『テレグラフ』(9月22日付)は、トルコ領内で米国の軍事教練を受け、シリア領内に派遣されたばかりの「穏健な反体制派」戦闘員からなる第30(歩兵)師団が21日夜、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線に降伏し、武器弾薬を提供したと伝えた。
ヌスラ戦線に降伏したとのは、シリア人権監視団は19日にシリア領に進入したと発表した「穏健な反体制派」戦闘員75人と思われる。
同監視団によると、この新たな「穏健な反体制派」戦闘員は、トルコ領内の基地で、米、英、トルコ軍から軍事教練を受け、18日深夜から19日にかけて、軽火器を装備した車輌12輌に分乗し、有志連合が航空支援するなか、アレッポ県バーブ・サラーマ国境通行所を通過してシリア領内(米トルコ領政府が設置合意した「安全地帯」)に進入していたという。
『テレグラフ』によると、アブー・ファフド・トゥーニスィーを名乗るヌスラ戦線メンバーがツイッターで、「米国への強打…昨日進入した第30師団の新たなグループは、ヌスラ戦線にすべての武器を手渡し、安全に脱出することを許された」、「彼らは大量の弾薬、中火器、何台ものピックアップカーを手渡した」と綴ったという。
また、ヌスラ戦線メンバーだというアブー・ハッターブ・マクディスィーを名乗る人物は、第30師団司令官のアナス・イブラーヒーム・ウバイド氏がヌスラ戦線に対して、自分は武器が必要だったので有志連合を騙したと説明している、と綴った。
「彼は、第30師団、有志連合、そして自分を教練した人々との絶縁を表明する…声明を出すと約束した」、「彼はまた大量の武器をヌスラ戦線に提供した」と綴っている。
なお、第30(歩兵)師団師団を名乗る「穏健な反体制派」戦闘員は、7月半ばに54人が第1陣としてトルコ領内からシリアに進入したが、7月末にアレッポ県アフリーン市郊外でヌスラ戦線によって司令官らを捕捉され、拠点を攻撃され、壊滅状態に陥っていた。
米中央軍のロイド・オースティン司令官(陸軍大将)は9月16日、米議会上院の軍事委員会で、トルコ領内で米軍が軍事教練したシリアの「穏健な反体制派」の戦闘員54人のうち、シリア領内でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘に従事しているのが「4、5人」しかいないと証言した。
The Telegraph, September 23, 2015などをもとに作成。
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