スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、スイスの首都ジュネーブでシリア政府との会談に次いで、リヤド最高交渉委員会の代表団と会談した。
クッルナー・シュラカー(4月15日付)によると、リヤド最高交渉委員会のアスアド・ズウビー代表団長は会談で、移行期統治機関の設置を通じた政治移行について意見を交わし、移行期プロセスの初期段階からアサド大統領をはじめとする政権幹部を排除するよう改めて強調したという。
また、『ハヤート』(4月17日付)によると、リヤド最高交渉委員会の代表団は、デミストゥラ国連特別代表に対して2ページからなる質問状を新たに提出した。
『ハヤート』(4月17日付)が入手した質問状のコピーによると、このなかでリヤド最高交渉委員会は、国連安保理決議第2254号の履行、とりわけ人道面と政治面での履行に関する質問が列記されており、交渉開始から6ヶ月以内の移行期統治機関の設置の必要を改めて強調しているという。
これに対して、デミストゥラ国連特別代表は、『ハヤート』(4月17日付)によると、アサド大統領による軍事、治安、財務の3部門の副大統領の任命と、「国家支持者(現政権)、それ以外(反体制派)、無所属」からなる政府の樹立を骨子とする新提案を提示し、リヤド最高交渉委員会の「怒り」を買ったという。
このうち「3人の副大統領任命」は、シリア政府代表団が前日のデミストゥラ国連特別代表との会談で、「国家支持者、それ以外の者、無所属」という三者からなる政府の樹立を行う旨通達したことを受けたものと見られる。
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なおリヤド最高交渉委員会に所属するイスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ交渉責任者は早朝に自身のツイッター・アカウントで、「我々がバッシャールや政権の幹部とともに(移行期統治機関に)参加することはあり得ない」と綴っていた。
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一方、「モスクワ・リスト」と呼ばれる反体制派代表団と「カイロ文書グループ」の代表団は13日に、デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と会談したと発表した。
会談では、政治移行プロセスについて協議がなされ、デミストゥラ国連共同特別代表は、移行期統治機関の設置方法、形態、権能などに関する両代表団の意見を聴取したという。
AFP, April 15, 2016、AP, April 15, 2016、ARA News, April 15, 2016、Champress, April 15, 2016、al-Hayat, April 16, 2016、April 17, 2016、Iraqi News, April 15, 2016、Kull-na Shuraka’, April 15, 2016、al-Mada Press, April 15, 2016、Naharnet, April 15, 2016、NNA, April 15, 2016、Reuters, April 15, 2016、SANA, April 15, 2016、UPI, April 15, 2016などをもとに作成。
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