『ハヤート』(8月28日付)などは、ダマスカス郊外県ザバダーニー市とイドリブ県フーア市、カファルヤー町で戦闘を続けるシリア軍、ヒズブッラー戦闘員とシャーム自由人イスラーム運動など反体制武装集団が、48時間の一時停戦に合意した。
停戦合意は8月12日の合意に次いで2度目で、8月12日に発効した1度目の停戦は、反体制武装集団側の負傷者らのザバダーニー市からの搬送、フーア市、カファルヤー町住民の避難などをめぐって決裂していた。
シリア人権監視団によると、一時停戦の期間は、8月28日午前5時から30日午前5時までの48時間で、戦闘停止地域からは、ザバダーニー市に隣接するマダーヤー町は除外されており、同市では、シリア軍ヘリコプターによる攻撃で、女性1人、子供3人を含む5人が死亡したが、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町では今のところ目立った戦闘は起きていないという。
また2度目となる停戦交渉期間中、ザバダーニー市およびマダーヤー町からの反体制武装集団の「安全な退去」、フーア市とカファルヤー町からの住民約1,000人の避難、4市町への人道支援物資の搬入と負傷者の搬送についての協議が行われるという。
これに関して、停戦交渉を仲介を行っているという野党の団結党(シリア・アラブ団結党)のムハンマド・アブー・カースィム書記長は、AFP(8月27日付)に対し、停戦合意の「第1の項目は三つの地域(ザバダーニー市、マダーヤー町、フーア市・カファルヤー町)での発砲停止でありこれは達成された。現在、それ以外の項目について協議が続けられており、そのなかでもっとも重要な問題は、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員のザバダーニー市からの退去」であると述べた。
またカースィム書記長は、「交渉はトルコでイランの使節団とシャーム自由人イスラーム運動の使節団が直接行っており、団結党代表も同席している」と付言した。
一方、ロイター通信(8月27日付)は、シリア政府に近い消息筋の話として、負傷者の搬送が28日に開始されるが、ザバダーニー市からの戦闘員の退去、フーア市、カファルヤー町からの民間人避難などについてはまだ協議されていないと伝えた。
なお『ハヤート』(8月28日付)によると、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町での攻防に参加している反体制武装集団メンバーのほとんどはシャーム自由人イスラーム運動だという。
AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。
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