国連安保理では、英仏の要請を受けるかたちでシリア情勢、とりわけアレッポ市での戦闘への対応を協議するための会合が開かれた。
会合で、英国は、シリア軍によるアレッポ市への攻撃を非難する報道声明案を示し、米英仏の国連大使は、シリア政府がアレッポ市での戦闘、民間人への攻撃、人道支援物資搬入を阻止していると批判した。
しかし、ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、安保理での審議を提案した英仏の姿勢を「プロパガンダを通じたクーデタ」と非難、安保理での審議を要請する前に、米国とロシアが共同議長を務めるISSG(国際シリア支援グループ)に問題を提起すべきだったと指摘し、報道声明案を廃案に追い込んだ。
また、「シリア軍はアレッポ市で、ジハード主義集団の大規模な攻撃に対峙している…。我々は、「穏健な反体制派」を自認する武装集団がシャームの民のヌスラ戦線との関係を絶ち、その支配地域から撤退するとの確約を得ていた。しかし今のところ、そうしたことは実際には起こっておらず、これらの勢力に影響力を持っている国々の政治的意思への疑問が残る」と述べた。
また議長国であるエジプトのアムル・アブー・アター国連大使は、ロシアの主張に同調し、「アレッポ市でヌスラ戦線を、テロのブラックリストに記載されていないその他の武装集団を取り込むことは受け入れられるものではない…。テロ組織の停戦対象からの除外が理解しがたい政治的理由で受け入れられているが、ヌスラ戦線は停戦に乗じるかたちでアレッポ市などでの支配地域を拡大している…。ヌスラ戦線とその同盟者は、ダーイシュと同じく危険な存在であり、シリア国民は彼らを受け入れておらず、この地域の諸国民も受け入れていない」と主張した。
『ハヤート』(5月6日付)などが伝えた。
AFP, May 5, 2016、AP, May 5, 2016、ARA News, May 5, 2016、Champress, May 5, 2016、al-Hayat, May 6, 2016、Iraqi News, May 5, 2016、Kull-na Shuraka’, May 5, 2016、al-Mada Press, May 5, 2016、Naharnet, May 5, 2016、NNA, May 5, 2016、Reuters, May 5, 2016、SANA, May 5, 2016、UPI, May 5, 2016などをもとに作成。
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