イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(3月8日付)、ARA News(3月7日付)などによると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が主導するファトフ軍の支配下にあるイドリブ市内で活動家が組織した反体制デモを同市の「執行部隊」が強制排除した。
複数の活動家によると、イドリブ市で発生した反体制デモは、同市の「執行部隊」によって強制排除され、その際、デモに参加した活動家が暴行を受け、拘束されたほか、通信機器などを破壊されたという。
ARA News(3月7日付)によると、デモを弾圧したのは、ヌスラ戦線治安委員会。
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これを受け、活動家らは声明を出し、ファトフ軍に対してデモ弾圧の理由を明らかにするよう求めるとともに、弾圧の責任者の処罰、逮捕者の釈放、デモ参加者への謝罪を要求した。
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一方、ヌスラ戦線の広報局報道官を務めるアブー・アンマール・シャーミー氏は、イドリブ市で発生した反体制デモに関して、自身のツイッターのアカウントを通じて、ファトフ軍の全部隊に反体制デモを保護する責任があると述べた。
シャーミー氏は「我々はここで、イドリブ市が多くの部隊が属すファトフ軍の管理下にあること、そしてすべての部隊が今日起きたこと(イドリブ市内での反体制デモ)に責任を負っていることを明らかにしたい」、「2011年末以来、デモを保護してきたヌスラ戦線の路線とは、我々の民を保護し、守ることによってのみ成り立つ」と綴った。
またファトフ軍を指導するサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏(ジハード布教者センター代表)は自身のツイッターのアカウントで、イドリブ市での反体制デモの弾圧を「過ち」だと批判し、「人々が独裁者に立ち向かうことを阻止するべきでないと綴った。
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ヌスラ戦線とともにファトフ軍を主導するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は8日付で声明を出し、イドリブ市での反体制デモの弾圧を行った「執行部隊」にメンバーは参加していないと発表、関与を否定した。
AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。
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