『ハヤート』(3月9日付、ムハンマド・サーリフ・スィドキヤーン記者)は、12日のテヘランでのハサン・ロウハーニー大統領との会談で、トルコのアフメト・ダウトオール首相は、イランとの関係やシリア情勢への対応をめぐってこれまでとは異なる発言を行い、新たな姿勢を示そうとしていたと伝えた。
この変化に関して、中東情勢に詳しいイラン消息筋は、イラン政府が、地域の治安と安定の回復に資すると高く評価する一方、「隣国との関係だけを優先させるのではなく、すべての近隣諸国とのバランスのとれた関係を維持したいと考えている」と述べ、トルコ、ロシアの双方との関係維持に努めようとしているとの見方を示した。
同消息筋によると、ダウトオール首相はテヘランでの会談で、ロシアとの緊張緩和を仲介するよう求め、その見返りとして、トルコ政府がイラン・サウジ関係の緊張緩和をめざすとの意向を示し、「ロシアとトルコの関係の正常化はイランの国益に合致する」と主張したという。
また、シリアへの連邦制の導入や分割に関しては、トルコの国益に資さないとの立場を明示したという。
これに対して、イラン側は、イランとトルコの政治および安全保障分野での協力強化が経済関係の強化につながると伝えた。
また、シリア情勢をめぐっては、米国がトルコと距離を置き、ロシアに接近しつつあるとの念を抱くトルコ側の感情を踏まえ、路線変更を行うべきだとの意向を示したという。
AFP, March 8, 2016、AP, March 8, 2016、ARA News, March 8, 2016、Champress, March 8, 2016、al-Hayat, March 9, 2016、Iraqi News, March 8, 2016、Kull-na Shuraka’, March 8, 2016、al-Mada Press, March 8, 2016、Naharnet, March 8, 2016、NNA, March 8, 2016、Reuters, March 8, 2016、SANA, March 8, 2016、UPI, March 8, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア当事者和解調整センターの…