アサド大統領は6月6日に召集された第2期人民議会で施政方針演説を行った。
演説全文はSANA(http://www.sana.sy/?p=391706)に掲載、またその映像はYoutube(https://youtu.be/m9BgXM_6ovA)を通じて配信された。
演説におけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:
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「この選挙(第2期人民議会選挙)は中東地域および大国が現地情勢と政治に注目するなかで実施されたという点で、そして困難な国内情勢のなかで実施されたという点で、通常の選挙とは異なっていた…。しかし、シリア国民は憲法に従ったこの重要な国民投票に広く参加することで世界を再び驚かせた。その参加の規模は多くの避難民が参加したことで前例のないものとなった…。人民議会選挙は世界に対して、国民がこれまで以上に独立を維持していることを明確に示すメッセージとなった…。こうした愛国的姿勢は、国民の参加規模だけでなく、前例のない立候補者の数によっても示された」。
「この選挙はまた…、国民が深い苦しみを乗り越えて出馬した立候補者を選び、投票したという点でこれまでの選挙とは異なっている。今期の議会では、自らの身体の一部を犠牲にして祖国全体を維持しようとする負傷者が初めて当選を果たした」。
「我々が誠意をもって、自分自身ではなく他者のために考え、行動しようとする場合、汚職や不正に端を発する困難を解消し、戦争によって生じた混乱に対処できるようになるべきだ…。そうしようとする場合、あなた方議員が行政府を監視し、その執政を市民のために評価できなければならない。これこそが今期の議会に対してみなが期待していることだ」。
「西側諸国がいかなる代償を払ってでも自らの覇権を維持しようとして行っている国際紛争によって世界が経験している異常な状況のもとで、あなた方は国民としての義務を果たさねばならない…。この紛争は我々の地域、とりわけシリアの情勢に直接影響を与えており、それをより複雑なものとしている…。この紛争が、国際社会、中東地域、そしてシリア内政という三つのレベルで、ジュネーブでの政治プロセスに影響を及ぼしていることは明白だ」。
「テロを支援する諸外国にとっての政治プロセス(ジュネーブ会議)が当初から…憲法を本質とする…祖国という概念の存在を打ち崩そうものだったと今では誰もが包み隠さずに言うようになっている…。これらの国の政略とは、テロを通じた試みが失敗した今、憲法を破壊し…、完全なる混乱状態を作り出し、宗派主義的・人種主義的な憲法を作り、自らの祖国のもとに結束していた国民を、宗派に固執し、外国の力に頼ろうとする集団に分けるものだ…これは自明のものであり…、新しいことではない」。
「宗派主義体制は、一つの国民を敵どうしに変貌させる。敵対する当事者というのはどこであっても同盟者を探すものだ。そしてシリア国内に同盟者がいない状況においては…、外国が同盟者となる。ここにおいて、植民地主義諸国は、自らをこうした集団どうしを結びつける存在として売り込み、当該国の内政に正当なかたちで干渉するようになる。そしてその後の段階で、分割の計画が準備できると、分断策に転じるのだ」。
「我々はこれまでも、そしてこれからも彼らがシリアをこのようなかたちで奈落に突き落とすことを許さない…。ジュネーブ3会議の冒頭で、我々は「それ以外の当事者」との協議の基礎を確立すべきだと提案した…。しかし、我々はいかなる「それ以外の当事者」も見ていない。我々は自分たちどうし、ないしは仲介者と協議してきただけだ…」。
「それ以外の当事者」は自らの主人によってジュネーブへの派遣を強いられ…、言いたいことを言って、ホテルに戻っていっただけだ…。彼らは言及にさえ値しない。直接協議は行われず、彼らは別のホテルに腰を下ろし…、自らの主人から常に支持を受けて、発言していただけだ…。彼らが提示した唯一の予定とは、リヤドの承認を受けたものであって、それはいつ起きて、いつ寝て、いつ食べるかといったものに過ぎなかった…。彼らは自分たちの望みが頓挫するや…、テロを支持すると公言し、休戦、ないしは敵対行為停止を撤回した」。
「ザーラ村(ハマー県)での虐殺、タルトゥース市、ジャブラ市での野蛮な爆破事件など病院一連のテロが続き、彼らはシリア構内に内乱を広めようとしている。しかし彼らはそれに失敗し、また今後も失敗するだろう。なぜなら、シリアにおいて内乱の種は眠っておらず、死に絶えており、爆発事件の犠牲者の魂はシリア人どうしを分断することはないからである」。
「サウジアラビアは何度となくテロを支援していると公言してきた。トルコもシリア北部にテロリストを越境させている。米国は(トルコのレジェップ・タイイップ・)エルドアン(大統領)が行っていることから目を背けている…。エルドアンに残されているのは、政治的バルタギーヤ、正則語で言うところの「政治的悪党」としての役割だけだ…停戦であれ、敵対行為停止であれ、よく実施されている。問題はシリア国内にあるのではない。問題は、シリアの紛争の大部分が国際紛争、地域紛争だいうことにある」。
「我々の「テロとの戦い」は、我々が戦争好きだから続いているのではない。彼らが我々に戦争を仕掛けてきたから続いているのだ。我々がテロを根絶するまで流血は止まらないだろう…。我々がタドムル、そしてその前に多くの地域を解放したように、我々は彼らの手からシリア全土を解放するだろう。我々の前には勝利以外の選択肢はない。勝利しなければシリアは存続しないし、我々の子供たちに現代も未来もなくなってしまう。しかし、このことは我々が政治プロセスを信用していないということではない…。我々は政治プロセスを継続するだろう…しかし、いかなる政治プロセスも、テロが根絶しなければ、始まることも、継続することも、終わることもなく、テロが根絶しなければ、意味はなく、望ましい結果も得られない」。
「いかなる理由であれ、武器を持っているすべての者に今一度、和解プロセスに参加するよう言いたい…。テロの道を進んでも、祖国の破壊しかもたらさない」。
「軍武装部隊におけるシリアの英雄たちよ…、私たちはあなた方の英雄的行為、あなた方の家族の英雄的行為に対して頭を下げてお礼がしたい。あなた方が流す血が無に帰することはなく、勝利は間近だとあなた方全員に約束したい」。
「イラン、ロシア、中国といった国々がシリア国民を支持することがなければ、テロを打ち負かすことはできなかった…。我々はレバノンの愛国的レジスタンスによるテロとの戦いを忘れない」。
「シリアが安定を回復し、テロに対する勝利がもたらされ、領土回復、復興が実現すれば、それこそが多くの尊い地を無に帰さない代償となる。汚職、混乱、法律違反といった事象を撲滅することこそが、こうした代償の一部をなす」。
AFP, June 7, 2016、AP, June 7, 2016、ARA News, June 7, 2016、Champress, June 7, 2016、al-Hayat, June 8, 2016、Iraqi News, June 7, 2016、Kull-na Shuraka’, June 7, 2016、al-Mada Press, June 7, 2016、Naharnet, June 7, 2016、NNA, June 7, 2016、Reuters, June 7, 2016、SANA, June 7, 2016、UPI, June 7, 2016などをもとに作成。
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ロシア当事者和解調整センターの…