化学兵器禁止機関(OPCW)の匿名筋はAFP(11月5日付)に対し、2015年8月21日のアレッポ県マーリア市一帯での戦闘で、マスタード・ガスが使われた事実を確認したと述べた。
この匿名筋によると、誰がマスタード・ガスを使用したのかはつきとめていない、という。
マーリア市は、米トルコ両政府が「安全地帯」に設置したアレッポ県北部の主要都市。
「安全地帯」設置を受けて、同地からはアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が、有志連合の作戦に迎合できないとの理由で同地一帯から撤退、これを受け、ダーイシュ(イスラーム国)が進攻し、「シャーム戦線」などの「穏健な反体制派」やアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は劣勢を強いられるようになった。
ダーイシュの進攻を受け、米国は同地への散発的な空爆を行う一方、トルコで教練した第30師団戦闘員を投入したが、一次隊はヌスラ戦線の襲撃を受け壊滅的打撃を受け、二次隊はヌスラ戦線に装備を譲渡した。
なお、化学兵器使用の「筆頭容疑者」のシリア軍は、同地域での戦闘には参加していない。
AFP, November 5, 2015、AP, November 5, 2015、ARA News, November 5, 2015、Champress, November 5, 2015、al-Hayat, November 6, 2015、Iraqi News, November 5, 2015、Kull-na Shuraka’, November 5, 2015、al-Mada Press, November 5, 2015、Naharnet, November 5, 2015、NNA, November 5, 2015、Reuters, November 5, 2015、SANA, November 5, 2015、UPI, November 5, 2015などをもとに作成。
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