パレスチナ人数千人がヤルムーク区に帰還するなか、国連人権理事会が任命した国際調査委員会によるとシリアが「明らかに宗派的」様相を帯びる(2012年12月20日)

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国内の動き(シリア政府の動き)

SANA(12月20日付)はサッカー・シリア代表がイラク代表戦に1対0で勝利し、西アジア・チャンピオン・カップを制したと報じた。

SANA, December 20, 2012

ユーチューブ(12月21日付)で、サッカーのシリア代表チームの選手が観客席に向かって委任統治時代のシリアの国旗がプリントされたTシャツを見せる映像が公開された。

http://www.youtube.com/watch?v=6IIppAurmv8

http://www.youtube.com/watch?v=gfFN3sEUaU4

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SANA(12月20日付)によると、シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に、ヤルムーク区の状況に関する書簡を送付し、武装テロ集団を支援する国々に対して、テロ集団との密接な関係を駆使して、同集団を難民キャンプからただちに退去させ、パレスチナ難民の生命を護るべきだと主張した。

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『ワタン』(12月20日付)は、カドリー・ジャミール経済問題担当副首相兼国内通商消費者保護大臣は、マフムード・ムバイヤド消費者保護局長とイヤード・アッルーシュ財産保護局長を新たに次官に任命し、イマード・アスィール現次官とともにパン、灯油、ガス不足に対処すると報じた。

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アサド大統領は、ハサン・ジャラーリー少将に代えてアーディル・ダイリー少将を内務省次官に任命した。

国内の暴力

ダマスカス県では、AFP(12月20日付)が、複数の住民の話として、パレスチナ人数千人がヤルムーク区に戻ったと報じた。

これらのパレスチナ人は、午前6時から軍の検問所を通過し、ヤルムーク区に徒歩で戻り、軍は「車の通行を禁じ、またキャンプに入る者に、自己の責任で入るよう警告していた」という。

SANA(12月20日付)によると、ヤルムーク区の住民(パレスチナ人)は大規模なデモ行進を行いながらキャンプに入り、武装テロ集団の退去を訴えた。

住民の一人によると、「キャンプ内に数千人はいた自由シリア軍の戦闘員はだいぶいなくなった。一部が路地でお茶を飲んで、水たばこを吸っているだけだ」という。

しかし反体制武装勢力の戦闘員の一人によると「正規軍が退去するまでは去らない」という。

パレスチナのワファー通信(12月20日付)は、パレスチナ各派が、シリア領内のパレスチナ難民キャンプを「安全地帯」とすることに合意したと報じた。

同通信社によると、ファタハをはじめとする各派は、自由シリア軍と軍のキャンプからの撤退、各派からなる非武装の監視委員会の設置、同委員会による治安維持を率先して実現しようとしているという。

しかしPFLP-GCのアンワル・ラジャー報道官は、「武装テロ集団とは何らの合意にも達しておらず…、(避難民の帰還は)パレスチナ人民の決断によるものだ。数千人が行進して帰還することで決断した…。人々は避難ではなくキャンプでの死を選ぶ」と述べた。

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シリア人権監視団は、12月15日にファールーク・シャルア副大統領の親戚のザイドゥーン・ズウビーとその弟のスハイブがダマスカス県内のカフェで軍事情報局に逮捕された、と発表した。

同監視団によると、2人はシャルア副大統領の母方の親戚で、反体制活動に従事しており、またこの2人と合わせて5人の活動家も逮捕された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部のイドリブ県に通じる街道に位置するムーリク市の検問所8カ所を反体制武装勢力が襲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ハラスター市、ダーライヤー市などに対して軍が砲撃を加え、ダーライヤー市では軍と反体制武装勢力が交戦した。

