ヒムス県では、SANA(3月27日付)によると、シリア軍および人民防衛諸集団がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、UNESCO世界文化遺産パルミラ遺跡を擁するタドムル市全域(住宅地、遺跡地区)を奪還、治安と安定を回復した。
タドムル市奪還は、ロシア軍の航空支援のもとに行われるとともに、米軍主導の有志連合も奪還までの数日間で同市近郊に対して複数回の空爆を実施した。
また『ハヤート』(3月27日付)によると、タドムル市奪還作戦は3月7日に開始され、シリア軍、国防隊のほか、レバノンのヒズブッラーが参加、ロシア軍が航空支援を行った。
タドムル市を放棄したダーイシュは、AFP(3月27日付)がシリア軍消息筋の話として伝えたところによると、スフナ市方面に撤退、その一部はラッカ市、ダイル・ザウル市にまで退却したという。
シリア人権監視団によると、タドムル市からの撤退命令は、ダーイシュの中止拠点ラッカ市から発出されたが、戦闘員の多くは撤退を拒否し、市内にとどまり抗戦を続けており、市南東部に位置する航空基地一帯では、依然として戦闘が続いているという。
これに関して、ダーイシュの広報部門アアマーク通信は、ダーイシュがタドムル航空基地近くでシリア軍の車列を攻撃し、兵士30人を殺害したと主張した。
SANAによると、タドムル市奪還に至るまでの一連の戦闘で、シリア軍はダーイシュの外国人戦闘員450人以上を殲滅した(AFP(3月27日付)によると約3週間続いた戦闘でダーイシュ戦闘員400人以上が死亡)
また2015年5月のダーイシュによるタドムル市制圧以降の10ヶ月間でダーイシュは、女性、子供、老人ら500人以上を殺害、ベル神殿、バール・シャミーン神殿、凱旋門、塔墓などの遺跡を破壊した。
シリア軍はこのほか、カルヤタイン市北西部ルマイラ山に近い第850地点、第849地点、第876地点を制圧した。
またシリア軍は、ヒムス県東部一帯にビラを散布し、戦闘員に投降を呼びかけた。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市カナーマート地区を空爆し、住民3人が死亡した。
またシリア軍はハリータ村を砲撃した。
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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(3月28日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団を支援しているとされるイスラーム・ムサンナー運動のメンバー複数人が離反し、ムラービトゥーンの名で新たな武装集団を結成した。
AFP, March 27, 2016、AP, March 27, 2016、ARA News, March 27, 2016、Champress, March 27, 2016、al-Hayat, March 28, 2016、Iraqi News, March 27, 2016、Kull-na Shuraka’, March 27, 2016、March 28, 2016、al-Mada Press, March 27, 2016、Naharnet, March 27, 2016、NNA, March 27, 2016、Reuters, March 27, 2016、SANA, March 27, 2016、UPI, March 27, 2016などをもとに作成。
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