国境なき医師団:ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が戦闘を続けるアレッポ北部の「安全保障地帯」で化学兵器使用の可能性を指摘(2015年8月25日)

国境なき医師団は声明を出し、アレッポ県北部での戦闘でのダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が戦闘を続ける地域で、攻撃に巻き込まれ負傷した患者4人が、化学兵器を使用した際に表れる症状を発症していたと発表した。

治療にあたった国境なき医師団のスタッフによると、症状が見られたのは、成人男女各1人、3歳の女児、生後5日の女の子で4人は家族だという。

彼らは、攻撃を受けた1時間後に、病院に搬送されたが、その際、呼吸困難、皮膚の炎症、目の充血、結膜炎を発症しており、その後、皮膚の炎症と呼吸困難の症状が悪化した。

この一家4人は、アレッポ県アアザーズ市郊外のマーリア市出身で、同地では、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」内に位置しており、シャームの民のヌスラ戦線の撤退以降、ダーイシュが攻勢を激化させ、反体制武装集団との戦闘が続いていた。

患者(両親)によると、迫撃砲が8月21日朝7時半頃に自宅に着弾し、爆発後に黄色いガスが部屋に充満したという。

近所の住民が4人を救出したが、症状が悪化したために、国境なき医師団の病院に搬送されたという。

シリアでのオペレーション・マネージャーを務めるパブロ・マルコ氏は「これらの症状の原因を特定する証拠はない」としつつ、「しかし、症状の発言と経過、そして中毒作用についての両親の証言のすべてが、科学物質に曝されたことを示している」と述べている。

AFP, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、Champress, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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