ロシア国防省は、米・ロシアによる敵対行為停止合意発効から10日が経ったのに合わせて、シリアでの停戦および人道支援の状況について発表、「停戦は総じて遵守されている」としたうえで、「民間人の安全な帰宅と人道支援物資の配給が急務となっている」と強調した。
国防省によると、ロシアはハマー県、ヒムス県、ラタキア県、ダルアー県、ダイル・ザウル県、アレッポ県、ダマスカス県・ダマスカス郊外県に人道支援物資620トンを配給、また当事者和解調整センターが地元当局なロシアが独自に収集したデータをもとに緊急支援リストを作成し、国連に提出したという。
また、合意発効後、ロシア軍が空爆を実施しているのは、ラッカ県、ダイル・ザウル県、ヒムス県タドムル市近郊のダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線だけであることを改めて強調した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月6日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
このうち3件がアレッポ県、3件がイドリブ県、2件がハマー県で発生したという。
また、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員がハサカ県カーミシュリー市を攻撃するため、6日にトルコ領内に集結したことが確認されたという。
なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。
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一方、ダマスカス郊外県で反体制武装集団5組織が米・ロシアによる敵対行為停止合意を受諾、ロシアの当事者和解調整センターに合意受諾を申し出た反体制武装集団の数は35組織となった。
AFP, March 7, 2016、AP, March 7, 2016、ARA News, March 7, 2016、Champress, March 7, 2016、al-Hayat, March 8, 2016、Iraqi News, March 7, 2016、Kull-na Shuraka’, March 7, 2016、al-Mada Press, March 7, 2016、Naharnet, March 7, 2016、NNA, March 7, 2016、Reuters, March 7, 2016、SANA, March 7, 2016、UPI, March 7, 2016などをもとに作成。
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