アレッポ県では、シリア人権監視団、ARA News(6月14日付)などによると、シリア軍および国防隊がアレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区とその近郊の農場地帯に対して攻撃を行い、拠点複数カ所を一時制圧したが、ジハード主義武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)の反撃を受け、兵士数十人が死亡した。
ジハード主義武装集団側も、司令官1人を含む戦闘員7人が死亡した。
一方、戦闘機(所属明示せず)は、アレッポ市アフマディーヤ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、カラーム・トゥッラーブ地区、アナダーン市を空爆した。
またアレッポ市南部郊外一帯では、シリア軍ヘリコプターがハーン・トゥーマーン村およびその一帯などを空爆、また同地ではシリア軍、外国人民兵がファトフ軍と交戦した。
他方、反体制武装集団が西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県シャイフ・マクスード地区を砲撃した。
このほか、クッルナー・シュラカー(6月14日付)によると、タッル・リフアト市一帯で活動するすべての反体制武装集団がタッル・アブヤド政軍委員会の名で統合した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イスラーム軍、ラフマーン軍団などからなるジハード主義武装集団が東グータ地方各所でシリア軍を攻撃した。
これに対して、シリア軍は、ダーライヤー市、バイト・ジン村、マガル・ミール村、ザバダーニー市、ハズラマー村、ナシャービーヤ町、フーシュ・ナスリー村、バハーリーヤ村、カースィミーヤ町、マイダアー町、ドゥーマー市などを砲撃・空爆した。
一方、ダーヒヤト・クドスィーヤー市では、シリア軍とジハード主義武装集団の「捕虜交換」が行われ、同市出身のシリア軍兵士2人が釈放、この見返りとしてシリアの当局は、車5台分の野菜、車5台分の食糧物資、プロパンガス缶3,500本、パン3万5,000袋、食糧品2,000パックを配給した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、クルド山のカッバーナ村回廊一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルヌブータ町、ジャナービラ村がシリア軍の砲撃を受けた。
またヒルブナフサ村、カンタラ村でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サイダー町とキヒール村を結ぶ街道で爆発が起こった。
爆発は、シャームの民のヌスラ戦線のハウラーン地方の「総司令官」を狙ったものだったが、「総司令官」は無事だった。
また、アイン・ズィクル村とカウカブ・ダムを結ぶ回廊地帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を使うハーリド・ブン・ワリード軍と交戦した。
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クナイトラ県では、SANA(6月13日付)によると、シリア軍がハドル村南部のハミーリーヤ丘でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で、シリア軍とジハード主義武装集団が捕虜交換を行い、シリア軍が同区出身の女性逮捕者5人を釈放、ジハード主義武装集団側もシリア軍兵士複数人を解放した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、タッルミンス村一帯で、ファトフ軍を主導するシャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動が交戦し、男性1人が負傷した。
一方、クッルナー・シュラカー(6月14日付)によると、カフルタハーリーム村とイドリブ市を結ぶ街道でシャーム軍団のメンバーが乗った車が爆発に巻き込まれた。
乗っていた3人は無事だった。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、6月12日に5件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はダマスカス県郊外県、アレッポ県で発生し、イスラーム軍が砲撃を行ったという。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は663件。
AFP, June 13, 2016、AP, June 13, 2016、ARA News, June 13, 2016、Champress, June 13, 2016、al-Hayat, June 14, 2016、Iraqi News, June 13, 2016、Kull-na Shuraka’, June 13, 2016、June 14, 2016、al-Mada Press, June 13, 2016、Naharnet, June 13, 2016、NNA, June 13, 2016、Reuters, June 13, 2016、SANA, June 13, 2016、UPI, June 13, 2016などをもとに作成。
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