アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とシリア軍の戦闘機が反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市各所(カーティルジー地区、マイサル地区、カーディー・アスカル地区、ハラク地区、ハイダリーヤ地区、旧市街、ズブティーヤ地区)、同市北部カースティールー街道一帯、フライターン市、アナダーン市、カフルハムラ村、マアーッラト・アルティーク村、ハイヤーン町を40回以上にわたって空爆するとともに、同地一帯に激しい砲撃を加え、20人以上が死亡した(クッルナー・シュラカー(6月5日付)によると、死者は45人)。
これに対して、反体制武装集団はアレッポ市ハムダーニーヤ地区、マイダーン地区を砲撃し、数十人が死傷した。
SANA(6月5日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、マイダーン地区(ファラフ教会)、県知事公邸一帯、国立公園、電力会社一帯、スライマーニーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、イザーア地区、バーブ・ファラジュ地区、バロン通り一帯、旧スィルヤーン地区、ファイイド地区に反体制武装集団が砲撃を行い、5人が死亡、77人が負傷したという。
一方、ARA News(6月5日付)によると、アレッポ市南部郊外のカラースィー村、ハミーラ村にシリア軍が進攻、ファトフ軍がこれを迎撃した。
これに関して、国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、フマイミーム航空基地から出撃したロシア軍戦闘機は全機が無事帰還したと発表、ファトフ軍側の主張を否定した。
また、クッルナー・シュラカー(6月5日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍が、アレッポ市南部郊外のハルサ村上空で偵察飛行中の戦闘機1機を撃墜したと発表した。
ファトフ軍を構成するスンナ軍によると、この戦闘機はロシア軍所属だったという。
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イドリブ県では、ARA News(6月5日付)によると、シリア軍戦闘機がイドリブ市の住宅地を激しく空爆し、数十人が死傷した。
また、クッルナー・シュラカー(6月5日付)によると、煉瓦工場基地に近い街道(ラーム・ハムダーン村郊外)で爆弾が爆発し、シャーム自由人イスラーム運動のメンバー3人が死亡した。
死亡した3人は爆弾・地雷製造の専門家だという。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハウラ地方各所を砲撃した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、6月5日に9件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はダマスカス郊外県、アレッポ市(マイダーン地区、ダーヒヤト・アサド地区、ハーリディーヤ地区、旧市街)でのイスラーム軍による砲撃だったという。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は640件。
AFP, June 5, 2016、AP, June 5, 2016、ARA News, June 5, 2016、Champress, June 5, 2016、al-Hayat, June 6, 2016、Iraqi News, June 5, 2016、Kull-na Shuraka’, June 5, 2016、al-Mada Press, June 5, 2016、Naharnet, June 5, 2016、NNA, June 5, 2016、Reuters, June 5, 2016、SANA, June 5, 2016、UPI, June 5, 2016などをもとに作成。
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