シャームの民のヌスラ戦線が9月から10月にかけてシリア北部で発生した3件のテロの犯行を主張、レバノンでは内務治安軍総局情報課長のウィサーム・ハサン大佐を含む8人が爆弾テロによって死亡(2012年10月19日)

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国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がワーディー・ダイフ地点に近いタッルミンス村、マアッル・シャムサ村に展開する反体制武装勢力を空爆した。

またワーディー・ダイフ地点攻略で、反体制武装勢力の戦闘員1人が死亡した。

同地点の攻略には2500人の戦闘員が参加しており、対する軍は250人の兵で対抗している、という。

このほかジスル・シュグール市近郊のアアワル高地も砲撃を受けた。

一方、SANA(10月19日付)によると、ハーン・シャイフーン市郊外のバスィーダー村、アームーディーヤ村、カフルヤースィーム村、バーブーリーン村、スィージャル村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

他方、AFP(10月20日付)は、空軍がクラスター爆弾をマアッラト・ヌウマーン市東部での掃討作戦で使用した、と複数の反体制活動家が疑っていると報じた。

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アレッポ県では、複数の反体制活動家が、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区などに攻撃をかけ、同地区を完全に制圧した、と述べた。またマイダーン地区も一部制圧した、という(未確認情報)。

シリア人権監視団によると、アレッポ市のサーフール地区、マイダーン地区などで軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦したという。

一方、SANA(10月19日付)によると、アレッポ市旧市街、ブスターン・カスル地区、スーク・フストゥク地区、バーブ・ナスル地区、ブスターン・バーシャー地区、アターリブ市、アンジャーラ村、カッバースィーン村、ダイル・ジャマール村・マーリア市間、ダイル・ハーフィル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続し、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、複数の活動家によると、サイイダ・ザイナブ町で軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

またシリア情報センターによると、サクバー市などが軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、地元調整諸委員会によると、アルトゥーズ町で軍・治安部隊に拷問の末、処刑されたと思われる複数の遺体が発見された。

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ヒムス県では、複数の活動家によると、ラスタン市、クサイル市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、SANA(10月19日付)によると、ジュースィーヤ村、東ブワイダ村、ガントゥー市、ハウラ地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月19日付)によると、ダイル・ザウル市各所で軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月19日付)によると、マアルバ町、ブスラー・シャーム市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月19日付)によると、ナビー・ユースフ地点近くで、トルコからの潜入を試みる反体制武装勢力を軍・治安部隊が撃退した。

一方、『クッルナー・シュラカー』(10月19日付)は、アラウィー派の村ワーディー・ウユーンで、住民と軍・治安部隊が交戦したと報じた(未確認情報)。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線は、米国のイスラーム主義系のサイトに声明を送り、9月30日のカーミシュリー市の政治治安部を狙ったテロ、10月3日のダイル・ザウル市での政治治安部を狙った連続自爆攻撃、10月11日のイドリブ市での兵舎への攻撃を実行したと発表した。

またヌスラ戦線は、10月12日に、アレッポ市近郊の第606ミサイル大隊、同市ハナーヌー地区の兵舎、ラッカ県各所の兵舎を攻撃し、32人の兵士を殺害した、と発表した。

このうち第606ミサイル大隊の攻撃には、チェチェン戦闘員からなる「イスラーム・ファジュル運動」が参加した、という。

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レバノンを拠点とするファフド・ミスリー(自由シリア軍行動司令部広報局長)は声明を出し、ヒムス県の対レバノン国境に位置するジュースィーヤ村を奪還したと発表した(未確認情報)。

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シリア国民評議会の執行部メンバーのタウフィーク・ドゥンヤーが声明を出し、自身の参加が「何らの価値も与えることができない」として、脱会を宣言した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(10月20日付)は、ハサカ県のハサカ市、ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市、カーミシュリー市、ダイリーク市で民主統一党が「青年こそ未来を保障する」と銘打ったデモを行った、と報じた。

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クルディーヤ・ニュース(10月19日付)によると、17~18日にかけてカーミシュリー市で軍の士官複数名が離反し、トルコに逃走した。

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺(レバノン)