また同監視団によると、反体制武装勢力がランクース市郊外の対レバノン国境地点を制圧したという。

一方、SANA(12月20日付)によると、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、バフダリーヤ村、サイイダ・ザイナブ町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(12月20日付)によると、ドゥワイリーニーヤ市、サフィーラ市、ウワイジャ地区、マアーッラ・アルティーク村、ハイヤーン町、アレッポ市ブスターン・カスル地区、サイフ・ダウラ地区、カーディー・アスカル地区、カルム・マイサル地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(12月20日付)によると、ラスタン市郊外で軍が反体制武装勢力の武器搭載車輌を破壊した。

反体制勢力の動き

アンサール・イスラーム連合のアブー・ムアーッズ・アーガー報道官は、ロイター通信(12月20日付)に対して、数日中にダマスカスで軍に対する特殊軍事作戦を開始するだろうとテロ予告を行った。

アンサール・イスラーム連合はダマスカス県、ダマスカス郊外県を中心に反体制武装活動を行う武装集団の連合体。

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ロシア紙『コメロサント』(12月20日付)は、モスクワの外交筋の話として、ロシア人技師2人とイタリア人技師1人を誘拐している反体制武装勢力から5000万シリア・ポンド(約53万ユーロ)の身代金の支払い要求があった、と報じた。

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Zaman al-Wasl, December 20, 2012

ザマーン・ワスル(12月20日付)は、イドリブ県ザーウィヤ山のカンスカフラ村の洞窟で、大学・高校の学生約300人が5日間にわたって「自由シリア学生国民連合」結成大会を開催したと報じた。

同サイトが公開した写真には、老人や子供が多く写っている。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長がイラクを訪問、フダイル・フザーイー副大統領と会見した。

フザーイー副大統領がウェブで発表した声明によると、この会談で、副大統領は、イラクが武器、資金の通路とならない」と述べた。

なおマンナーアは19日にはヌーリー・マーリキー首相と会談していた。

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ユーチューブ(12月20日付)で軍の第155旅団がヒムス県ナースィリーヤ村で13日にスカッド・ミサイルを発射したとする映像がアップされた。

http://www.youtube.com/watch?v=9doZHpmCyB0&feature=player_embedded

諸外国の動き

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、「我々はアサド政権の運命に関心はない…。シリアで今後何が起きるかを懸念している。反体制勢力が政権を担った後、現政権にいる人々を殺すことを我々は望まない」と述べた。

またプーチン大統領は「我々は…シリアの解体と終わりなき内戦から救い出すため、問題解決に至ることを指示している」と付言した。

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国連人権理事会が任命した国際調査委員会は、最新の報告書でシリアの紛争において「すべての宗派」脅威にさらされ、「明らかに宗派的」様相を帯びてきたとの見方を示した。

同報告書は、「人種・宗教集団間の対立は常に存在していた」としつつ、「アラウィー派と…スンナ派といった宗派どうしの分断が明らかになっている」と断じた。

また「それ以外の宗派、例えばアルメニア人、キリスト教徒、ドゥルーズ派、パレスチナ人、クルド人、トルクメン人も紛争に巻き込まれている」と指摘した。

そのうえで「みなが国からの避難を余儀なくされているか、殺されている…。各宗派は存続の危機に立たされていると考えている。それゆえこれまでに増して、今日、対話を通じた関係正常化が必要となっている」としている。

しかし同報告書の分析は、社会の宗派的多様性が必然的に宗派対立をもたらすという過度の単純化が前提となっており、具体的な根拠を欠いており、プロパガンダとして利用される危険が高い。

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国連安保理は、シリアへの武器供与を行っているとしてヤース・エアー社、SAD輸出入社の二社を制裁リストに追加した。

AFP, December 20, 2012、Akhbar al-Sharq, December 20, 2012、Facebook, December 20, 2012, December 21, 2012、al-Hayat, December 21, 2012、Kull-na Shuraka’, December 20, 2012、al-Kurdiya News,
December 20, 2012、Naharnet, December 20, 2012、Reuters, December 20, 2012、SANA,
December 20, 2012、al-Watan, December 20, 2012、Zaman al-Wasl, December 20, 2012などをもとに作成。

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