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ダマスカス郊外県リーハーン地方での反体制武装勢力によるPFLP-GC基地の襲撃・破壊に関して、SANA(11月25日付)は、「ダマスカス郊外県のPFLP-GCの基地に対する武装テロ集団の攻撃は、PFLP-GCがテルアビブでの作戦を受けるかたちで、モサドの道具がシオニストという敵の代わりに行ったものである」と非難した。
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力が24日夜に東グータ地方のマルジュ・スルターン航空基地を襲撃し、ヘリコプター2機と戦車1輌を破壊、12人の兵士を捕捉した。
ユーチューブ(11月25日付)にアップされた映像において、反体制武装集団の司令官は、「飛行場解放」作戦が成功し、ヘリコプター2機、レーダー基地を破壊し、15人を捕捉したと発表した。
しかしシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(11月25日付)に対して、「革命家たちは、航空基地を完全制圧はしていない。軍が依然として飛行場を包囲している」と述べた。
またAFP(11月25日付)はその後、反体制活動家の話として、反体制武装勢力が軍の報復を恐れてマルジュ・スルターン航空基地から撤退したと報じ、「飛行場解放」作戦の成功が狂言の可能性があることを暗示した。
一方、サイイダ・ザイナブ地方、東グータ地方、ハラスター市、サクバー市、ザマルカー町、フジャイラ村に対して軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、軍兵士4人、反体制武装勢力戦闘員6人、民間人1人が死亡した。
他方、SANA(11月25日付)によると、ダーライヤー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、ザマルカー町で軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を継続し、シャームの民のヌスラ戦線メンバー、外国人戦闘員など多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団が、軍・治安部隊がカフルスーサ区の軍備を増強し、同地区の農園突入を試みようとしている、と発表した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力が対ヨルダン国境に進軍し、国境地帯を防衛する軍第、4大隊と交戦し、一時拠点を制圧したが、「軍の空爆に曝され、革命家たちは拠点から撤退し、軍に奪還された」。
また『ハヤート』(11月26日付)によると、旅客バスを狙った爆弾テロがあり、市民5人が死亡、数十人が負傷した。
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アレッポ県では、『ハヤート』(11月26日付)などによると、アレッポ市ザフラー地区の空軍情報部施設周辺で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。
また反体制武装勢力がハーン・アサル村の治安機関施設を制圧したと発表した(未確認情報)。
一方、クッルナー・シュラカー(11月25日付)は、シャーム自由人大隊、イーマーン旅団、アリー・ブン・アビー・ターリブ大隊、イスナード・ミサイル連隊、サイード・ブン・ザイド大隊なる武装勢力がアレッポ市南部のICARDA地区の「浄化」を完了し、ダマスカス・アレッポ街道した、と報じた(未確認情報)。
他方、SANA(11月25日付)によると、軍・治安部隊がバイトルーン村、カフルナーハー村、ティシュリーン・ダム、ファーフィーン村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、アレッポ市ブスターン・カスル地区、ナイラブ地区などで、反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。
このほか、アレッポ市マルジャ地区では、「テロリスト退去」を求めるデモを行う市民に反体制武装勢力が発砲し、女性1人が死亡、複数が負傷した。
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ヒムス県では、SANA(11月25日付)によると、ヒムス市旧市街、ラスタン市、クサイル市および近郊などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷した。
カイロで開催されていた反体制勢力の大会(シリア国民民主同盟大会)が閉幕した。
大会に参加したシリア自由人党事務局のムンズィル・アークビークは、「政治声明に関して合意がなされ、それは数時間後に行われる記者会見で発表されるだろう。この声明は、民主的思考を共有する政党、潮流、革命組織、政治組織すべての同盟が定められている」と述べた。
また「ドーハの連立と(シリア国民民主同盟との間)原則において違いはない。しかし(同盟は)シリア国民の唯一の代表としての国際承認をめざすようなこの連立とは何らの類似点もない…。同盟は…(シリア国民の)代表だと自らを主張せず、特定の考え方に信念を寄せる政党、潮流のイデオロギー的な同盟で、その活動は連立のように一時だけのものではなく、また政権打倒といった短期的な目的をめざすものでもない。それは長期的な目的、すなわち民主的国家、平等、公正、市民権の確立に貢献しようとしている」と述べた。
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その後、シリア国民民主同盟の発足を宣言した以下の閉幕声明が発表された。
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離反士官がユーチューブ(11月25日付)を通じて、「自由将校連合」なる新たな組織の結成を宣言した。映
像が撮影された場所は不明だが、その発言内容から在外の士官である可能性が高い。
映像によると、自由将校連合はマフムード・アイユーブ准将を司令官とし、国内各地の前線で戦闘を指揮する士官らから構成され、「将来のシリア軍の真の核となる」という。
また映像に添付された声明のなかで、自由シリア軍国内合同司令部中央広報担当官のファフド・ミスリーは、自由士官連合にはすべての離反士官が参加し、自由シリア軍の支援を任務としていることを明らかにした。
また「新たな国民連立との協力、協議、支援のための調整」の必要を強調、シリア革命反体制勢力国民連立に代表者を派遣する意思を示した。
http://www.youtube.com/watch?v=HvpRZkENHzA
クッルナー・シュラカー(11月25日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市で、民主統一党人民保護部部隊(YPG)と自由シリア軍シャーム外国人大隊が停戦合意に達したと報じた。
停戦合意の内容は以下の通り:
1. 市内での双方の武装解除。
2. アラブ人、クルド人、キリスト教徒、コーカサス人からなる文民評議会による自治。
3. 自由シリア軍によるラアス・アイン国境通行所などの管理、YPGによる主要幹線道路の管理。検問所におけるクルドの国旗掲揚。
トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、NATOへのパトリオット・ミサイル配備要請に関して、「我々の国の治安に直接脅威が及ばない限り使用されない」と述べた。
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『サン』(11月25日付)は、英国のイスラーム主義者のウマル・バクリーが、レバノン北部のキャンプで英国のイスラーム主義者を軍事教練していることを明らかにしたと報じた。
AFP, November 25, 2012、Akhbar al-Sharq, November 25, 2012、al-Hayat, November 26, 2012, November 27, 2012、Kull-na Shuraka’, November 25, 2012,
November 26, 2012、al-Kurdiya News, November 25, 2012、Naharnet, November
25, 2012、Reuters, November 25, 2012、SANA, November 25, 2012、The Sun, November 25, 2012、Youtube, November 25, 2012などをもとに作成。
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