スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、14日から再開されていたジュネーブ3会議(第2ラウンド)の最終日程の終了に合わせて記者会見を行い、そのなかで12項目からなる原則文書を作成したと発表した。
デミストゥラ特別代表によると「私が準備した文書は、シリア人どうしの対話の仲介者としての私の理解を示すもので、(対話を)導く諸原則からなっており、今後の段階に資するものだが、詳細には立ち入っていない」という。
デミストゥラ特別代表はまた、第3ラウンドに関して「我々自身が定めた日に次の対話ラウンドを始める。来月4月9日ないしは10日以降にはならない」と述べた。
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『ハヤート』(3月25日付)が入手した文書案において示された12項目の骨子は以下の通り:
1. シリアの主権、独立、統一の尊重。いかなる領土も譲歩せず…シリア国民は平和的な手段を通じて、占領下のゴラン高原回復に努める。
2. 国連憲章に則ったかたちでの主権平等の原則の尊重と内政不干渉。シリア人のみが実主的方法、そして投票箱を通じて自らの未来を決し、いかなる外国の干渉、圧力も受けない。
3. 市民権、政治的多元主義、シリア国民のすべての社会的要素の参加、法治主義の原則に基づいた民主的、非宗派主義的国家。
4. シリアの歴史、多元性、宗教的価値観の強化。個人や集団の報復行為への不寛容。いかなる社会集団に対する差別の拒否とその完全なる保護
5. 女性の役割の強化と、代議、国家機関、「意思決定プロセス」に占める女性の割合を30パーセントに維持すること。
6. 国連安保理決議第2254号に準じ、非宗派的で包括的な信頼の置ける統治の仕組みの構築、新憲法の起草計画・プロセスの策定、新憲法に基づく行政府の自由で公正な国連監視下の選挙を骨子とする政治移行を実行すること。
7. 移行期統治機関は、政治移行を行うための安定的な環境を提供し、政治家に平等に機会を付与し、選挙や公的生活のなかで自身を確立できるようにする。
8. 国家機関、公共福祉機関の改革の継続。国際基準、ガヴァナンス、人権の原則に準じたかたちでの公共・民間両機関の保護。移行期統治機関による汚職撲滅に向けた政策実施と人権の原則への準拠。
9. 国連安保理が指定するテロ組織、テロリストの拒否。テロ撲滅に向けた国内での取り組みと国際協調。テロへの武器、資金、教練、温床の提供を阻止するよう国際社会に呼びかけること。
10. 移行プロセスと新憲法を支持・支援する武装集団の武装解除とメンバーの吸収を通じて、強力、統一的、愛国的な軍隊の再編にシリア人は尽力すること。この軍は法律に則り、国境、国民を外的脅威から防衛することを義務とする。国家およびその機関が軍の再編後は武器を独占すること。外国はシリア領内に介入してはならないこと。
11. 国際社会の支援のもと難民の自発的な帰国を促すこと。恣意的逮捕者の釈放。失踪者の消息調査。
12. 紛争被害については、和平実現後、支援国会議を開き、経済制裁を解除すること。
なお、『ハヤート』によると、この文書は14日から24日にかけての第2ラウンドでのシリア政府、リヤド最高交渉委員会、そしてそのほかの反体制派の代表団との個別会談の結果を総合したもので、各当事者に回付されたという。
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また、スーリーヤ・ネット(3月26日付)などによると、文書作成に際して、デミストゥラ特別代表は、アサド大統領の進退に関する文言を追加するよう求めたリヤド最高交渉委員会の要請を却下したという。
AFP, March 24, 2016、Alsouria.net, March 26, 2016、AP, March 24, 2016、ARA News, March 24, 2016、Champress, March 24, 2016、al-Hayat, March 25, 2016、Iraqi News, March 24, 2016、Kull-na Shuraka’, March 24, 2016、al-Mada Press, March 24, 2016、Naharnet, March 24, 2016、NNA, March 24, 2016、Reuters, March 24, 2016、SANA, March 24, 2016、UPI, March 24, 2016などをもとに作成。
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