アサド大統領はAFPの単独インタビューに応じた。
インタビューはアラビア語で行われ、その映像(https://youtu.be/tI52tqeUB9o)およびアラビア語全文(http://www.sana.sy/?p=335714)はSANAを通じて配信された。
インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:
**
「(数万人の市民が飢餓に苦しんでいることをどう思うか、との問いに対して)感情について話すのなら、私は国民の一人であり、当然、同じ感情を持っている…。しかし責任を担う者として言うのなら、問題はどのような感情を持っているかというものではなく、国民に対して責任を担う者として何をするかということになる。飢餓の理由はテロリストであって、西側メディアが言うようなロシアの空爆によるものではない。西側によるシリア国民への制裁が難民流出の原因の一つだ。私の第1の任務は…テロとの戦いであり、そのうえで友人らにテロとの戦いの支援を求めることにある…シリア国外難民の問題、そして飢餓の問題は…テロ、西側の政策によるものだ」。
「シリアの紛争は当初から、誰がシリアの大衆基盤を獲得するかというものだった。我々が民間人を砲撃することなどあり得ない…、理論的には…。国家の支配下にあるどの場所でも…、武装集団の家族でさえ国家によって保護されている…。しかし、もし戦場で起こる過ちについて言うのであれば、どの戦争においても、無実の人々が犠牲になる。それが戦争の一般原則だ。しかし、確実に言えるのは、それはシリアという国家の政策ではない、ということだ」。
「シリアを去ったすべての人々に戻ってきて欲しいと思っている…。しかしそれだけでは不十分だ。問題はどのように彼らを戻らせるかだ…。国外に去った人々の多くは、シリアという国家に反対していたのではないし、テロリストに与していたのでもない。国外への避難を余儀なくさせる状況があったのだ…。つまり、テロが減少し、事態が改善すれば、彼らは自ら戻るだろう。だから、私は市民に対して帰国を呼びかけるのではなく、テロリストをかくまうことで、移民発生に直接関与してきた欧州諸国の政府に呼びかけたいのだ」。
「アレッポでの戦闘は、アレッポ奪還のための戦いではなく…、アレッポとトルコの兵站戦を遮断するためのものだ。トルコは今や、テロリストにとって主要な兵站路となっている」。
「我々にできるかできないかはともかく、これ(シリア全土の奪還)は、我々が躊躇せずにめざしている目標だ。一部を放棄するなどと言うこと自体非論理的だ…。問題がシリアだけの問題なら、つまりシリアが周辺諸国から隔絶されていると仮定するなら、テロとの戦いと政治プロセスの双方を通じて問題を終わらせるのに1年とかからないだろう…。しかし、トルコ、ヨルダン、そして一部はイラクを経由するかたちでテロへの兵站路が続いているというのが現状であり…、当然より長い時間、大きなコストがかかることになる…。問題はあと何年トルコとサウジアラビアがテロを支援するかだ…。そしていつ西側がこうした国に圧力をかけて、テロ支援を止めさせるかだ」。
「「穏健なテロリスト」…「穏健な反体制派」など実際には存在しない…。ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動など武装集団のほとんどは過激派に属している…。つまりすべてのテロリストが敵だ。我々はどんな反体制政治勢力も尊重している…。法律上、(ダーイシュ、ヌスラ戦線といった組織とそれ以外の武装組織の間に)違いは存在しない。国家は国家に対して武器を向ける者に対処する。どのようなイデオロギーをもっているかは問題にならない」。
「サウジアラビアは世界規模でテロを支援している。サウジアラビアの代表(リヤド最高交渉委員会のこと)は政治家ではなく、テロリストだ…。彼らとの対話はシリア人どうしの対話ではない。自分たちを反体制派だと言いつつ、外国、ないしは外国の諜報機関に属する者は対話においてシリア人を代表していない」。
「(トルコの地上部隊介入やサウジアラビアのシリア空爆の可能性に関して)介入は不可能だ…。シリアにおけるテロリストの衰退とは、彼ら(トルコ、サウジアラビア)の政策の衰退を意味する」。
「(クルド人の自治に関して)問題はシリア憲法に直接関わる…。こうした問いは、自治であれ、連邦制であれ、分権制であれ、国民的な問いでなければならず、シリアの一高官に対してすべきものではない。こうしたことは将来の政治的対話の一部をなすものだ。だが私が言っておきたいのは、クルド人は愛国的な集団だということだ」。
「大統領職は趣味ではなく、責任を伴うものだ…。後継者として選ぶ人材がいるかだが、国家は農場や会社とは違う。もし私が大統領にとどまりたいと考えるなら、二つの要素が必要だ。第1に私が大統領であり続けたいかどうかということ、そして第2に国民の意思だ。次期大統領選挙で国民が私を望まないと感じれば、私は立候補しない」。
「国連の機関は西側諸国によって牛耳られている。だから、ほとんどの報告は政治的なアジェンダに資するよう政治的に歪められている。その証拠にこうした機関は、テロ集団がシリア国内の無実の市民に対して行った虐殺については何も言及しない…。(シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会の)発言や報告には証拠がない…。個人が犯罪を犯すことと、体系的な殺戮を行う政策が存在することは別問題だ。戦争で死ぬ無実の人々がいると言うことは正しい。しかし、命令が下されるかたちで戦争犯罪が行われたということが…もし本当だとしたら、人々は武装集団の支配地域に逃げていたことだろう。しかし実際には逆のことが起きている。人々は国家の支配地域に向かっている」。
「我々は危機発生当初から対話、政治的プロセスを全面的に信頼している。しかし、対話をすることは、テロとの戦いを止めることを意味しない。シリアには二つの路線が必要だ。一つは対話、もう一つはテロリストの殲滅。第1の路線は第の2路線とは切り離されている」。
SANA, February 12, 2016をもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ナハールネット(11月21日付…
イドリブ県では、テレグラムの「…