9カ国が「穏健な反体制派」の教練プログラムから撤収、米軍の軍事教練を受けた第30師団の失敗はトルコが原因(2015年10月8日)

「穏健な反体制派」の第30師団(別名、「新シリア軍」)の司令官(匿名)はクッルナー・シュラカー(10月8日付)に対して、「穏健な反体制派」の教練プログラムを支援してきた国のうち9カ国が政策を変更し、プログラム支援から撤退したことを明らかにした。

第30師団は、トルコ領内で米軍から軍事教練を受けていた武装集団で、これまでに2つの部隊がシリア領内に侵入したが、1度目はアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の攻撃を受け、事実上壊滅、2度目は隊の移動の安全を確保するために武器・弾薬の25%をヌスラ戦線に譲渡している。

9カ国の教練プログラムからの撤退に関して、この司令官は、第30師団の2次隊がヌスラ戦線に武器・弾薬を譲渡したことが背景にあると述べている。

また、第30師団の活動の失敗に関して、米国の支援を受けた「穏健な反体制派」がアレッポ県北部の「安全地帯」の実効支配者となることをトルコが嫌ったためだと説明、第30師団のシリア国内への進入が極秘事項だったにもかかわらず、トルコ側がこれをヌスラ戦線に漏らしたことで、ヌスラ戦線が第30師団を襲撃できたと述べた。

AFP, October 8, 2015、AP, October 8, 2015、ARA News, October 8, 2015、Champress, October 8, 2015、al-Hayat, October 9, 2015、Iraqi News, October 8, 2015、Kull-na Shuraka’, October 8, 2015、al-Mada Press, October 8, 2015、Naharnet, October 8, 2015、NNA, October 8, 2015、Reuters, October 8, 2015、SANA, October 8, 2015、UPI, October 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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