ダマスカス県で自由シリア軍の「使徒末裔旅団」が軍参謀本部施設を標的に作戦を実施、GCC定例外相会合では「シリアの治安、安定、統合を維持したかたちでの平和的移行実現の重要性」が強調される(2012年9月2日)

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国内の暴力

ダマスカス県では、自由シリア軍の「使徒末裔旅団」なる組織が、軍参謀本部施設を標的に作戦を実行したと発表した。

SANA, September 2, 2012

軍参謀本部は8月15日にも爆破事件が発生したダーマーローズ・ホテルの近くに位置している。

一方、SANA(9月2日付)は、アブー・ルンマーナ地区のマフディー通りにある「護衛大隊」の近くで仕掛け爆弾2発が爆発し、この「テロ行為」で4人が負傷したと報じた。

『ハヤート』(9月3日付)などによると、標的となった「護衛大隊」は、ウマウィーイーン広場近くの参謀本部に配置されていたという。

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同じくダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バサーティーン・マッザ区に軍の戦車が展開し、逮捕・摘発活動を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市内の軍事情報局施設と軍警察施設近くで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

また同市内東部でも戦闘があり、少なくとも1人が死亡、ブーカマール市でも2人死亡した。

一方、『ティシュリーン』(9月3日付)によると、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員数十人を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市イザーア地区、サーフール地区、シャッアール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ブライジュ村、ウンム・ハルザ村が軍・治安部隊の砲撃を受け、多数が負傷、家々が破壊された。

地元調整諸委員会によると、この攻撃で少なくとも市民4人が負傷した。

一方、『ティシュリーン』(9月3日付)によると、アレッポ市マルジャ地区、ダウワール・アグユール地区、マイダーン地区、ナーディー・ハラブ地区、ダウワール・バーブ・ハーウーズ地区、旧市街、バルクーム地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・ナッジャール市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ヤルダー市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍兵士多数が死傷した。

また同監視団によるとカフルバトナー町で処刑された3人の遺体が発見された。

さらに、スバイナ町で爆発が発生し、子供1人を含む市民5人が死亡した、という。

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ヒムス県では、地元調整諸委員会によると、クサイル市が軍・治安部隊の激しい砲撃を受け、パンの直売所が1カ所が破壊され、もう1カ所が軍に制圧された。

またシリア人権監視団によると、ヒムス県各地での攻撃で、少なくとも1人が死亡した。

一方、SANA(9月2日付)によると、タッルカラフ地方で軍・治安部隊がレバノンからの潜入を試みた反体制武装勢力を撃退した。

またヒムス市バーブ・フード地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員数十人を殺傷、甚大な損害を与えた。

さらに『ティシュリーン』(9月3日付)によると、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺害した。

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アクス・サイル(9月3日付)は、自由シリア軍がヒムス県クサイル市の公立病院を制圧するための大規模作戦を実行したと報じた(未確認情報)。

同報道によると、作戦はこれまでのなかで「最大規模」で、攻略にあたって、自由シリア軍は全長200メートルのトンネルを堀り、病院施設内の軍・治安部隊の検問所を爆破、「軍・治安部隊、シャッビーハ100人以上を殺害し、成功させた」という。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール町周辺で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

一方、『ティシュリーン』(9月3日付)によると、ザーウィヤ山で軍・治安部隊が反体制武装勢力を逮捕した。

またサルキーン市郊外で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

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ハマー県では、SANA(9月2日付)によると、アルファーン地方北部で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員全員を殺害し、武器を押収した。

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ダルアー県では、『ティシュリーン』(9月3日付)によると、カルファー村、フラーク市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を死傷、逮捕した。

シリア政府の動き

『クッルナー・シュラカー』(9月2日付)は、ラーミー・マフルーフ氏の一家に近い消息筋の話として、同氏の息子が、同い年の米国籍の青年のパスポートで米国に避難している、と報じた。

この青年とは、マフルーフ家の子息の教育係であるカロリン・シャーウィー女史の息子でマフルーフ氏の息子と同い年だという。

事実確認はとれていない。

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ジハード・マクディスィー外務在外居住者省報道官はNBN(9月2日付)に対して、非同盟諸国首脳会議でのエジプトのムハンマド・ムルスィー大統領の「革命支持」発言を「かなり失望した。ムルスィー大統領は同胞団というバックグランドがあるにせよ、極めて重要なアラブの国の元首だ。時間の経過とともに大統領の器量と現実的態度が増すとよいのだが」と述べた。

またアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表に関しては、「シリアを近く訪れるだろう。彼は歓迎されている…。我々は彼に耳を傾けるし、彼も我々に耳を傾けるだろう」と述べた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のムンズィル・マーフース渉外局長は、民主的変革諸勢力国民調整委員会に関して、「(シリア国民評議会には)合流しない。なぜなら彼らは政府と対話できると幻想しているから」と批判した。

Naharnet.com, September 2, 2012

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シャーム・ウラマー連盟は声明を出し、アサド政権の正統性を否定、政権との戦いを「ジハード」とみなすとの見解を示した。

声明によると、連盟には、アドナーン・サカー、ジャマールッディーン・サイラワーン、サーリヤ・リファーイー、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ、ムハンマド・ラーティブ・ナーブルスィー、アブドゥルカリーム・バッカール、マムドゥーフ・ジュナイドなど70人のシャイフ、ウラマーが参加している、という。

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Syria News(9月3日付)は、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン前事務局長が、「暫定政府が結束し、国民が供給するレベルまで向上できるよう、評議会において真剣な努力が行われている」と述べたと報じた。

またガルユーン前事務局長は、暫定政府樹立のための交渉を他の反体制組織・活動家と行っていることを認めるとともに、マーリフ弁護士(シリア革命評議会暫定政府首相)に関して「暫定政府に参加するだろうが、同政権における役割を話すのは時期尚早だ」述べた、という。

さらに今月にモロッコで予定されているシリアの友連絡グループ会合では、シリア国民評議会のメンバーを400人に拡大することの是非が審議されることを明らかにした。

諸外国の動き

GCCは定例外相会合を開き、閉幕声明で、「シリアの治安、安定、統合を維持したかたちでの平和的移行実現の重要性」を強調するとともに、「重火器を使用した政権による殺戮・虐殺継続」を非難した。

またレバノン情勢の不安定化に関しても言及、「すべての当事者に国益を優先させ、レバノンの治安、安定を乱し、シリアの危機と一体化させるような試み」を回避するよう呼びかけた。

一方、テヘランでの非同盟中立諸国首脳会談でのペルシャ語の翻訳で、エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領の演説のシリアに関する批判をバーレーンに関する批判として「誤訳」されたことを強く批判した。

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CIAのデヴィッド・ペトレイアス長官がトルコのイスタンブールに到着した。『ハヤート』(9月4日付)などによると、トルコの治安当局高官とシリア危機、対テロ対策などについて協議するという。

AFP, September 2, 2012、Akhbar al-Sharq, September 2, 2012、ʻAks al-Sayr, September 3, 2012、al-Hayat, September 3, 2012, September 4, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 2, 2012,
September 3, 2012、al-Kurdīya News, September 2, 2012、Naharnet.com, September
2, 2012、NBN, September 2, 2012、Reuters, September 2, 2012、SANA, September
2, 2012、Syria News, September 3, 2012、Tishrīn, September 3, 2012などをもとに作成。

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