ロシア外務省は、シリア政府と反体制派の和平協議「モスクワ3」開催に向け、反体制各派との折衝を本格化させ、セルゲイ・ラブロフ外務大臣がロシアを訪問中のシリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表と会談した。
トルコのイスタンブールを拠点とし、欧米諸国からかつては「シリア国民の唯一の正統な代表」と位置づけられていたシリア革命反体制勢力国民連立の代表がロシア外務省の招聘を受けて、モスクワを訪問するのはこれが初めて。
ロシア外務省報道官によると、ラブロフ外務大臣とハウジャ代表との会談では、シリアの危機の打開、中東地域におけるテロの脅威に対抗するためのすべての政治勢力の糾合などの議論に重点が置かれたという。
ハウジャ代表は、会談に先立ってロシアのメディアに対して、「モスクワ3」に開催に向けたあらゆるイニシアチブが、ジュネーブ合意(2012年6月)の原則に依拠すべきだとの姿勢を示した。
ハウジャ議長に同行しているシリア革命反体制勢力国民連立のヒシャーム・ムルーワ副代表はまた、ラブロフ外務大臣との折衝において、移行期統治機関設置要求に体現されている連立の基本姿勢、そして「テロとの戦い」や国民和解の実現の方法など紛争解決に向けた行程を説明すると述べた。
とりわけ、「テロとの戦い」について、ムルーワ副代表は「バッシャール・アサド現大統領退任後に設置される移行政府についてシリア人が合意に達することを条件としてのみ、効果的で実行可能となる」と主張した。
なおラブロフ外務大臣とシリア革命反体制勢力国民連立代表との会談に先立ち、ミハイル・ボグダノフ外務副大臣は12日、モスクワで西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首、解放変革人民戦線代表でロシア在住のジャミール・カドリー前副首相らと個別に会談した。
『ハヤート』(8月14日付)によると、会談では、ヴラジミール・プーチン大統領が提案している域内諸国による対ダーイシュ(イスラーム国)同盟の結成、シリア政府との交渉の方針などについての協議がなされた。
またボグダノフ外務副大臣は14日には、「第2回カイロ大会」の開催を主導したハイサム・マンナーア氏(「カフム」代表)、ハーリド・マハーミード氏、ジャマール・スライマーン氏、ジハード・マクディスィー氏との折衝を予定している。
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シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表はインテルファクス通信(8月13日付)のインタビューに応じ、ラブロフ外務大臣との会談で、プーチン大統領による対ダーイシュ域内同盟の設立案を拒否したと述べた。
AFP, August 13, 2015、AP, August 13, 2015、ARA News, August 13, 2015、Champress, August 13, 2015、al-Hayat, August 14, 2015、Interfax, August 14, 2015、Iraqi News, August 13, 2015、Kull-na Shuraka’, August 13, 2015、al-Mada Press, August 13, 2015、Naharnet, August 13, 2015、NNA, August 13, 2015、Reuters, August 13, 2015、SANA, August 13, 2015、UPI, August 13, 2015などをもとに作成。
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