『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月23日付、http://www.wsj.com/articles/u-s-pursued-secret-contacts-with-assad-regime-for-years-1450917657)は、複数の米・アラブ諸国高官の話として、米国が過去数年間にわたり、シリア政府内の人間とひそかに接触し、シリアの紛争を鎮静化させ、アサド大統領を退陣させようと企図してきたと伝えた。
同誌によると、バラク・バラク米政権は、「アラブの春」がシリアに波及し、同国が混乱を始めた当初、アサド政権内の亀裂を探し、アサド大統領の帰属するイスラーム教アラウィー派宗徒内で、体制転換を主導できる高官を特定、軍事クーデタを促そうとしたが、そうした亀裂はほとんど見当たらなかったという。
その後、オバマ政権は2011年8月に、アサド大統領の退陣を明確に要求するようになったが、
その後もシリア政府との連絡を継続し、「個別の問題にをめぐって意思疎通」があったという。
米国高官は、シリア政府(ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣など)に対して直接、あるいはロシアやイランを通じてメッセージを送ったのに対して、アサド大統領は、テロとの戦いで米国が自身と連携するようオバマ政権に働きかけてきたという。
また、米政府とシリア政府の意思疎通は、アサド大統領の「親友」のシリア人ビジネスマンハーリド・アフマド氏の仲介努力によるところが大きいという。
The Wall Street Journal, December 23, 2015などをもとに作成。
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