ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月14日付)によると、所属不明の戦闘機が、イスリヤー村近郊のシリア軍検問所を空爆し、軍用車輌4輌が破壊され、多数のシリア軍兵士が死傷した。
空爆は、有志連合による誤爆と見られ、シリア軍が同地一帯の検問所3カ所から撤退し、軍人・民間人の通行を禁止したのを受けて行われたという。
一方、SANA(7月14日付)によると、ラフラーハ村、アルカーナ村、サルハー村、ラフジャーン村、ウンム・マイヤール村、シャイフ・ヒラール村一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、県内各所への戦闘機(有志連合かシリア軍かは明言せず)の空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)の幹部アブー・ウサーマ・イラーキー氏とウマル・ラフダーン氏が死亡した。
イラーキー氏はダーイシュ・バラカ州(ハサカ県のこと)の幹部の一人で、「2011年末にイラクからシリアに入ったもっとも著名なジハード主義司令官」で、2013年4月のにダーイシュとシャームの民のヌスラ戦線の分裂に際して主導的な役割を担ったという。
一方、ラフダーン氏(ダイル・ザウル県出身)は、ダーイシュ・ハイル州(ダイル・ザウル県のこと)の前のワーリー(統治者)で、2014年のダイル・ザウル県への勢力拡大を主導し、ワーリーを務めた。
だがその後、ハイル州の幹部どうしの対立が生じ、ワーリーはムハージリーン(外国人)でなければならないとの方針が採られると、イラク領内へと異動となった。
他方、クッルナー・シュラカー(7月15日付)によると、有志連合の空爆による援護を受けた西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ハサカ市南部のジスル・アブヤド地区周辺、バス運転教習学校一帯を制圧した。
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同じく、ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にある東ヌシューワ地区を空爆、またダーウーディーヤ地区、ズフール地区、アフダース刑務所一帯を砲撃した。
なお、ダーイシュはダイル・ザウル県からシリア軍戦闘員100人を援軍としてハサカ市方面に派遣したという。
一方、SANA(7月14日付)によると、シリア軍がハサカ市ズフール地区郊外でダーイシュ(イスラーム国)の車輌2台を破壊した。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にある第17師団基地およびその周辺を空爆した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市周辺で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
一方、ヒムス県では、SANA(7月14日付)によると、柑橘農園一帯、タドムル市とワーディー・アブヤド・ダム一帯を結ぶ三角地帯西部などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つバーブ市とカッバースィーン村を空爆し、17人が死傷した。
一方、SANA(7月14日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、イスラーム軍はインターネットを通じて声明を出し、ダマスカス郊外県東カラムーン地方で活動するダーイシュ(イスラーム国)の司令官の一人シャーディー・ディヤーブ氏がダーイシュを離反し、イスラーム軍に参加したと発表した。
「ハワーリジュ派どもの体系的な腐敗を目にした」ことが離反の理由だったという。
また、『ハヤート』(7月14日付)によると、ダーイシュを名乗る集団が、バラダー渓谷で、男性1人を「ハッド刑」に処した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と県南部で交戦した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)によって包囲されているダイル・ザウル航空基地周辺を3度にわたって空爆した。
一方、SANA(7月14日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市東部一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
他方、ダイル・ザウル県では、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州広報局が、マヤーディーン市の遺跡の前で男性4人を銃殺処刑する映像をインターネット上で公開した。
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スワイダー県では、SANA(7月14日付)によると、ファーラ丘(ジュナイニーヤ村近郊)で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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米中央軍(CENTCOM)は、7月14日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して33回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は17回におよび、ハサカ市近郊(6回)、アレッポ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(1回)、タッル・アブヤド市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。
AFP, July 14, 2015、AP, July 14, 2015、ARA News, July 14, 2015、July 15, 2015、Champress, July 14, 2015、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2015、al-Hayat, July 15, 2015、Iraqi News, July 14, 2015、Kull-na Shuraka’, July 14, 2015、July 15, 2015、al-Mada Press, July 14, 2015、Naharnet, July 14, 2015、NNA, July 14, 2015、Reuters, July 14, 2015、SANA, July 14, 2015、UPI, July 14, 2015などをもとに作成。
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