ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はマナール・チャンネル(6月24日付)を通じてテレビ演説を行い、シリア情勢について「アレッポでの戦いはシリア全土を防衛するための戦い」と強調し、アレッポ市一帯での攻勢を示唆した。
ヒズブッラーの幹部司令官ムスタファー・バドルッディーン氏がダマスカス郊外県で殺害されてから40日が経ったのに合わせてテレビ演説を行ったナスルッラー書記長は、「アレッポにおける我々のプレゼンスを増大させることが我々の義務だ…。なぜなら真の戦略的な戦いがアレッポとその一帯で行われているからだ」としたうえで、「我々はシリアにおける作戦の新たな時局、新たな段階を前にしている。それはシリア北部、とりわけアレッポ一帯において行われることになろう」と述べ、アレッポ市一帯での攻勢を示唆した。
ナスルッラー書記長はまた「彼ら(反体制武装集団)が、レバノン、ヨルダン、そして東部前線ダマスカスに至ることに失敗するや、サウジアラビアとトルコは数千の戦闘員を派遣し、北部戦線で攻勢に出ようとした…。米国・サウジアラビア・タクフィール主義者の計画はアレッポ戦線で戦果をあげようとしている」と批判した。
アレッポ市南部一帯での戦闘に関して、ナスルッラー書記長は、2016年6月に入って、シリア国内でヒズブッラーのメンバー・戦闘員26人が死亡、1人が捕捉され、1人が行方不明になっていると認める一方、反体制武装集団の戦闘員617人(うち前線司令官数十人)を殺害し、800人を負傷させ、戦車などの軍用車輌80輌を破壊したと述べ、戦果を強調した。
そのうえで、「アレッポを防衛するための戦いは、シリア全土、そしてダマスカスを防衛するための戦いだ。それはまたレバノン、イラク、そしてヨルダンを防衛するための戦いだ…。これが我々がアレッポにいなければならない理由だ。我々はアレッポにこれまでもいたし、今後もとどまる」と述べ、「7月戦争(2006年のレバノン紛争)において君たち(ヒズブッラー戦闘員)に期待したのと同じく、アレッポでの戦いにおいても君たちに期待している」と呼びかけた。
AFP, June 24, 2016、AP, June 24, 2016、ARA News, June 24, 2016、Champress, June 24, 2016、al-Hayat, June 25, 2016、Iraqi News, June 24, 2016、Kull-na Shuraka’, June 24, 2016、al-Mada Press, June 24, 2016、Naharnet, June 24, 2016、NNA, June 24, 2016、Qanat al-Manar, June 24, 2016、Reuters, June 24, 2016、SANA, June 24, 2016、UPI, June 24, 2016などをもとに作成。
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