アンマンでヒジャーブ前首相をトップに据える反体制勢力統合に向けた新たな動きが活発化、ブラーヒーミー共同特別代表がアラブ連盟事務総長およびカタール首相兼外相と会談(2012年9月12日)

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国内の暴力

ハマー県では、『ハヤート』(9月13日付)によると、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表のシリア訪問と時を一にするかのように、ハルファーヤー市郊外で子供2人を含む13人の惨殺遺体が発見された。

地元調整諸委員会、シリア革命総合委員会はこの遺体発見を「虐殺」、「戦場処刑」と断じた。

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同じくハマー県では、『ハヤート』(9月13日付)によると、ラターミナ町で軍・治安部隊による砲撃によって子供2人が死亡、市民数十人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市で軍の複合施設を標的とした爆弾テロが発生し、兵士18人が死亡、数十人が負傷した。

この爆弾攻撃に続いて、反体制武装集団が同施設を攻撃し、市内では複数の検問所が破壊された、という。

検問所の攻撃には、ロケット砲が使用されたという。

一方、SANA(9月12日付)によると、アリーハー市・サラーキブ市を結ぶ街道にある軍・治安部隊の検問所を反体制武装勢力が自爆攻撃し、多数の軍・治安部隊兵士、民間人が犠牲となった。

また軍・治安部隊はサラーキブ市で放送局を攻撃しようとした反体制武装勢力と交戦し、撃退した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アルメニア教徒が乗っていた車が未明にアレッポ国際空港に向かう途中に襲撃され、3人が死亡した。

死者数は4人との情報もあり、また13人が負傷した。

アルメニア教徒は国内の暴力を避けて、シリア国外に避難しようと空港に向かっていたという。

『ハヤート』(9月13日付)によると、すでに数千人のアルメニア教徒が暴力激化を避けて、シリアを去り、アルメニアなどに避難しているという。

シリアのアルメニア教徒は、第一次大戦後のトルコからのアルメニア教徒やクルド人のシリアへの避難を受け入れたシリアへの「返礼」として、(もともとシリア国内にいたアルメニア教徒も含め)経済活動に専念し、政治参加を控える傾向にある、と言われており、このことがアサド政権支持としばしばみなされることもある。

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ空港近くで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

またアレッポ市ナイラブ地区で反体制武装勢力が拠点としていた工場などが軍の空爆を受けた。

このほか、ブスターン・バーシャー地区、フィルドゥース地区、カーディー・アスカル地区、マサーキン・ハナーヌー地区、サーフール地区でも砲撃・交戦があったという。

アレッポ市での戦闘で反体制武装勢力戦闘員3人、市民3人が死亡したという。

一方、SANA(9月12日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、マイダーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追跡を継続し、戦闘員に甚大な打撃を与えた。

また軍・治安部隊はアターリブ市、アフタリーン市、タッル・ジャビーン村などでも反体制武装勢力と交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で軍・治安部隊の検問所から発砲があり、少女1人が死亡、複数が負傷した。

また同地区のほか、カダム区、ヤルムーク区で砲撃・交戦があり、3人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市が砲撃に加えられる一方、ブーカマール市が空爆を受け、複数が死傷した。

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ヒムス県では、SANA(9月12日付)によると、ラスタン市、タルビーサ市で軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、甚大な打撃を与えた。

またクサイル市郊外でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(9月12日付)によると、軍・治安部隊がヤルダー市、フジャイラ村、ハジャル・アスワド市などで反体制武装勢力の「残党」の追撃を継続した。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(9月13日付)は、ヨルダンのアンマンで政権を離反した高官や離反兵のイニシアチブのもと、反体制勢力統合に向けた新たな動きが活発化していると報じた。

自由シリア軍南部地方野戦司令官だというヤースィル・アッブードによると、この動きを進めるための会合は現在も行われており、アサド政権を離反した政治家、軍人、そしてシリア国民評議会のメンバーも個人資格で参加している。

また「リヤード・ファリード・ヒジャーブ首相が新たなシリアの政治指導部を率い、離反したムハンマド・ハーッジ・アリー少将が自由シリア軍事野戦司令部などの軍事・革命評議会を指揮する。これらの司令部、評議会は政治指導部の指導を受け、シリア国民軍という名がつけられる」という。

また「我々は次の段階の全体的な計画に関して合意し、詳細を検討している…。現下の関心は早期に体制を打倒することで、シリアの今後の段階についてはいずれ決定するだろう」と付言した。

