Contents
『ハヤート』(10月8日付)はインターネット版速報で、リヤード・ハッダード駐露シリア大使が、ヒムス県で反体制武装勢力がフサーム・アサド(大統領の甥)を拘束したとの報道を否定した、と報じた。
**
『クッルナー・シュラカー』(10月8日付)は、シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長、ブルハーン・ガルユーン前事務局長、ジョルジュ・サブラー、ムハンマド・タイフール、ムハンマド・リヤード・シャカファ、ワヒード・サクル、バッサーム・ジャッアーラ、(シリア革命評議会のハイサム・マーリフ代表(暫定政府首班)、アンマール・カルビー、アブドゥルカリーム・リーハーニーがテロ法廷に起訴された、と報じた。
**
進歩国民戦線加盟政党はダマスカス県のダマローズ・ホテルで「政治対話と国民和解は治安と安定回復への我々の道だ」と題した対話会合を開催した。
会合にはロシア、イラン、中国の外交官も出席した。
バアス党は参加しなかった。
**
シリア・アラブ・テレビ(10月8日付)は、ファールーク・シャルア副大統領が暫定政府首班にふさわしいとしたトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣の発言に関して、「政治的、外交的混乱を反映している…。トルコはオスマン朝ではなく、トルコ外務省はダマスカス、メッカ、カイロ、エルサレムの元首を氏名できない」と批判した。
ヒムス県では、ロイター通信(10月8日付)によると、軍・治安部隊はヒムス市ハーリディーヤ地区に初めて突入した。
シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、クサイル市で激しい砲撃に曝された。
軍消息筋は、AFP(10月8日付)に対して、反体制武装勢力の拠点である、ヒムス市やクサイル市の奪還を進めていると述べた。
一方、SANA(10月8日付)によると、クサイル市郊外のズィラーア市、フサイビーヤ市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、殲滅した。
またウブーディーヤ市でレバノンからの潜入を試みた武装集団を国境警備隊が撃退した。
**
ダルアー県では、シリア人権監視団によると、クルク(・シャルキーヤ)市に対して、軍・治安部隊が激しい砲撃を加えた。
これに関して、シリア人権ネットワークは100人以上が、シリア革命総合委員会は30人が軍・治安部隊に虐殺されたと宣伝した。
一方、SANA(10月8日付)によると、クルク(・シャルキー)市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討を継続し、多数の戦闘員を殺害した。
**
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のマイダーン地区、サーフール地区、サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。
一方、SANA(10月8日付)によると、軍・治安部隊がアレッポ市ダウワール・シャッアール地区、バーブ街道地区、カルム・ジャバル地区、ハーン・ラスラーン地区、アッサーン村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の残党追撃、拠点攻撃を継続、多数の戦闘員を殺傷、逮捕、装備を破壊・押収した。
**
同じくアレッポ県では、AFP(10月9日付)が、アターリブ市近郊の要所である第46中隊基地を反体制武装勢力が数週間も制圧できずにいる、と報じた。
同報道によると、アターリブ市攻略は同市出身のアフマド・ファッジュ准将の指令のもとにアレッポ県、イドリブ県の戦闘員1,500人を動員した決戦の一貫として計画されていた。
同基地の兵舎には軍兵士数百人が駐留しており、同地からシハーラ、アウラム・クブラーなど周辺の都市に対する攻撃部隊が出動しているという。
**
ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で、軍・治安部隊が民家を破壊した。
またバルザ区は一昨日の警察署爆破を受け、多くの人々が避難・殺到した。
**
ダマスカス郊外県では、SANA(10月8日付)によると、軍・治安部隊がグータ東部のザバディーン市で反体制武装勢力と交戦、殲滅した。
「アフバール・シャルク」(10月9日付)は、午後8時半頃にハラスター市の空軍情報部本舎を標的とした爆弾テロが発生したと報じた。
テロは爆弾が仕掛けられた車2台によって行われ、爆発後に激しい戦闘があったという。
シリア人権監視団によると、標的となったのは、軍車輌のメインテナンスが行われる「第411開放区」と空軍情報部で、ラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、数十人が犠牲になった模様。
また同敷地内の拘置所で拘束されていた逮捕者の行方は不明だという。
しかしシリア公式筋はこの爆発に関して何の発表もしておらず、反体制武装勢力のプロパガンダに過ぎない可能性もある。
**
ラッカ県では、SANA(10月8日付)によると、軍・治安部隊がタッル・アブヤド市で反体制武装勢力の車を破壊した。
