ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月19日付)、シリア人権監視団によると、シリア軍が東グータ地方のダイル・アサーフィール市、ザブディーン村、フーシュ・ドゥワイル村、バイヤード村、ラカービーヤ村、ヌーラ村、フーシュ・ブズィーナ村、フーシュ・ヒムスィー村、ハラスター・カンタラ村、バーラー村に空爆、砲撃を加え、ジハード主義武装集団と交戦し、同地を制圧、同地方南部一帯がシリア政府の支配下に入った。
同地への攻勢は、イスラーム軍と、シャームの民のヌスラ戦線に近いラフマーン軍団、ウスターと軍との対立に乗じるかたちで行われた。
同地域は2012年以降、イスラーム軍、ラフマーン軍、シャームの民のヌスラ戦線などの反体制武装集団の支配下にあった。
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ラタキア県では、クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、ナスル軍、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団は、イドリブ県との県境に位置する戦略的要衝のハッダーダ丘を米国製のTOW対戦車ミサイルなどで攻撃し、シリ軍兵士13人を殺害、同地を奪還した。
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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、シリア軍戦闘機およびヘリコプターがラスタン市およびハウラ地方を空爆し、17人が死亡した。
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アレッポ県では、ARA News(5月19日付)によると、シリア軍がアレッポ市ブスターン・バーシャー地区に突入を試み、反体制武装集団と交戦した。
また、ARA News(5月19日付)によると、ファトフ軍に所属しない複数の武装集団が、「ウスラ軍」として統合した。
「ウスラ軍」を結成したのはファトフ軍の幹部の一人アブドゥッラッザーク・マフディー氏で、ファトフ軍と連携することが目的だという。
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ダルアー県では、シリア人権監視団などによると、ダマスカス郊外県とクナイトラ県の県境に位置するいわゆる「死の三角地帯」でシリア軍とジハード主義武装集団が激しく交戦し、シリア軍がカフル・ナースィジュ村、アクラバー村、ハーッラ市一帯を空爆した。
一方、SANA(5月19日付)によると、シリア軍がタッル・カリーン村一帯でシャームの民のヌスラ戦線、南部戦線に属すフルカーン旅団などからなる反体制武装集団と交戦した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月18日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、いずれもイスラーム軍による砲撃だったという。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は550件。
AFP, May 19, 2016、AP, May 19, 2016、ARA News, May 19, 2016、Champress, May 19, 2016、al-Hayat, May 20, 2016、Iraqi News, May 19, 2016、Kull-na Shuraka’, May 19, 2016、al-Mada Press, May 19, 2016、Naharnet, May 19, 2016、NNA, May 19, 2016、Reuters, May 19, 2016、SANA, May 19, 2016、UPI, May 19, 2016などをもとに作成。
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