヌスラ戦線をシリア軍が撃退し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またハッターブ丘に進攻したファトフ軍もシリア軍が撃退した。
シリア軍はこのほか、ハーン・シャイフーン市、シャフシャブフー山一帯、マクラア村、ジャンナト・クラー村、バズィート村、サッラト・ズフール村、バシーリーヤ村、バラーギーティー村、ハシール村、アブー・ズフール町、タマーニア町、ハーッス村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザバダーニー市各所を10回以上にわたり空爆、また「樽爆弾」8発を投下するとともに、第4師団とヒズブッラー戦闘員が市内でジハード主義武装集団と地元武装集団と交戦した。
シリア軍はまた、バイト・サワー村各所、ラカービーヤ農場各所、カラムーン地方無人地帯、マダーヤー町、バイト・ジン村を空爆・砲撃した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団が東カラムーン地方のダーイシュ(イスラーム国)拠点を砲撃した。
一方、SANA(7月12日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、フサイニーヤ町、ハサヌー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区をシリア軍が砲撃、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が反体制武装集団と交戦した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市内複数カ所、ヌアイマ村、西ガーリヤ村をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。
一方、SANA(7月12日付)によると、ダルアー市アッバースィーイーン地区、アトマーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
他方、クッルナー・シュラカー(7月12日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方に対するシリア軍の包囲を解除するため、同県およびダルアー県の部族が「東グータ部族最高評議会」の名で新たな連合組織を結成したと報じた。
同評議会報道官を名乗るアブドゥッラー・バッカール氏が明らかにしたもので、ダマスカス郊外県グータ地方の25の部族、ダルアー県の部族や住民から構成され、2,500人の戦闘員を擁し、同地域の住民の35%を代表しているのだという。
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クナイトラ県では、SANA(7月12日付)によると、タルジャナ村、ジャバーター・ハシャブ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, July 12, 2015、AP, July 12, 2015、ARA News, July 12, 2015、Champress, July 12, 2015、al-Hayat, July 13, 2015、Iraqi News, July 12, 2015、Kull-na Shuraka’, July 12, 2015、al-Mada Press, July 12, 2015、Naharnet, July 12, 2015、NNA, July 12, 2015、Reuters, July 12, 2015、SANA, July 12, 2015、UPI, July 12, 2015などをもとに作成。
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