YPG主体のシリア民主軍は米国からの武器供与を受け「ラッカ北部解放」作戦を開始(2016年5月24日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の司令官らが、ラッカ県タッル・アブヤド市南部のシャルガラート村で記者会見を開き、「ラッカ北部解放」作戦を開始すると発表した。

ARA News(5月24日付)が伝えた。

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ロジャヴァ・ニュース(5月24日付)は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が主導し、米軍が後援するシリア民主軍の司令官の話として、シリア民主軍が米軍からの武器供与を受け、24日付でダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市(ラッカ北部ではない)制圧に向けた作戦を開始したと伝えた。

作戦開始を受け、人民防衛隊、女性防衛部隊などからなるシリア民主軍はラッカ県北部のアイン・イーサー市南部のファーティサ村、小ハッシュ村、大ハッシュ村方面に向けて進軍を始めたという。

また人民防衛隊の戦闘員の一人サルハド・アッバース氏は、ARA News(5月24日付)に対し、人民防衛隊が、戦車・装甲車数十輌、重火器を投入していることを明らかにした。

一方、ARA News(5月24日付)は、シリア民主軍の司令官の一人アブドゥルカリーム・ウバイド氏が「シリア民主軍は、米軍中央司令部(CENTCOM)司令官に就任したジョセフ・ヴォーテル大将の訪問後、米国から新たに武器を受け取った」と述べたと伝えた。

米国防総省のスティーブ・ウォーレン報道官は、シリア民主軍が(ラッカ県)北部農村地帯を浄化するための作戦を開始し、これはラッカ市に圧力をかけることにつながる」と述べ、米国主導の有志連合がシリア民主軍の作戦を空爆によって航空支援していることを明らかにした。

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ARA News(5月24日付)によると、ラッカ市解放作戦開始宣言を受け、シリア民主軍はタッル・アブヤド市に「総合関係調整局」を開設した。

民主統一党を支える社会団体の民主連合運動(TEV-DEM)の総合関係局メンバーのウマル・アッルーシュ氏によると、総合関係調整局はラッカ県のアラブ人部族との連絡を目的としており、ラッカ県で有力な7つのアラブ人部族のうち5つのアラブ人部族の長らが、西クルディスタン(ロジャヴァ)における連邦制樹立に支持を表明しているという。

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ラッカ県では、ARA News(5月24日付)によると、有志連合がラッカ市北部郊外一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を実施した。

またアイン・イーサー市郊外のジブリヤート・ハリール村、ムタマスリジュ村一帯で、有志連合の空爆と合わせて、シリア民主軍とダーイシュが交戦した。

なお、シリア人権監視団によると、北ラッカ解放作戦には、シリア民主軍1万~1万5,000人が参加していると推計しているが、『ハヤート』(5月27日付)によると、実際には数千人しか参加していないと見込まれるという。

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アレッポ県では、ARA News(5月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市西部郊外の村々を砲撃し、4人が負傷した。

AFP, May 24, 2016、AP, May 24, 2016、ARA News, May 24, 2016、Champress, May 24, 2016、al-Hayat, May 25, 2016、May 26, 2016、May 27, 2016、Iraqi News, May 24, 2016、Kull-na Shuraka’, May 24, 2016、al-Mada Press, May 24, 2016、Naharnet, May 24, 2016、NNA, May 24, 2016、Reuters, May 24, 2016、Rojava News, May 24, 2016、SANA, May 24, 2016、UPI, May 24, 2016などをもとに作成。

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