**
ハサカ県では、SANA(10月8日付)によると、アブー・バクル村で軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを攻撃し、多数の戦闘員を逮捕した。
**
ダイル・ザウル県では、SANA(10月8日付)によると、軍・治安部隊がダイル・ザウル市で外国人狙撃手4人を殺害した。
**
トルコ高官筋は、AFP(10月7日付)に対して、ハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)のアルテュズへのシリア領からの迫撃砲着弾に対して、トルコ軍が反撃した、と述べた。
シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、ファールーク・シャルア副大統領が暫定政府首班にふさわしいとしたトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣の発言に関して、「殺戮に与していない…バアス党員が現政権打倒後に政治的役割を果たすことに反対しない」と述べた。
しかし、「彼(シャルア)が殺戮に荷担したとの情報はないが、彼は政治指導部に属している」と述べ、是非は明言しなかった。
UPI(10月7日付)が報じた。
**
ブルハーン・ガルユーン前事務局長は、シャルア副大統領を暫定政府首班とすることで反体制勢力が合意したと述べたとしつつ、「彼はこの地位(大統領職)を務める能力はないし、それを望んでいない」と否定的な考えを示した。
**
民主的変革諸勢力国民調整委員会のラジャー・ナースィルは、RT(10月7日付)に対して、「シャルアの名前を出すことは時期尚早だ。今は発砲停止と人道的悲劇の停止に集中しなければならない」と述べた。
**
Youkal.net(10月8日付)は、アラウィー派の士官7人が「集団離反」し、ヨルダンに逃走した、と報じた(未確認情報)。
**
シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長が、バーブ・ハワー国境通行所を経由してシリア領内に不法入国し、アターリブ市を訪問した。
訪問は「地元の高官と会談し、情勢検討を行い、革命のために共同行動できることを合意するため」という。
スィーダー事務局長にはアレッポ県とイドリブ県の反体制武装勢力の司令官と自由シリア軍合同司令部で会談し、資金援助などの支援方法を協議した。
スィーダー事務局長には、シリア国民評議会メンバー、自由シリア軍最高軍事評議会議長のムスタファー・シャイフ准将が随行した。
会談後、スィーダー事務局長らは、「解放区」で現地の反体制運動を指導することなく、同日中にトルコ領内に避難した。
http://www.youtube.com/watch?v=M0VyUaziBks
**
「ジャズィーラ県アラブ愛国委員会」を名のる集団が「声明第1号」を発表、民主統一党によるハサカ県の支配に反対の意思を表明した。
発足声明となるこの声明で、彼らは、「武装したクルド人集団の寡占」に対抗するとして民主統一党の主導下での自治に異議を唱えるとともに、「クルド人は自らを守る集団が国を蹂躙、支配することの最大の責任を負う」と非難した。
また「シリアはあらゆる宗教、民族からなるすべてのシリア人のもの」と主張し、マジョリティ、マイノリティのいかんにかかわらず他者を排斥することを拒否するとし、「相互理解と合意のための言語創出」をめざすとの意思を示した。
レバノンの声ラジオ(10月8日付)などによると、北部県アッカール郡の対シリア国境に位置するアッブディーヤ村、ハクル・ジャニーン村にシリア軍が砲撃を加え、住民が避難した。
**
ヒズブッラーの支持者2000人以上が参列し、シリア・レバノン国境で殺害されたフサイン・アブドゥルガニー・ニムル(35歳)の葬儀がベカーア県バアルベック郡で執り行われた。
AFP(10月8日付)によると、ニムルはシリア・レバノン国境で殺害され、10月7日に遺体が引き渡されていた。
葬儀にはムハンマド・ヤズバクが参列した。
国連の潘基文事務総長は、シリア情勢に関して「悲劇的なまでに悪化している」と懸念を表明し、「武器を供与する国々に対して供与停止を火急に求める。紛争の軍事化は状況悪化をもたらすだけだ」と述べた。
**
『ニューヨーク・タイムズ』(10月8日付)は、サウジアラビアとカタールが、米国の支持を得られずシリアの反体制武装勢力への重火器の供与を停止した、と報じた。
AFP, October 8, 2012、Akhbar al-Sharq, October 8, 2012, October 9, 2012、al-Hayat, October 8, 2012, October 9, 2012、Kull-na Shurakaʼ, October 8, 2012, October
9, 2012、al-Kurdiya News, October 8, 2012、Naharnet.com, October 8, 2012、The New York Times, October 8, 2012、Reuters, October 8, 2012、SANA, October 8, 2012、Youkal.net,
October 8, 2012などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イドリブ県では、テレグラムの「…
イランを訪問中のバッサーム・サ…