ベイルート県アシュラフィーヤ地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、内務治安軍総局情報課長のウィサーム・ハサン大佐を含む8人が死亡、78人が負傷した。

Naharnet, October 19, 2012

Naharnet, October 19, 2012

Naharnet, October 19, 2012

ハサン大佐は、ムスタクバル潮流のサアド・ハリーリー前首相の顧問で、ミシェル・サマーハ元情報大臣のテロ容疑の調査などを主導していた。

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ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺を受け、北部県、ベカーア県、ベイルート県、南部県の高速道路、広場など各所で、3月14日勢力の支持者が道路封鎖などを行い、抗議の意思を示した。

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ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、サウジで暮らすサアド・ハリーリー前首相は声明を出し、「バッシャール・ハーフィズ・アサドによる暗殺を非難する」とアサド政権の関与を断じた。

ハリーリー前首相は父親のラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺をシリアの犯行と断じていたが、その後、この断定が「過ち」だったと訂正した経緯がある。

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進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、ジャズィーラ(10月19日付)に対して「バッシャール・アサドと彼の体制が殺したと公然と非難したい」とシリアの関与を断じた。

ジュンブラート党首は2005年のラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺をシリアの犯行と断じていたが、その後、この断定が「誹謗中傷が過ぎた」と訂正した経緯がある。

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ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は「なぜ、ウィサーム・ハサンなのか?彼がミシェル・サマーハを逮捕したからか?」と自問し、シリアの関与を示唆した。

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ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、ヒズブッラーは声明を出し、「邪悪な犯罪」、「安定と国民統合を見出そうとする邪悪な試み」と非難した。

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自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、「レバノンの安定を脅かそうとする犯罪」と非難しつつも、調査を待って非難すべきだと述べ、シリアの犯行を断じるハリーリー前首相、ジュンブラート党首を暗に批判した。

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ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、「こうした暴力を正当化するものはない」と非難した。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、「レバノンの治安、安定、独立、主権を狙った…テロ行為」を非難した。

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バチカンのフェデリコ・ロムバルディ報道官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、強い非難の意を示した。

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ベイルート県アシュラフィーヤ地区での爆破テロに関して、シリアのウムラーン・ズウビー情報大臣は、「この手のテロはどこで起きようとも正当化され得ない」と非難した。

この非難声明は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の死亡が確認される前に出された。

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シリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、アサド政権の存在がシリア国民だけでなく、地域全体を危険にさらすと批判した。

レバノンの動き(そのほか)

『リワー』(10月19日付)によると、レバノンを拠点とするファフド・ミスリー(自由シリア軍行動司令部広報局長)は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の使節と会談したことを明らかにしたうえで、イード・アル=アドハーの停戦案が「いかなる結果も実現せず、現場に変化をもたらさない」と述べた。

またヒズブッラーの戦闘員がヒムス県のジュースィーヤ村、クサイル市を攻撃している、と述べた。

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レバノンの声(10月19日付)によると、ヒムス県ジュースィーヤ村からベカーア県バアルベック郡カーア地方に非難しようとしたレバノン人12人が、軍の要撃を受け殺害された。

諸外国の動き

ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、記者会見で、自由シリア軍がスティンガー・ミサイルを入手したとの情報に関して、「我々は世界じゅうの政府とともに、こうした兵器の根絶をめざしている…。我々は、シリアが脅威の源泉となるのではなく、地域に安定や平和をもたらす勢力になるよう…シリアを支援している…。真の暫定構想を準備し…新たな指導者がシリアを…過激派に抵抗させるため…シリア人を支援している」と述べた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がシリアに到着した。

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エジプトの大統領府は声明を出し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハーの停戦を全面支持すると表明した。

AFP, October 19, 2012、Akhbar al-Sharq, October 19, 2012、al-Hayat, October 20, 2012、Kull-na Shuraka’, October 19, 2012, October 20, 2012、al-Kurdiya
News, October 19, 2012、al-Liwa’, October 19, 2012、Naharnet, October 19, 2012, October 20, 2012、Reuters,
October 19, 2012、SANA, October 19, 2012などをもとに作成。

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