アレッポ県では、ARA News(9月22日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とシャーム戦線が交戦し、両組織の狙撃兵が同地区にいたる幹線道路沿いに展開し、交通が遮断した。
シャイム・マクスード地区は、クルド人住民が多く、西クルディスタン移行期民政局が実効支配している地区。
アリー・ガザールを名乗るアレッポ市の活動家はARA Newsに対し、人民防衛隊とシャーム戦線の間は緊張は、前者がシリア政府支配地域と反体制武装集団支配地域の間に位置するジャズィーラ通行所を数日前に開放しようとしたことで一気に高まっていたと述べた。
また、通行所開放に対して、シャーム戦線やその他の武装集団が拒否の姿勢を示すと、人民防衛隊は、反体制武装集団支配地域に面するシャイフ・マクスード地区西部一帯に狙撃手を配備し、アレッポ県北部とアレッポ市内の反体制武装集団支配地域を結ぶカースティールー街道を遮断、事態は戦闘に発展し、住民らにも被害が出たという。
これに関して、クッルナー・シュラカー(9月23日付)は、シャーム戦線ではなく、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、アレッポ市シャイフ・マクスード地区一帯で激しく交戦したと伝えた。
同サイトによると、人民防衛隊は、アレッポ県北部とアレッポ市内を結ぶ唯一の街道に狙撃兵を展開させ、道路を封鎖する一方、シャーム自由人イスラーム運動もアレッポ市内から市外への車の移動を禁止し、対抗しているという。
複数の活動家は、クッルナー・シュラカーに対し、人民防衛隊(西クルディスタン移行期民政局)が、シリア軍(シリア政府)との合意のもとに、シャイフ・マクスード地区からアレッポ市内のシリア政府支配地域への車での移動を許可したことに、シャーム自由人イスラーム運動が反発したことが戦闘のきっかけだったの述べた。
また、戦闘激化を受け、西クルディスタン移行期民政局は、シリア軍のシャイフ・マクスード地区への進入をシリア政府側と合意、シリア軍部隊の進入を認めたとの情報も流れているという。
「シャーム戦線」は、「命じられるままに進め連合」、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、アサーラ・ワ・タンミヤ運動からなる武装組織で、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」では、ダーイシュ(イスラーム国)と戦い、米国からは「穏健な反体制派」と目されている。
一方、シャーム自由人イスラーム運動は、アル=カーイダの元メンバーらが結成したジハード主義武装集団。
組織としてはアル=カーイダとの関係を否定しているが、イドリブ県などを中心にアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構と共闘している。
その一方で、ダマスカス郊外県ザバダーニー市一帯では、地元の武装集団と共闘、またアレッポ県では「穏健な反体制派」のシャーム戦線と共闘している。
AFP, September 22, 2015、AP, September 22, 2015、ARA News, September 22, 2015、Champress, September 22, 2015、al-Hayat, September 23, 2015、Iraqi News, September 22, 2015、Kull-na Shuraka’, September 22, 2015、September 23, 2015、al-Mada Press, September 22, 2015、Naharnet, September 22, 2015、NNA, September 22, 2015、Reuters, September 22, 2015、SANA, September 22, 2015、UPI, September 22, 2015などをもとに作成。
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