人民議会の任期満了に伴い、シリア国内で第2期人民議会選挙(定数250人)の投票が実施された。
『ハヤート』(4月14日付)などによると、投票はシリア政府支配地域に限定され、「反体制派」支配地域では選挙は行われなかった。
投票所は、シリア政府支配地域内に約7,200カ所設けられ、その前では、シリア政府支持者が進歩国民戦線の「挙国一致リスト」の立候補者の氏名が列記された投票用紙を配布し、与党への投票を呼びかけた。
立候補届出を行った1万1,341人のうち、高等司法選挙委員会の審査を通過し、投票日前日まで選挙戦を戦った立候補者約3,500人に対する投票が行われた。
しかし、『ハヤート』などによると、投票所に足を運ぶ有権者の数は少なかったという。
また、クッルナー・シュラカー(4月15日付)は、ダルアー県ではシリア政府の支配下にあるサナマイン市、イズラア市、ダルアー市中心部において投票が実施されたもの、投票率は20%にも満たなかったと伝えた。
AFP(4月13日付)によると、シリア政府は、全人口の約60%が居住していた国土の約3分の1の地域を支配下に置いている。
一方、SANA(4月13日付)は、各県の投票所での投票の様子について報じる一方、投票の様子を撮影した写真を公開した。
そのなかには、ラタキア県に設置されたアレッポ県、イドリブ県からの避難民が投票する写真数点が含まれていたが、ダイル・ザウル県、ラッカ県の写真は公開されなかった。
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アサド大統領とアスマー・アフラス夫人は、ダマスカス県ウマウィーイーン広場のアサド図書館に設置された投票所を訪れ、第2期人民議会選挙の投票を行った。
アサド大統領は投票後、記者団に対して、「シリア国民は5年におよぶ戦争を戦っている。この戦争の最中、テロによって無実の人々が血を流し、国民アイデンティティを支える社会構造が破壊された…。テロリストを操る主人どもは、政治的な主題を掲げてこうした動きと並行して行動し、憲法に体現されている社会的構造や国民アイデンティティに打撃を与えようとしてきた」と述べた。
アサド大統領はまた、「シリア国民はこの5年間、強い意志を持ってきた。我々は、大統領選挙であれ、議会選挙であり、憲政に従った信任投票に参加しようとする国民の熱意を目にしてきた…。我々は今日も、過去数十年に実施された議会選挙のなかで空前の立候補者数などに示されている通り、すべての社会層から広範な参加がなされていることを目にしている」と付言した。
AFP, April 13, 2016、AP, April 13, 2016、ARA News, April 13, 2016、Champress, April 13, 2016、al-Hayat, April 14, 2016、Iraqi News, April 13, 2016、Kull-na Shuraka’, April 13, 2016、April 15, 2016、al-Mada Press, April 13, 2016、Naharnet, April 13, 2016、NNA, April 13, 2016、Reuters, April 13, 2016、SANA, April 13, 2016、UPI, April 13, 2016などをもとに作成。
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