ロシア国防省は、2月4日から11日までの1週間で、シリア駐留ロシア軍戦闘機が510回の出撃を行い、アレッポ県、ラタキア県、ハマー県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、ヒムス県、ハサカ県、ラッカ県の1,888カ所を空爆したと発表した。
イゴール・コナシェンコフ報道官によると、空爆は、ラタキア県ビダーマー町一帯、ヒムス県カルヤタイン市一帯、ダルアー県に西ガルビーヤ村一帯、アレッポ県下カラズ村一帯のダーイシュ(イスラーム国)の拠点などに対して行われ、作戦にはSu-25、Su-34戦闘機が参加したという。
一方、アレッポ県北部でのロシア軍の作戦に関して、コナシェンコフ報道官は、欧米諸国のメディアが、ロシア軍の空爆実施以前に破壊されていた街区の写真などをロシア軍の空爆の被害映像として公開したと指摘、非難した。
コナシェンコフ報道官はさらに、2月10日にアレッポ市がロシア軍の空爆を受け、病院2カ所が破壊されたとする米国防総省のスティーヴ・ウォーレン報道官の発言に関して、ロシア軍は2月10日、アレッポ市に対して空爆は実施しておらず、ロシア軍が空爆したアレッポ市からもっとも近い標的でさえ20キロ以上離れていたと反論した。
それだけでなく、コナシェンコフ報道官は、2月10日にアレッポ市上空一帯でダーイシュに対する空爆を実施したのは米軍主導の有志連合だけだったと付言した。
すなわち、コナシェンコフ報道官によると、2月10日午後13:55分(モスクワ時間)、米空軍のA-10戦闘爆撃機2機がトルコ領内からシリア領内に進入し、アレッポ市内で空爆を行ったという。
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なお、『ハヤート』(2月12日付)によると、コナシェンコフ報道官の発言を受けるかたちで、ウォーレン国防総省報道官は、米軍が2月10日にアレッポ市および同市郊外において一切空爆を行っていないと反論した。
AFP, February 11, 2016、AP, February 11, 2016、ARA News, February 11, 2016、Champress, February 11, 2016、al-Hayat, February 12, 2016、Iraqi News, February 11, 2016、Kull-na Shuraka’, February 11, 2016、al-Mada Press, February 11, 2016、Naharnet, February 11, 2016、NNA, February 11, 2016、Reuters, February 11, 2016、SANA, February 11, 2016、UPI, February 11, 2016などをもとに作成。
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