イドリブ県では、SNN(3月15日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市では日中、シャームの民のヌスラ戦線による第13師団の全拠点制圧、メンバー逮捕への住民の不満が高まり、市内各所で抗議デモが発生した。
デモ参加者は「シリア革命期」(委任統治領シリアの国旗)、第13師団の旗を掲げ、メンバーの逮捕停止や逮捕者釈放が要求された。
クッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、デモ参加者の一部はマアッラト・ヌウマーン市内にあるヌスラ戦線の本部に突入し、拘束されていた4人を解放したのち、本部を焼き討ちにした。
デモ参加者が突入した際、ヌスラ戦線のメンバーは一人もいなかったという。
なおSNNによると、ヌスラ戦線は市内に検問所を設置せず、拠点を市外に移転し衝突を回避しようとしたが、夜になると、第13師団メンバーの追跡捜査を再開し、複数のメンバーを逮捕したという。
ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、ヌスラ戦線の追跡捜査はメンバーの自宅などが対象となり、第13師団特殊部隊司令官のアリー・サマーフ離反大佐も逮捕されたという。
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一方、ヌスラ戦線は13日深夜に声明を出し、第13師団との対立解消と和解に向けて独立司法裁判所の設置を呼びかけた。
ヌスラ戦線はまたこの裁判所のメンバーとして、アブドゥッラッザーク・マフディー氏、アブー・ハーリス・ミスリー氏(エジプト人)、アブドゥッラー・ムハイスィニー氏(ファトフ軍を指導するサウジアラビア人説教師)の3人を推薦した。
これに対して、第13師団も13日付で声明を出し、「善意のもとに(ヌスラ戦線が制圧した第13師団の)すべての本部、物資が、(法的)判断が下されるまで、法務委員会によって管理され、事態が回復し、逮捕者が帰宅、検問所が撤去されることを提案する」と発表し、独立司法裁判所に審理を求め、ヌスラ戦線の提案に応じる姿勢を示した。
クッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、これを受け、ムスリフ・ウルヤーニー氏、アブー・ナースィル・クワイティー氏、アブー・アースィム氏、アブー・カターダ氏の4人が独立司法委員会のメンバーに任命されたという。
AFP, March 14, 2016、AP, March 14, 2016、ARA News, March 14, 2016、Champress, March 14, 2016、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2016、al-Hayat, March 15, 2016、Iraqi News, March 14, 2016、Kull-na Shuraka’, March 14, 2016、al-Mada Press, March 14, 2016、Naharnet, March 14, 2016、NNA, March 14, 2016、Reuters, March 14, 2016、SANA, March 14, 2016、SNN, March 14, 2016、UPI, March 14, 2016などをもとに作成。
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