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2014年2月13日のシリア情勢:国内の暴力

ヒムス県では、ラタール・バラーズィー県知事が国連との間で合意しているヒムス市旧市街からの市民退避と人道支援搬入のための停戦を再び72時間延長すると発表した。

『ハヤート』(2月14日付)によると、停戦発効後、旧市街から避難した市民の数は1,400人に上っており、うち約200人(男性)が治安当局に一時身柄拘束され、聴取を受けているという。

これに関連して、SANA(2月13日付)は、ヒムス市旧市街から退避した15歳から55歳までの男性70人に対する聴取が終わり、身柄を解放されたと報じた。

バラーズィー県知事によると、身柄を解放された男性の一部に対しては恩赦がなされたという。

また国連のマーティン・ニルスキー報道官は、ヒムス市旧市街から退避後に治安当局に一時身柄拘束されていた15歳から50歳の男性約430人のうち181人が釈放されたと発表した。

AFP(2月13日付)が伝えた。

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同じく、ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カルアト・ヒスン市、ザーラ村を軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(2月13日付)によると、ラスタン市、アイン・フサイン村、イッズッディーン町、ザーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャリーア委員会拠点などを破壊、外国人戦闘員らを殺傷した。

またレバノン領内からタッルカラフ市郊外に潜入を試みる武装集団を軍が撃退した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のマイサル地区、ハイダリーヤ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ハムラー地区、ブスターン・カスル地区、ハラク地区、シャイフ・ナッジャール市を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃し、女性子供を含む50人以上が死亡した。

また、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がマアーッラト・アルティーク村を砲撃し、市民1人が死亡したほか、フライターン市郊外の反体制武装集団の検問所に対してダーイシュ戦闘員が爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行った。

さらに、クルド戦線旅団をはじめとする複数の武装集団は、アアザーズ市をはじめとする県北部解放に向けた「尊厳の戦い」を開始し、ダーイシュとの戦闘を本格化させた。

一方、SANA(2月13日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、アナダーン市、アッザーン村、マアスラーニーヤ村、タッル・シュアイル村、ムスリミーヤ村、ダーラト・イッザ市、クワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ハッダーディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、ハイダリーヤ地区、マイサル地区、マルジャ地区、ウワイジャ地区、バニー・ザイド地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ヤブルード市、リーマー農場を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃した。

一方、SANA(2月13日付)によると、ヤブルード市周辺、ジャイルード市郊外、ルハイバ市周辺、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ムライハ市、ザバディーン市、サフル村、リーマー農場、マラーハ市、ザバダーニー市郊外山岳地帯、ダイル・アサーフィール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジュダイダ・アルトゥース市、ハラスター市で、反体制武装集団が市民を襲撃し、1人が死亡、女性・子供らが負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(2月13日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月13日付)によると、タッフ村、アルナバ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、Syria-News(2月13日付)によると、シャイフ・ハディード町に軍が突入し、離反兵や反体制運動支持者の自宅70棟以上を戦車、装甲車などで破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月13日付)によると、アブー・ズフール町、ブシャマーリーン村、マジュダリヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月13日付)によると、シャンマース村一帯、ファルナルク村の森林地帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月13日付)によると、ダルアー市各所、クサイバ村、アイン・アブド村、スワイサ村、ハーミル村、ハッジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダルアー市の変電施設、ヤルムーク製粉工場を反体制武装集団が襲撃した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(2月13日付)によると、ハサカ市中心部、ダウワール・バースィル、旧野菜市場一帯、ヌシューワ地区、タッル・ハジャル地区で軍と反体制武装集団が激しく交戦し、反体制武装集団戦闘員3人が死亡、また市民約30人が戦闘に巻き込まれて負傷した。

また戦闘を受け、民主統一党人民防衛隊がカーミシュリー市、アームーダー市、ラアス・アイン市、ダイリーク市からハサカ市への旅行者の移動を禁止した。

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タルトゥース県では、アクサム・ナイーサ氏がフェイスブックで明らかにしたところによると、反体制組織「新シリア党」に参加しているアラウィー派の青年がタルトゥース市フッラ地区で軍事情報局に逮捕された。

「新シリア党」はアサド政権の打倒をめざしていたという。

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ダイル・ザウル県では、シリア革命反体制勢力国民連立が、ダイル・ザウル市郊外の製塩工場をイスラーム戦線が制圧したと発表した。

AFP, February 13, 2014、AP, February 13, 2014、Champress, February 13, 2014、al-Hayat, February 14, 2014、Iraqinews.com, February 13, 2014、Kull-na Shuraka’, February 13, 2014、Naharnet, February 13, 2014、NNA, February 13, 2014、Reuters, February 13, 2014、Rihab News, February 13, 2014、SANA, February 13, 2014、Syria-news.com, February 13, 2014、UPI, February 13, 2014などをもとに作成。

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