シリア政府との停戦合意に基づき、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーら3,600人がダマスカス県南部から、ヌスラ戦線メンバー200人強がダルアー県から退去開始(2015年12月25日)

『ハヤート』(12月26日付)などによると、ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ一帯)、カダム区で籠城を続けてきたダーイシュ(イスラーム国)を名乗る反体制武装集団メンバーが、シリア政府との間で交わした停戦合意に基づき、退去希望者約4,000人の退去が始まった。

シリア人権監視団(12月26日付)によると、シリア政府との停戦合意を拒否する戦闘員および民間人3,620人が退去を予定しており、うちダーイシュのメンバーは2,090人、残る1,500人強はシャームの民のヌスラ戦線などのメンバー・支持者だという。

また『ハヤート』(12月26日付)も、シリア政府筋の話として、退去予定者の数が3,567人ほどで、うち1,000人が戦闘員で、そのほとんどがダーイシュ・メンバーだと伝えた。

退去予定者のなかにはヌスラ戦線などほかの武装集団のメンバーも含まれているという。

また、退去予定者を搬送するための大型旅客バス台が、シリア軍部隊とともに同地区に入ったという。

このシリア軍部隊は、退去予定者からの重火器などの引き渡しを担当するという。

なお、複数の信頼できる消息筋によると、停戦合意は、①カダム区に籠城していたダーイシュ・メンバーの負傷者の搬送、②ダーイシュ・メンバーの家族およびカダム区からの退去を望む住民の移送、③ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ、カダム区、ハジャル・アスワド市などダマスカス県南部で籠城するダーイシュのメンバーのダマスカス郊外県東部のビール・カスブ区、ラッカ市、あるいはヒムス県中部(タドムル市方面)への移送、という3段階からなるという。

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シリア人権監視団は、ダルアー県で活動を続けていたアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線メンバー212人がアレッポ県に向けた退去した、と発表した。

ヌスラ戦線メンバーの退去は、アブー・ムハンマド・ジャウラーニー最高指導者の指示によって行われるイラン人捕虜の解放の一貫として行われたという。

アレッポ県に退去するメンバーのほとんどは、ジャウラーニー最高指導者と同郷のダイル・ザウル県出身者で、そのなかにはヌスラ戦線付シャリーア学者のアブー・マーリヤー・カフターニー氏も含まれているという。

AFP, December 25, 2015、AP, December 25, 2015、ARA News, December 25, 2015、Champress, December 25, 2015、al-Hayat, December 26, 2015、Iraqi News, December 25, 2015、Kull-na Shuraka’, December 25, 2015、al-Mada Press, December 25, 2015、Naharnet, December 25, 2015、NNA, December 25, 2015、Reuters, December 25, 2015、SANA, December 25, 2015、UPI, December 25, 2015などをもとに作成。

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