米国のジョン・ケリー国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ジュネーブで行われた両国高官とスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の会合に先立って、ASEAN外相会合出席のために訪問中のラオスの首都ヴィエンチャンで会談し、シリア情勢への対応について意見を交わした。
ISSG(国際シリア支援グループ)のイニシアチブのもと2015年12月に採択された国連安保理決議第2254号は、2016年初めにアサド政権と「反体制派」による和平協議を開始すること、協議開始後6ヶ月を目処に全土停戦と「包括的で非宗派的」移行期統治機関(移行政府)の樹立を実現すること、そして協議開始から18ヶ月以内を目処に新憲法の制定と同憲法に従った自由で公正な選挙を実施し、紛争を終結させることを明記しているが、米・ロシア両国は、全土停戦と「包括的で非宗派的」移行期統治機関(移行政府)の樹立の期日とされる2016年8月に向けて折衝を続けている。
ケリー国務長官は記者会見で「8月第1週に、あなたたち(記者団)の前で我々に何ができるかを話したい」としたうえで、「我々は敵対行為停止を確固たるものとし、テーブルにつき、事態を進展させるための真の交渉を行うための枠組みを作りたいと考えている」と述べた。
一方、RT(7月26日付)が伝えたところによると、ラブロフ外務大臣はケリー国務長官との会談後、ジュネーブでの米・ロシア高官の会合で、両国間の合意内容に深化が見られる場合、そこには、ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線から「穏健な反体制派」を除外するとの内容が盛り込まれることになると述べたという。
ラブロフ外務大臣はまた「我々は、ロシア・米国両国の空軍、さらには米軍主導の有志連合が行う軍事作戦の一環としてこの合意を開始するうえで必要なことについて協議した…。米国との合意はシリアで実際に「テロとの戦い」を行ううえで講じるべき措置にかかわるもので、テロリストの支配地域に「穏健な反体制派」を自称する者が存在することは許されない」と強調した。
そのうえで「米国はロシアに対して、シリアの「穏健な反体制派」とテロ組織を区別できると言い続けている…。しかし米国は数ヶ月にわたりこのミッションに失敗している」と非難した。
一方、シリア政府と反体制派との和平協議については、リヤド最高交渉委員会の「非建設的な姿勢」が協議再開を阻害していると指摘、「彼らは前向きな結果をもたらさない警告を続けるだけで、何らの提案もしない。アサド大統領の退陣に固執するだけだ」と批判した。
『ハヤート』(7月27日付)などが伝えた。
AFP, July 26, 2016、AP, July 26, 2016、ARA News, July 26, 2016、Champress, July 26, 2016、al-Hayat, July 27, 2016、Iraqi News, July 26, 2016、Kull-na Shuraka’, July 26, 2016、al-Mada Press, July 26, 2016、Naharnet, July 26, 2016、NNA, July 26, 2016、Reuters, July 26, 2016、RT, July 26, 2016、SANA, July 26, 2016、UPI, July 26, 2016などをもとに作成。
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