アル=カーイダ総司令部のアイマン・ザワーヒリー師は、サハーブ・ネットを通じて音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=ZkXQkkGuKrM)を発表、そのなかでダーイシュ(イスラーム国)が2014年6月末に宣言したカリフ制が無効だと改めて述べた。
しかし、ザワーヒリー師は、「十字軍、世俗主義者、ヌサイリー派(アラウィー派)、サファビー朝の者ども(イラン)との戦闘」での共闘をダーイシュに暗に呼びかけた。
45分におよぶこの音声声明で、ザワーヒリー師は「我々は(イスラーム国が宣言した)このカリフ制を承認しない。また我々はそれが、預言者の方法に基づいたカリフ制だとは考えていない。それは、シューラーを経ないで制圧されたに過ぎない国(イマーラ)であり、イスラーム教徒がこれに対して忠誠を誓う義務もない。我々は、アブー・バクル・バグダーディーがカリフだとは考えていない」と述べた。
また「バグダーディーおよび彼と共にいる者たちが行ったことは、ジハード主義を代表していない」としたうえで、アル=カーイダへの攻撃を停止するよう要請、またバグダーディー氏を「少数の無知な者たちが忠誠を誓った…反乱者」と非難した。
しかしザワーヒリー師は「我々は彼(バグダーディー)やその同胞たちの行いのすべてに反対しているという訳ではない。むろん、我々は彼らには多くの体系的な過ちがあるということにも異論を唱えない。しかし、私がもしイラク、あるいはシャーム(シリア)にいたとしたら、十字軍、世俗主義者、ヌサイリー派、サファヴィー朝の者どもと戦うために彼らと協力したことだろう。彼らの国家(イスラーム国)、さらには彼らが言うカリフ制の正統性を承認はしない。なぜなら、そうした問題は、私を越えたより大きな問題だからだ…。イスラーム共同体は十字軍の卑劣な攻撃に曝されており、ジハード主義者はこれと戦うために一体とならねばならない」と強調した。
ザワーヒリー師はそのうえで「十字軍の同盟に参加している西洋諸国に危害を与えることができるすべてのイスラーム教徒に対して、躊躇せず攻撃を加えるよう呼びかける。これらの国の心臓部、西洋の十字軍の都市、とりわけ米国に戦争を波及させることに集中しなければならない」と述べた。
なお、『ハヤート』(9月14日付)によると、サハーブ・ネットを通じて配信された音声声明は、アフガニスタンのターリバーンの指導者ムハンマド・ウマル師の死など最近の事件について言及されておらず、2015年6月30日以前に録音されたものと思われるという。
AFP, September 9, 2015、AP, September 9, 2015、ARA News, September 9, 2015、Champress, September 9, 2015、al-Hayat, September 10, 2015、September 14, 2015、Iraqi News, September 9, 2015、Kull-na Shuraka’, September 9, 2015、al-Mada Press, September 9, 2015、Naharnet, September 9, 2015、NNA, September 9, 2015、Reuters, September 9, 2015、SANA, September 9, 2015、UPI, September 9, 2015などをもとに作成。
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