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クッルナー・シュラカー(12月6日付)によると、ハサカ県ダルバースィーヤ市とラアス・アイン市の社会・政治団体の代表者がラアス・アイン市内に駐留する自由シリア軍司令部と会談、同市からの退去を求めた。
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ファイサル・ミクダード外務在外居住副大臣は、マナール・チャンネル(12月6日付)に出演し、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関する欧米諸国の首脳らの発言に関して、「演劇じみた態度だ…。我々は、化学兵器があったとしても、シリア国民には使用されないし、国内で無責任なことはできないと言ってきた…。軍事介入を正当化するためにシリアが化学兵器を使用すると主張しているだけだ。こうした陰謀はワシントンと安っぽいその道具たちが行っているだけだ」と述べた。
またNATOによるトルコへのパトリオット・ミサイル配備については、「破産的措置」と非難した。
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クッルナー・シュラカー(12月6日付)は、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官の娘婿で軍事情報局のタマーム・サーリフ大佐の兄弟のムサンナー・サーリフが、ダマーローズ・ホテル(旧ダマスカス・メリディアン)社長を自ら辞し、米フロリダに去った、と報じた。
ダマスカス郊外県では、AFP(12月6日付)が、アブー・キナーンを名乗るダーライヤー市住民の話として、軍が「ゆっくりと(ダーライヤー市への)進軍」し、市内東部に駐留する一方、反体制武装勢力も「複数地点に駐留し…同市の約70%を占拠している」と報じた。
シリア人権監視団によると、東グータ地方とドゥーマー市での軍との戦闘で、反体制武装勢力の戦闘員6人が死亡した。
また戦闘はアルバイン市、サクバー市の周辺でも発生した。
同監視団によると、ザマルカー町、アクラバー村、バイト・サフム市、フジャイラ村、ブワイダ市、ドゥーマー市、ハラスター市、アルバイン市、ジスリーン町、ジュダイダ・アルトゥース市で軍が砲撃・空爆を行った。
一方、SANA(12月6日付)によると、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町、サクバー市、ザマルカー町、では、軍がシャームの民のヌスラ戦線を追撃し、多数のテロリストを殲滅した。
高官筋によると、「ダーライヤー市でのテロリスト浄化発表は近い」という。
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ダマスカス県では、シリア・アラブ・テレビ(12月6日付)などによると、カジャージュ・ダルアー近くのシリア赤新月社本部前で爆弾が仕掛けられた車が爆発、同本部の一部が損傷した。
またSANA(12月6日付)によると、マッザ区(マッザ86地区)で反体制武装勢力が車に爆弾を仕掛けて爆発させ、市民1人を殺害した。
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アレッポ県では、SANA(12月6日付)によると、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市、ダーラ・イッザ市、タッル・シュガイブ村、アブティーン村、アレッポ市ナイラブ地区各所などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、多数の戦闘員を殲滅した。
またシリア・アラブ・テレビ(12月6日付)は、シャームの民のヌスラ戦線がサフィール市から1キロの距離にあるガソリン・スタンドを制圧したとの情報を否定した。
一方、シリア人権監視団は、「3日前からマンナグ航空基地近く」で軍と反体制武装勢力が激しく交戦したと発表した。
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ヒムス県では、SANA(12月6日付)によると、ヒムス市バーブ・トゥルクマーン地区、アイスーン村などで軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殲滅した。
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クッルナー・シュラカー(12月6日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市で5日夜から民主統一党人民防衛隊(YPG)と自由シリア軍が交戦している、と報じた。
シリアの反体制勢力に武器供与していることを暴露されたウカーブ・サクル国民議会議員(ムスタクバル潮流)は、トルコのイスタンブールで記者会見を開き、そのなかで「我々はシリアの子供たちにミルクを配っている」と弁明した。
またシリアの反体制勢力と武器取引を行っているやりとりを録音した肉声テープを暴露したOTVや『アフバール』について、「馬鹿」、「シャッビーハ」だと批判した。
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北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区での住民どうしの衝突が続き、4日以降の死者数は11人に達した。
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『ナハール』(12月6日付)は、ヒムス県タッル・カラフ市での11月30日のシリア軍によるレバノン人イスラーム主義者要撃で生き残ったレバノン人戦闘員が、レバノン当局に引き渡されず、シリアの法廷で裁判を受けることになるだろう、と報じた。
ドイツ政府はNATO外相会議の決定を受け、トルコの対シリア国境へのパトリオット・ミサイル配備に合意した。
パトリオット・ミサイル配備とともに、ドイツ軍兵士約400人も対シリア国境地帯に展開する、という。
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アイルランドの首都ダブリンで、ヒラリー・クリントン米国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が会談し、シリア情勢について協議した。
この三者会談に先だって、クリントン国務長官とラブロフ外務大臣が二者会談を行い、ブラーヒーミー共同特別代表の役割について協議した。
三者会談後、ブラーヒーミー共同特別代表は、「興味深い決定は下さなかった…。我々は事態が悪いという点で合意した。また我々はともに行動し、この問題をどのように掌握することができるかを検討しなければならない点でも合意した」と述べた。
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国連の潘基文事務総長は、バグダードでヌーリー・マーリキー首相と共同記者会見を行い、そのなかで「化学兵器を使用すれば、使用した者は四方において追及されるだろう…。私はシリア政府に懸念を表明した…。(化学兵器の使用は)国民に深刻な影響をもたらすだろう」と述べた。
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レオン・パネッタ米国務長官は、アサド政権が化学兵器の使用を検討していることを示す情報を得た、と述べた。
しかしこの情報がどのようなものかは具体的に述べなかった。
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NBC(12月6日付)は、「複数の米国高官」の話として、シリア軍がサリン・ガスを発生する化学物質を充填した爆弾を増産し、アサド大統領による投下命令を待っている状態だと報じた。
しかしその真偽は定かでない。
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英国外務省高官は、来週にシリアに対する武器禁輸措置の見直しを行い、シリアの反体制勢力への「物的支援」の強化をめざす、と述べた。ロイター通信(12月6日付)が報じた。
アサド政権への武装闘争がシャームの民のヌスラ戦線によって支援されている現状において、「反体制勢力」への武器供与はテロ支援を行うに等しい。
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統一ロシアのウラジーミル・ヴァシリエフ党首(下院議会議長)は、英国議会使節団と会談し、「我々は、シリアの現政府が自らの仕事を実行すべきだという意見において合意したし、合意している。しかし現在、この任務はシリア政府の能力を越えてしまっている」と述べた。
AFP, December 6, 2012、Akhbar al-Sharq, December 6, 2012、Champress, December 6, 2012、al-Hayat, December 7, 2012、Kull-na Shuraka’, December 6, 2012、al-Kurdiya News, December 6, 2012、al-Nahar, December 6, 2012、Naharnet, December 6, 2012、Reuters, December 6, 2012、SANA, December 6, 2012などをもとに作成。
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