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シリアの外務在外居住者省は声明を出し、5日のアラブ連盟外相会議でのエジプトのムハンマド・ムルスィー大統領の演説に関して、「あからさまな内政干渉」と非難し、「シリア国内の暴力を煽ることを目的とした煽動の一種」と断じた。
またトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相に関して、「彼の政府がテロ集団への支援…を通じて、シリア国民へのあからさまなテロ行為を行っているなかで、シリアがテロ国家だと非難した」と反論した。
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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣はシリア・アラブ・テレビ(9月6日付)で、エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領が危機解決のイニシアチブを「自ら葬り去った」と非難、同大統領がシリア国内の流血を助長していると断じた。
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『クッルナー・シュラカー』(9月6日付)は、7月のダマスカス県でのアースィフ・シャウカト副参謀長らが犠牲となった爆破テロで死亡したと噂されているアミーン・シャラービー少将(国民安全保障会議副議長)が死亡していないと報じた。
シャラービー少将は事件後、解任され、国民安全保障会議副議長にはアブドゥルファッターフ・クドスィーヤ総合情報部第2次長が就任した、という。
ダマスカス県では、『ハヤート』(9月7日付)によると、ヤルムーク区で迫撃砲による砲撃がありパレスチナ人20人が死亡した。
またシリア人権監視団によると、カダム区で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。また同地区では市民2人が拉致、処刑された。
一方、地元調整諸委員会とシリア革命総合委員会は、アサーリー地区、カダム区が軍・治安部隊の砲撃を受けたと発表した。
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アレッポ県では、SANA(9月6日付)によると、アレッポ市のブスターン・バーシャー地区、スライマーン・ハラビー地区、マサーキン・ハナーヌー地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」への掃討を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。
またサイフ・ダウラ地区では、反体制武装勢力が仕掛けた爆弾多数を発見、撤去した。
一方、クルディーヤ・ニュース(9月6日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区への軍の空爆で、16人が死亡した。犠牲者のほとんどがクルド人だという。
シリア人権監視団によると、アレッポ市アンサーリー地区で市民1人が狙撃され、死亡した。
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ダマスカス郊外県では、SANA(9月6日付)によると、ダイル・アサーフィール市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」への掃討を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。
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イドリブ県では、SANA(9月6日付)によると、ハーリム市、イドリブ市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」への掃討を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。
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ヒムス県では、SANA(9月6日付)によると、ヒムス市のバーブ・フード地区、カルアト・ヒスン市、ダイル・バアルバ市、ナザーリーヤ村、ハウラ地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」への掃討を継続し、甚大な打撃を与えた。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、対ヨルダン国境で激しい爆発音が複数回聞こえ、時を一にしてタッル・シハーブ町に「兵士数百人が戦車20輌に援護されて突入し、奪還した」。
一方、SANA(9月6日付)によると、ウンム・ワラド村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と応戦、戦闘員複数名を殺傷、逮捕した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市で軍・治安部隊の砲撃により離反兵1人を含む3人が死亡した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で反体制武装勢力の戦闘員1人を含む3人が死亡した。
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AFP(9月6日付)は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県およびゴラン高原に駐留する共和国護衛隊の(精鋭)部隊を対トルコ国境地域に展開した、と報じた。
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アレッポ市での戦闘に関して、AFP(9月6日付)は、サイフ・ダウラ地区を攻略した共和国護衛隊少将が、iPadを携帯し、グーグル・アースで同地区の家々を表示、また反体制勢力の通信を傍受するための機器を使用し、前線の士官に指示を出していた、と報じた。
この少将は、士官に対して、「四つ先のブロックまで前進しろ。ただし、右側には発砲するな。彼らを包囲するためこちらの地区から別の部隊を送ったから」と指示をだしていた、という。
同報道によると、アレッポ市での反体制武装勢力の掃討は、砲撃を継続した後に部隊が突入したのとは異なり、戦車やヘリコプターによる砲撃と並行して地上部隊が進軍しており、「真の地上戦」を行っている、という。
なおアレッポ市に8月以降展開している共和国護衛隊の部隊はもっとも装備に優れ、戦闘能力の高い部隊だという。
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反体制武装勢力のアレッポ市の街区の進入と制圧の経緯に関して、AFP(9月6日付)は異なる二つの見解を紹介した。
第1の見解は、イドリブ県での戦闘を逃れて、戦闘員がまず進入し、その後に装備を搬入、さらに妻子も呼び寄せたというもの。第2の見解は、ムハンマド・ムフリフ少将(ムハーバラートの高官)が反体制武装勢力に都市進入の「カギ」を与え、同少将はその後、トルコに脱走しようとしたが、殺害されたというもの。
地元調整諸委員会は、トルコ西部イズミル県沖のエーゲ海での小型漁船沈没で死亡したアラブ人のなかに、地中海から300キロ以上離れた内陸のハサカ県から国外に避難しようとていたシリア人約60人が乗っていたと発表した(未確認情報)。
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ダマスカス刑事保安局(通称バーブ・ムサッラー地区支部)のアワド・アフマド・アリー准将がアラビーヤ(9月6日付)に出演し、離反を宣言した。
レバノンのマロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教はAFP(9月6日付)に対して、「我々(キリスト教徒)がシリアの体制を支持ししていると言う西欧人に言いたいのは、我々が体制ではなく国家を支持しているということだ…。イラクでサッダーム・フセインが排除され、100万のキリスト教徒が失われた…。なぜか?体制が倒れたからではなく、政府がなくなり、真空が生じたからだ…。シリアでも同じだ。キリスト教徒は体制崩壊後に生じる事態を恐れている」と述べた。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はRT(9月6日付)に対して、「なぜロシアだけが(シリアへの)姿勢を再検討しなければならないのか?我々のパートナー(西側)も彼らの姿勢を再検討しなければならない」と述べ、アサド大統領を初め「国内の政治プロセスに参加する全員の身の安全を保障」すべきだと述べた。
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「アフバール・シャルク」(9月6日付)は、フランス外交筋の話として、フランスが他の西欧諸国とともに、反体制武装勢力が「解放」(占拠)した地域の自治を支援するため、対空砲などの供与を検討するだろうと述べた、報じた。
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シリア人権委員会は、イラクに避難し、拘束された離反兵をはじめとするシリア人複数名をイラク政府がシリアに追放しようと検討していると発表した。
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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ナースィル・カドワ・シリア危機担当国連・アラブ連盟副代表、オマーンのユースフ・ベン・アラウィー外務大臣とアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の任務とシリア情勢について協議した。
会談で、アラビー事務総長は、ブラーヒーミー共同特別代表の任務に関して、任務遂行のため充分な時間を与えるべき、との立場を示した。
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ヨルダンのファーイズ・タラーウィナ首相は、シリアからの避難民の急増に関して、「我々の能力と予想を超えている」と述べた。
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クラスター爆弾連合は2011年3月以降の反体制運動弾圧の画像・写真などの資料をもとに、シリア政府がクラスター爆弾を使用していると発表した。
AFP, September 6, 2012、Akhbar al-Sharq, September 6, 2012, September 7, 2012、Alarabia.net, September 6, 2012、al-Hayat, September 7, 2012, September 8, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 6, 2012、al-Kurdiya
News, September 6, 2012、Naharnet.com, September 6, 2012、Reuters, September
6, 2012、SANA, September 6, 2012などをもとに作成。
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