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アレッポ県では、SANA(8月10日付)によると、軍・治安部隊がアレッポ市ダウワール・アクユール、ダウワール・カーディー・アスカルを制圧し、イザーア地区、サイフ・ダウラ地区で反体制武装勢力の「残党」を追跡し、多数を殺傷した。
またシュハダー地区のムハンマド・カッサール学校に集結していた反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。
さらにアレッポ国際空港を襲撃しようとした反体制武装勢力も撃退したほか、ジュダイダ地区、ジュッブ・クッバ地区など各地で交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。
殺害した戦闘員のなかにはリビア人などといったアラブ人や外国人が多数含まれていたという。
『ハヤート』(8月11日付)など各紙は、軍のミグ21戦闘機がアレッポ市ハナーヌー地区にある自由シリア軍の拠点の一つと住居ビル1棟を早朝に空爆、多数が負傷したと報じた。
AFP(8月10日付)は、バーブ街道地区のパン製造所が、数百人がパンを買うために列を作るなかで、軍戦闘機の砲撃を受け、子供3人を含む10人が死亡した、と報じた。
同地区は反体制武装勢力が占拠している地区だという。
反体制武装勢力はアレッポ刑務所を襲撃し、守衛多数を殺傷したと発表したが、SANA(8月10日付)は速報で否定した。
自由シリア軍シャフバーの楯大隊のフサーム・アブー・ムハンマド大尉は、AFP(8月10日付)に対して、軍・治安部隊が奪還したアレッポ市サラーフッディーン地区の「半分の地域で我々と政府軍の一進一退の戦闘が続き…、自由シリア軍は同地区周辺の新しい拠点を軸に展開、増強している」と述べた。
シリア人権監視団によると、アレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区で反体制デモが発生し、治安当局が発砲、青年1人が死亡した。
また同市サビール地区、フルカーン地区、アフリーン市、アターリブ市、イッビーン村、バータブー村でも反体制デモが発生した、という。
フサインを名のる活動家はAFP(8月10日付)に対して、アレッポ市スッカリー地区で反体制デモが発生したが、「暴力ゆえに規模は小さかった」と述べた。
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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、SANA(8月10日付)によると、タッル・マニーン町で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追跡し、数十人の戦闘員を殺傷、多数を逮捕した。
シリア人権監視団によると、バルザ区、ドゥーマー市、ハラスター市などで反体制デモが発生した、という。
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ヒムス県では、SANA(8月10日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃、殺害した。
またタッルカラフ地方では、レバノンからの潜入を試みた反体制武装勢力を国境警備隊が撃退した。
一方ダミーヤ村では反体制武装勢力の砲撃で村人10人が死亡した。
このほか、スルターニーヤ地方、ラスタン地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。
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ダルアー県では、SANA(8月10日付)によると、サイダー町、ブスラー・シャーム市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。
一方、シリア人権監視団によると、ダルアー市、ヒルバト・ガザーラ町などで反体制デモが発生したが、軍・治安部隊がデモを阻止するために展開し、参加者を逮捕した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハッターブ村、ハマーディー・ウマル村、カフルズィーター市などで反体制デモが発生した。
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イドリブ県では、SANA(8月10日付)によると、アリーハー市とサラーキブ市を結ぶ街道で反体制武装勢力が民間人の車2台を襲撃し、子供1人を含む2人殺害した。
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ダイル・ザウル県では、SANA(8月10日付)によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追跡し、甚大な被害を与えた。
またフシャーム町でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。
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フェイスブックでは、反体制活動家が「対空兵器で我々を武装させよ」金曜日と銘打って反体制デモが呼びかけられていた。
シリアのバッシャール・ジャアファリー国連大使は、安保理事務総長に書簡を提出、そのなかでトルコが軍事作戦事務所を設置し、そこでイスラエル、米国、サウジ、カタールの諜報機関がアレッポなどでのシリア国民に対するテロ活動を指示している、と非難した。
またトルコ領内に設置された避難民キャンプのほとんどがいまや軍事拠点と化し、シリアに送り込まれるテロリストが集まっている、と非難した。
ダルアー県ジャースィム市のハルキー家は声明を出し、ワーイル・ナーディル・ハルキー首相との絶縁を宣言した。
『ジュムフーリーヤ』(8月10日付)は、レバノン国内で爆破テロを計画した疑いで身柄拘束中のミシェル・サマーハ元情報大臣が、「バッシャール(アサド大統領)がそう望んだから」と証言したと報じた。
複数の消息筋によると、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長がサマーハ元情報大臣に指示した、という。
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レバノンの各メディアによると、北部県アッカール郡アクルーム村(スンナ派)とバイト・ジャアファル村(シーア派)の住民が衝突し、レバノン軍兵士1人が負傷した。
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アレッポ県で拉致されたレバノン人巡礼者の家族はベイルート県にあるカタール大使館近くでデモを行い、カタール政府に人質解放のため協力するよう訴えた。
UNHCRは、アレッポ市などからのシリア人避難民の数が急増し、避難民の総計が150万人近くに達していると発表した。
UNHCRによると、トルコ領内の避難民の数は50,227人に及び、今週だけで約6,000人が新たに避難してきたという。
またヨルダンで登録した避難民の数は45,869人、レバノンが36,841人、イラクが13,587人に達し、また7月18日以降、イラク人避難民23,228人がシリアからイラクに避難した、という。
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米財務省は声明を出し、ヒズブッラーがアサド政権による弾圧において「中心的な役割」を担っていると非難した。
同声明は、ヒズブッラーが「日に日に残忍さを増すシリア政府の反体制勢力弾圧を支援するため教練、アドバイス、兵站支援を行っている」と指摘している。
またヒズブッラーが、イランの革命防衛隊がシリア軍を教練を「促す」一方、レバノンからのシリア人反体制活動家の追放において「政治的役割」を果たしていると述べた。
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ダニエル・ベンジャミン米国務省テロ対策調整官は、「ヒズブッラーが欧州などで予告なくいつでも攻撃してくるかもしれないと思う」と警鐘を鳴らした。
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米国務省のパトリック・ベントレル報道官は声明を出し、シリア国営のシトロール社(石油販売会社)に対して、イランとの取引があり、シリア国民弾圧への資金源となるとの理由で制裁を発動すると発表した。
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イギリスのウィリアム・ヘイグ外務大臣は、500万ポンド相当の追加支援をシリアの反体制勢力に行うと発表し、シリア国内の暴力と殺戮をさらに助長する姿勢を示した。
追加支援は、防弾チョッキ、通信機器などが主で、武器は含まれていない、という。
記者会見でヘイグ外務大臣は、「英国はさらなる努力を行い、シリア国民と反体制勢力への支援を進展させるだろう」と述べた。
AFP, August 10, 2012、Akhbar al-Sharq, August 10, 2012、AKI, August 10, 2012、al-Hayat, August 11, 2012、al-Jumhuriya, August 10, 2012、Kull-na Shurakaʼ, August 10, 2012、Naharnet.com, August
10, 2012、Reuters, August 10, 2012、SANA, August 10, 2012などをもとに作成。
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