リヤド最高交渉委員会は、ジュネーブ3会議への参加の是非をめぐる協議を継続した。
『ハヤート』(1月30日付)によると、協議では、代表団メンバー15人の派遣を求めるスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表委員会の要請を受けるかたちで、すでに任命済みの30人の代表団メンバーのうちの15人を本メンバー、15人を予備メンバーに振り分けることや、イスラーム軍のムハンマド・ムスタファー・アッルーシュ氏を代表団から排除することなどが争点となったという。
また、委員会内での協議と並行して、ジョン・ケリー米国務長官が反体制派を支援する西側諸国および中東地域諸国に「電話外交」を展開し、委員会に圧力をかけ、参加させるよう説得する一方、米国、英国、フランスが、シリア政府と反体制派の交渉開始に先立って、都市部への空爆停止や包囲解除といった委員会の要求に応えるために行動するようロシアに求めたという。
こうした米国などの動きを受けるかたちで、最高交渉委員会は、ジュネーブに代表団を派遣すると正式に発表した。
最高交渉委員会は声明で「相手方(シリア政府)が交渉プロセスの前段階である国連チームとの折衝において、国際社会における義務や人道的要求を真摯に実行するかを試すために政治プロセスに参加することを決定した」と発表した。
『ハヤート』(1月30日付)などによると、これを受け、最高交渉委員会が指名した代表団や関係者30~35人がジュネーブ入りする見込み。
スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表とともにジュネーブ3会議のとりまとめを行うラムズィー・ラムズィー副代表はジュネーブで、いわゆる「ロシア・リスト」に名を連ねる反体制派の代表者らと会談した。
ラムズィー副代表と会談したのは、変革解放人民戦線代表のカドリー・ジャミール前副首相、シリア民主評議会共同特別代表のハイサム・マンナーア氏ら。
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『ハヤート』(1月30日付)は、いわゆる「モスクワ・リスト」に名を連ねている主要な反体制活動家の一人で、トルコとサウジアラビアがジュネーブ3会議への参加に拒否の姿勢をしめしている民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、ジュネーブを去ったと報じた。
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なお、『ハヤート』(1月30日付)は、西側高官の話として、デミストゥラ共同特別代表が、ジュネーブ3会議の交渉で「人道問題、停戦、そして政治プロセス」の三つを同時並行で進める意向だと伝えた。
これに対して、米国は、「停戦」、「人道支援」を優先させ、シリア政府と反体制派の和平プロセスは次回以降のラウンドで審議することを望んでいる一方、イランは、「停戦」、「挙国一致内閣樹立」、「憲法改正」、「総選挙」という順序での和平プロセスをめざしているという。
AFP, January 29, 2016、AP, January 29, 2016、ARA News, January 29, 2016、Champress, January 29, 2016、al-Hayat, January 30, 2016、Iraqi News, January 29, 2016、Kull-na Shuraka’, January 29, 2016、al-Mada Press, January 29, 2016、Naharnet, January 29, 2016、NNA, January 29, 2016、Reuters, January 29, 2016、SANA, January 29, 2016、UPI, January 29, 2016などをもとに作成。
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