ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ウラジオストク市で開催中の経済フォーラムで、ロシア軍がシリアに戦闘機や部隊を派遣したとの一部報道に関して、「我々はさまざまな可能性を検討しているが、ダーイシュ(イスラーム国)に対する軍事作戦への参加は議題になっていない。それはまだ時期尚早だ。我々はシリア、そして地域諸国と協議を続けるつもりだ」と述べ、ロシア軍がシリアに部隊を派遣したとの一部情報を否定した。
プーチン大統領はまた、ロシア政府が引き続き、シリアに軍事、技術支援を行うとしたうえで、「ロシアはもともと、シリアに対して、軍備増強と我々が武器供与した部隊の能力向上という二つのレベルで重要な支援を行ってきた」と付言した。
しかし、武器、技術支援の詳細については言及しなかった。
一方、米国主導の有志連合によるシリア、イラクでのダーイシュ(イスラーム国)空爆に関して、プーチン大統領は「効果はない」と批判した。
さらにシリアの紛争をめぐっては、「アサド大統領は早期に国会選挙を行い、建設的野党・反体制派と権力を分有する準備ができている」と述べ、シリア政府を擁護した。
また、ダーイシュ壊滅のための地域・国際同盟を結成すべきだという、という自身の提言を改めて強調し、「我々は米国と協議している。この問題に関してバラク・オバマ米大統領と個人的に話しをしている。我々はまた、トルコ、サウジアラビア、ヨルダンなどの国の指導者ともこの問題について協議している」と明言、「少なくとも、ある種の協調態勢が構築されなければ、テロとの戦いに関心があるこれらすべての国が戦場で共同行動を行うことは現段階では不可能だ」と力説した。
そのうえで、シリア紛争の解決の方向性について「シリアでの政治プロセスと並行して、テロとの戦いへの努力の結集が進められねばならないという点で、原則的に相互理解がある」と述べた。
このほか、欧州への中東・北アフリカへの避難民の流入に関しては「予期できた」としたうえで、シリア人雛民が「アサド政権ではなくダーイシュから逃れている」と強調した。
プーチン大統領のこの発言は、ジョシュ・アーネスト米ホワイトハウス報道官が「我々は、ロシアがシリアに戦闘機とその搭乗員を配備したとの情報を懸念しており、引き続き情報収集に努める」と述べたのを受けたもの。
AFP, September 4, 2015、AP, September 4, 2015、ARA News, September 4, 2015、Champress, September 4, 2015、al-Hayat, September 5, 2015、Iraqi News, September 4, 2015、Kull-na Shuraka’, September 4, 2015、al-Mada Press, September 4, 2015、Naharnet, September 4, 2015、NNA, September 4, 2015、Reuters, September 4, 2015、SANA, September 4, 2015、UPI, September 4, 2015などをもとに作成。
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