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シリア国民評議会メンバーで革命指導最高評議会なる組織の前議長を名のるムハンマド・イナードは『ハヤート』(9月13日付)に対して、アンマンでの離反兵・高官の会合を「暫定的な国民評議会の再編をめざすもの」としたうえで「変革を疎外してきた個人、指導者」は参加を認められないと述べた。

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一方、シリア国民評議会のアブドゥッサラーム・ビータールは、『ハヤート』(9月13日付)に対して、アンマンでの離反兵・高官の会合が「外国によって運営されている」と非難し、ヒジャーブ首相を首班とする暫定政府発足をめざす動きが「真っ赤な嘘」だと断じた。

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『クッルナー・シュラカー』(9月12日付)は、8月23日にダマスカス国際空港で逮捕されたドキュメンタリー映画監督のウルーワ・ニールビーヤ氏が釈放されたと報じた。

レバノンの動き

レバノンの軍事裁判所検事は、北部県トリポリ市でシリアの反体制活動家らの誘拐を支援したとされる8人を起訴した。

起訴された8人のうち1人はシリア人士官。

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ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーUNICEF親善大使がヨルダンに続いてレバノンにあるシリア人避難民キャンプを慰問した。

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サウジアラビアで暮らすサアド・ハリーリー前首相は、『ル・モンド』(9月12日付)で、ヒズブッラーがシリアに自らの戦闘員を派遣し、反体制運動弾圧に参加している、と述べた。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、シリア問題閣僚委員会議長のハマド・ブン・ジャースィム・カタール首相兼外務大臣と会談し、シリア情勢について協議した。

al-Hayat, September 13, 2012

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イラクのカイス・アッザーウィー・アラブ連盟代表は、連盟本部で、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の任務に期限を設定すべきだとの湾岸諸国などの主張を拒否する姿勢を明示した。

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「アフバール・シャルク」(9月12日付)は、トルコのハタイ県の当局が、シリアにほぼ自由に密入国していたシリア人避難民の活動の監視を強化している、と報じた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、カザフスタンの首都アスタナで開催中のアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)で「シリア情勢はもっとも注目されている国際問題の一つとなった。この問題を軽率にフォローアップしたり、当事者を一方的に支援し、それ以外の当事者を犠牲にするような介入は受け入れられない」と述べた。

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ロシア議会上院(連邦会議)のイリヤス・ウマハノフ副議長は国内の反体制勢力が野党とともに開催を目指しているシリア国民救済大会に関して、「この会談が開催されれば、正常化に関心がなく、国民対話の開始を妨害する者たちの足下を揺るがすことになるだろう」と述べた。

UPI(9月12日付)が報じた。

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ヴェネズエラのウーゴ・チャベス大統領は、記者会見で、イランに対してシリア情勢に関する四カ国連絡グループ会合への参加を申し出るとの意思を示した。

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ヨルダンのアブドゥッラー国王はAFP(9月12日付)に対して、シリアのムハーバラートの「細胞」が避難民とともにヨルダン国内に入り、避難民に関する情報、ないしはヨルダンの治安や安全を標的とするための情報を収集している、と述べた。

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EUのクリスティナ・ゲオルギエヴァ国際協力・人道援助・危機対応担当委員は、ニューヨークで記者団に対して、「これ(シリア情勢)は非対称戦争で、当事者双方に国際法違反が広く見られ、それはエスカレートしている…。こうしたことがなされてはならず、もししてしまえば、必ず結果(処罰)が与えられるだろう」と述べた。

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『ヒュッリイェト』(9月12日付)は、米ジャーマン・マーシャル基金が各国で行った世論調査の結果を報じた。

それによると、トルコでは57%の回答者が、シリアへの軍事介入へのトルコの参加に反対した、という。また米国では55%、欧州で59%がシリアへの軍事介入に反対した。

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イドリブ県サルマダー市に不法入国したクウェート国会議員だというワリード・タブタバーイーは、『ラアユ』(9月12日付)日して、自由シリア軍が最近対空兵器を入手したと述べた(未確認情報)。

AFP, September 12, 2012、Akhbar al-Sharq, September 12, 2012、al-Hayat, September 13, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 12, 2012、al-Kurdiya News,
September 12, 2012、Naharnet.com, September 12, 2012、al-Ra’y, September 12, 2012、Reuters, September 12, 2012、SANA, September 12, 2012などをもとに作成。

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